第六話

国木田「会議は・・・終わったのか?」
成宮「はい。レアメタルは『機龍隊』の方に提出してきました。」
国木田「バラゴンは?」
成宮「・・・『訓練平原』の方に。」
国木田「そうか。では本日の任務をお前に言い渡す。」


―――会議室。優馬たちはまだ残っていた。

熊坂「よし。皆本優馬田村沙織平岡隼人。お前たちは今、正式なM機関の少尉となった。これからも日々、精進してほしい。・・・おっとそう言えばお前たちはまだここ「地球防衛軍本部」を案内されてなかったな。オレがしてやりたいところだが、これからオレは他のミュータントたちに任務を言い渡さなければならない。そこでだ。案内役をこの者に任せることにした。」

熊坂が会議室の入り口を向いて、指を指すとそこには優馬たちとさほど風貌は変わらない、青年が立っていた。

熊坂「では、しっかり頼むぞ!」
伊織「はい。お任せ下さい。」

手を振って会議室を後にし、熊坂は任務司令室へと向かった。そしてこの青年は小早川伊織(こばやかわいおり)。優馬たちより一つ年上で、階級は少尉。脅威の脚力を誇っており、蹴り技・陸上脚競技全般においては絶対的な自信をもつ。

優馬「よろしくお願いします。」
伊織「よし。じゃあまず、自己紹介。オレは小早川伊織。お前たちより一つ年上だ。よろしく。」
優馬「皆本優馬です。」
沙織「田村沙織です。」
隼人「平岡隼人で~す。」

伊織は三人の顔を順番に見つめてから。口を開いた。

伊織「では、これから案内するけど案内された場所はちゃんと頭に叩き込んでくれ。お前たちもオレみたいに入隊から一年も経てば、新入り少尉の案内役を頼まれることがあるからな。」
三人「はい!!!」
伊織「・・・じゃあ、行くか。まずはM期間内からだ。」

会議室を出て右折し、ほんの数十秒歩いたところに第一案内場所があるようだ。

隼人「先輩、ここはなんていう場所なんすか?」
伊織「ん。ここに看板があるだろ?」
沙織「・・・・水中訓練場?」
伊織「そのとおり。じゃあ、扉を開けるか。」

伊織が扉を開けると、そこには50m.プールが二つ、横に並んで設置されている。

伊織「ここはさっきもあったように、『水中訓練場』だ。水中戦の実技訓練や、基礎体力をつけるため・暇潰しのため、ただ単に水泳をしにくる者もいる。」
隼人「へぇ~。」
優馬「水中戦はしっかり特訓しないと戦いづらいですからね。Mスクールでも教わりましたよ。」
伊織「そのとおりだ。ま、特訓しても実際、そんなに変化はないがな。」
沙織「では次に行きましょう。」

水中訓練場を出て、左折。二分ほど歩いた地点に第二案内場所がある。

伊織「ま、ここは見てのとおり「食堂」だな。特に説明することはないから次に行くぞ。」

食堂を出て右折。次の案内場所だ。

沙織「ここって・・・。」
伊織「ああ。知ってるやつは知ってるな。ここはかつて尾崎さんと風間さんが訓練で一騎討ちした訓練室だ。」
続いて・・・。

隼人「でっけぇ扉だな。」
伊織「ちょっと注意してろ。「今は」危ないからな。」
沙織「・・・?・・・どういうことです。」
優馬「あ・・・開けますよ?」

優馬が巨大な扉を開けると、そこには東京ドーム一個分ほどの大平原が広がっている。さらに、平原の奥地にまたも巨大なオリがある。そこ中には見覚えのある姿が暴れている。

沙織「・・・あ・・・あれは・・・!」
優馬「バラゴン?・・・そうか。オレたちが回収してきてここに置かれたのか。」
伊織「まあ、とりあえずだけどな。今はお前たちとの戦いで傷ついている上、オリに入っているから気が立っている。オレたちが今立っている地点はオリからも結構、距離があるからここでこの平原の説明をしようか。・・・この平原は「訓練平原」呼ばれている。広いから実際の戦争が再現され訓練が行われることがある。また、さっきの訓練室ではできないような格闘訓練もできる。」
隼人「戦争の訓練か・・・。面白そうだな。」

続いて・・・。

伊織「まあM期間内はこんくらいだ。んじゃあ、次は『機龍隊』の方へ行ってみるか。」
沙織「・・・機龍隊・・・。」
隼人「確か、ゴジラを倒すために結成された精鋭部隊・・・。」
優馬「では、行きましょうか。」

