意識が遠のいてきている。今ので、何発撃った? 手元を確認しようにも、目がかすんでよく見えない。そしてそもそも、手元を見ても何もない。しかし、それにすら気づけないほど、ユイの精神は昏倒していた。前回に比べて、その消耗の早さは異常だった。
だが、異常なのはそれだけではなかった。プラズマグレネイドだ。砲身の役割を担っているあの蔦が、異様なまでに蠢いている。それはまるで、脈を打っているかのように伸縮と膨張を繰り返している。
また一発、閃光が花弁のような砲塔から放たれる。しかし、対峙するガイガンは腹部のノコでいともあっさりとそれを弾いてしまった。
―――もう一発…
気づいているのかいないのか、躊躇うことなく再度のチャージを行うユイ。いや……それはもう、ユイの意思というより、プラズマグレネイドの意思のように見えた。
チャージに伴い、腕に絡む蔦が音を立ててユイを締め付け、蝕んでいく。しかし、彼女はもはや苦痛の表情さえ見せない。根が体を侵食し、飲み込んでいくのをただ受け入れる。それは、酷く虚ろな姿だった。

ほんの数十分前のことだった。降下してきたガイガン、しかしフラットウィングの姿は未だ見えない。このままでは奴は野放しの状態になってしまう。被害を抑えるためにも、ここは私一人で、陽動と迎撃の二つを遂行しなくてはならない。
『勝利得るまで、何度費えても矛とあれ』……風間少尉の教えは、いつだって忘れていない。たとえ、どんな状況であっても……
プラズマグレネイドを展開する。狙うは、弱点である首一点。ユイは、冷静に照準を合わせる。
しかし、そのときだった。
「え……?」
いつもとは違う感覚に、ユイの体を鳥肌が覆った。
蔦から伝わる、振動。規則正しく送られてくるそれは、異様な不気味さを持ちながらも、どこか身近なもののようにも感じられた。これは……
―――鼓動?
…そう、呆気にとられていた一瞬のことだった。
「っ!!?」
突如襲う、激痛。今までには想像もつかない痛み…まるで、魂そのものをえぐられたような感覚が、ユイの意識をごっそり奪う。
「こ、れは………!? ぐ、あああああっ…!」
それだけはなかった。なんと、あろうことかプラズマグレネイドが勝手に起動し始めたのだ。不気味な唸りを上げて、閃光が集束を開始する。
止めようにも、もはやどのボタンも機能しない。腕輪状態にも戻らない。ユイは、軽いパニック状態に陥ってしまった。
それからだ。一発撃つたび、ユイの意識は枯葉のように吹き飛んでいった。2発、3発、4発―――怒りに任せてガイガンが突っ込んでくる。それにひるむ事無く第5射。黒煙が上がる。当たった。 …当たった?
ガイガンが吼える。裂けた口と、それに負けない切れ長の単眼。6,7,8,9………
『何か』が、鍵爪を振り下ろす。かわさない。やり方がわからない。11,11,12…
『矛とあれ』……誰かが言っていた。だからうつ。13、17、19、25…
……… 24 42。

―――はっ!?
ダメだ、理性を保て根岸ユイ。ここで『コイツ』に飲み込まれたら完全に終わりだ。とにかく、持ちこたえるのだ。このプラズマグレネイドがエネルギーを使い果たすか、ガイガンを倒すまで。だが……
どうしてもユイには、助かる、というイメージが沸いてこなかった。今尚この体に寄生し、不気味に脈打つグロテスクな蔦の肉壁。活発に伸縮を繰り返すコイツの鼓動が大きくなればなるほど、私の心の鼓動は小さくしぼんでいく。
ありえない話だが、恐らくこの兵器の原動力は宿主の精神、生体エネルギーなのだろう。プラズマグレネイドが一発放たれる度に、それら生物を構成するものが一気に放出される。それも尋常な量ではない。野太い光の奔流と、ガイガンの装甲をも焼き切る熱量を見れば、それは明らかだった。
では、どうする?
プラズマグレネイドの停止を待つこと…それは即ち自分自身の生命が停止することに等しい。更に、心を失った体はただコイツに付属する『弾薬』となって、無意味な―――或いは、誰かの意図に操られるまま―――暴走を続けることを意味する。そうなってしまったら……
なら、今は少しでもある可能性に賭けるしかない。ガイガンを討伐し、コイツに緊急停止をかける。敵が認識されなければ、止めることができるかもしれない。
―――やるしかない。
視界がぐらりと揺れた。目の前のガイガンが、何重にも重なって見えてくる。足も浮いているようで、自分が立っているのかさえよくわからない。それでも…やる ん  だ。
狙うのは前回同様、脆いといわれる頭部。確かに前回は効果がなかったが、一点に集中させて何度も撃ち込めば、いつかは崩れるかもしれない。これは上乗せされた賭けだ。ガイガンの首が跳ぶ前に鍵爪に飲み込まれたらアウト。それから、倒すまでに精神を食い尽くされてもアウト。限りなく可能性の低い賭け。だが、今はそれにすがるしかない。
プラズマグレネイドが放たれる直前、私は残った感覚の全てを振り絞って奴の首に照準を無理やり合わせる。放たれる光の奔流。天を駆け昇り、その禍々しい悪鬼の首を飲み込んだ。それだけで、右足がガクリと崩れ落ちた。同時に、少しずつだが思考が削られていく。自分が今、何をしているのかさえ、少し気を抜けば忘れてしまいそうだ。
まだ、だ…!
一撃与えたことに安心してしまえば、心に隙ができる。だからせめてあの巨体が崩れ落ちるまでは喜んではいけない。もう一撃…確実な斉射を与える!
「!?」
だが、そのときだ。
それまで不気味な脈動を続けていたプラズマグレネイドが、突如暴れるように蠢きだした。荒れ狂う津波のように波打つ蔦が、花弁に向けてエネルギーを送る。その様は尋常ではない。蔦そのものが焼け切れてしまいそうなほどの熱粒子が集束し、空気を震撼させている。
『何としてでも敵を倒す』という無意識の闘争心、それが逆にプラズマグレネイドを躍動させ、暴走させてしまった。任務に非情な心は、同時に殺意に忠実すぎたのだ。
120mの巨体を沈黙させるだけのエネルギー量。それだけのものを搾取されれば、完全に意識が吹き飛んでしまうのは自明の理だった。
もう何も見えない。もう何も聞こえない。もう何も感じない。
その目が見るものは照準。その耳が聞くものは雑音。その体が感じるものは
虚無
もう何も――――――わからない。