ワープ装置を使い、機龍隊本部へと向かった。

伊織「よし。ついたぞ。」
優馬「おわ~。」

そこにはかつて、ゴジラと激戦を繰り広げた機龍が聳え立っている。機龍はゴジラと深海に沈んでしまったため、この機体は再開発されたものである。

富樫「・・・!M期間の小早川といったか。ここでなにをしている。」

富樫(とがし)。かつてのゴジラとの戦いで機龍隊を指揮した、優秀な隊長。

伊織「はい。熊坂上官から新入りミュータントの地球防衛軍本部の案内を任され、今からここ機龍隊本部を案内しようと思っていたところです。」
富樫「・・・そうか。だが、ここからはオレがこいつらを案内する。それでいいか?」
伊織「はい。」
富樫「よし、新入りミュータント。オレが機龍隊を指揮している富樫だ。ここには精密機械がたくさん置いてあるから、下手に触るなよ。ではついてこい。」

富樫についていく道には両側に機械がある状態だ。そしてある部屋につく。

優馬「ここは?」
富樫「機龍隊の会議室だ。今はちょっと新入りには重い空気だぞ?入ってみるか?」
隼人「ビビってなんかいませんよ。早く入りましょう。」

戸を開けるとそこには音にも聞く、機龍隊の中でも特に優れた戦士たちがイスに座っている。左から家城茜(やしろあかね)。機龍の正オペレーター。特に優れたこの中でもトップクラスの操縦テクニック。機龍操縦の際は、武器を担当。続いて葉山進(はやますすむ?しん?)。機龍輸送機・「しらさぎ」のパイロット。確かな技術を持っており、あと一歩家城に及ばなかった。次に秋葉恭介(あきばきょうすけ)葉山以上の技術をもつ、機龍の準オペレーター。家城が武器で攻撃するのに対し、格闘と担当。続いて中條義人(ちゅうじょうよしと)。戦闘要員ではない機龍の整備士。メカの整備だけは誰にも負けない。最近では、操縦士としての才覚も見せつつある。次は如月梓(きさらぎあずさ)。葉山と同じく、しらさぎのパイロット。冷静な判断で確実に敵にダメージを与える。そして最後は小林拓斗(こばやしたくと)。家城に憧れを抱き入隊。機龍隊の新米隊員だが成績は優秀で、すでにしらさぎのパイロットの候補として名を上げられている。

家城「・・・なにか?」
隼人「・・・失礼しました。」

バタン!思わずドアを閉めてしまう隼人。

優馬「・・・びびったか?」
隼人「放っとけ~っ!!」
伊織「で・・・では、次に行きましょう。富樫さん。」
富樫「よし。ではついてこい。」
隼人「あんな部屋、平然と入れるわけねぇよ。・・・ねぇ?沙織さん。」
沙織「・・・・!」
隼人「あっ、・・・いいよ。気にしないで。」

しばらく直線の道を歩く。そして。

富樫「ここは機龍隊の倉庫だ。戦闘に必要な武器などを保管してある。・・・ま、機龍隊の案内なんてこんなもんでいいだろ。お前らはミュータントだから、ここにくることも少ないだろうしな。帰っていいぞ。」
優馬「伊織先輩、行きましょうか。」
伊織「よし。じゃあ、ワープでM機関に戻るよ。」

キーーーーーーーーンッ!!
ドサッ!
隼人「痛てて、どうやらM機関についたようだな。」
伊織「あれ?」

伊織の視線の先には。

成宮「・・・というわけだ。」
大輔「地球防衛軍本部というのは、かなり広いと見た・・・!(ぜぇ、ぜぇ。)」
和也「・・・フン。この程度で疲れるとは、修行が足りぬな。大輔。」
鈴奈「ニャハハ~。あたし、まだ全然いけるよ~♪」
優馬「成宮中尉・・・!!」
成宮「・・・ん?おお、お前らか。それに伊織まで。どうした?」
沙織「今、伊織先輩に地球防衛軍本部の案内をされ、終わったところです。」
隼人「成宮先輩はなにしてるんすか?そこの弱そうな奴らを連れて。」
大輔「なっ!弱そうとは、無礼なっ!」
成宮「まあ、落ち着け大輔。・・・オレも今、こいつらを案内してたところだ。任務でな。」
優馬「そうでしたか。では、行きましょうか。」
和也「・・・まて!」
沙織「・・・なに?」
和也「真ん中のチャラけたお前。今、オレたちを弱そうとか言わなかったか・・・・?」
隼人「だったら、なんだ?」
和也「・・・・試してみるか・・・・?」
優馬「なっ!?」
沙織「今・・・!?」
鈴奈「和也♪どうしたの?珍しく感情的だね?ニャハッ♪」
和也「・・・なめられたままでは、・・・・いられないからな・・・!!」
大輔「ここは一つ、お手合わせ願おう!!」
優馬「マジかっ!?」
隼人「いいぜ?相手になってやるよ・・・。」
沙織「・・・全く。」

さてさて、いきなり始まった喧嘩。(?)どうなることやら・・・。

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最終更新:2007年05月07日 22:01