機械的に動く体。虚ろな瞳が、照準を首にあわせる。先ほどよりずっと近い。気づいていなかったが、既にユイとガイガンとの距離は眼と鼻の先だった。これだけ近ければ、反動や爆発にユイ自身が巻き込まれてしまう。しかし、迷わず引き金は引かれた。
一瞬、世界は白一色に塗り替えられた。目を潰すほどの閃光。立ち上る一本の光の柱は野太く、天へと続く道のようだった。
ガイガンの首…いや、頭ごとソレは飲み込んだ。拡散光線も撃たせず、ソレはガイガンの頭を蒸発させてしまった。
勝利……これをそう呼んでいいのか。煌びやかな勝利への閃光は、敵の頭部と同時に少女の心をも消し去った。生まれたのは勝利への歓喜ではなく、兵器の媒体となる、一つの『人形』だけ。尚も、閃光は止まらず昇り続けていた。
しかし、それで終わりではなかった。
頭をなくし、息絶えたはずのガイガンが、突然腹部の回転ノコを起動させて突っ込んできたのだ。ユイの立つビルにノコが刃を入れると、火花を散らしながら易々とビルに切り込みを入れていく。ガイガンは、ビルごとユイを葬るつもりだ。ユイも全く動じることなくその閃光を標的へとスウェイさせる。ぶつかり合う回転ノコと閃光。互角? いや、違う。よく見ると、閃光はノコに弾かれて本体そのものに届く前に霧散している。即ち―――
ユイの虚空の瞳に、火花を散らして閃く銀の刃が映った。


―――ここは、どこだ?
気がつくと、そこには無色の空間が広がっていた。白い、雪のような絨毯。しかし、上を向いても左右を見渡しても、それは変わらずそこにあった。
「私は……どうしていたんだ?」
霞がかった思考で、記憶を辿る。たしか、ゲームセンターから帰ってきて……
ああ、そうか。
ようやく思い出した。多分、私は負けたのだろう。それがガイガンにか、プラズマグレネイドにかはわからないが。
不思議と、あっさり状況を認めている自分がいた。遣り残してきたことはあったが、それも今ではどうでもいい。
「…歩くか」
自分以外のものがないと、この純白の空間も肌寒く感じる。私は誰かいないかと探索してみることにした。しかし、どこまで行けど広がるのは虚無の世界。いや、そもそも私は進んでいるのか? 何もない世界に、この体だけがポツンと取り残されているような感覚。私は少しだけ恐くなって、元来た道を引き返そうとした。しかし、振り向いても見えるものは同じ景色。顔から血の気が引いた。
「誰か、いないのか!?」
無駄とわかっていても、つい助けを求めて叫んでしまった。無論、返答はない。
体の力が抜け、ぺたんとその場に崩れ落ちる。それは、絶望にも似た感覚だった。
このまま、永久に一人……?
「ははっ……まるで監獄だな」
私は、どこか他人事のように鼻で笑った。
それもいい。昼間のような、あの鬱陶しい雑踏に比べたら、ずっとこっちのほうが性に合っている。それに、喧しいあいつらとも付き合わなくていいんだ。少し前までは、そうやって一人で生きてきたのだから。

ふと、昔のことを思い出した。まだ、言われた訓練をこなすだけだったつまらない幼少時代。周りからは好奇な眼で見られ、常に私は一人だったが、そのときは気にも留めず、彼らの望むとおり他人を避けて訓練に没頭していた。そこで出会ったのが、当時兵曹だった風間少尉だった。
目的もなかった私を引き抜いて、戦士としての在り方を教授してくれた風間さんは、私にとってヒーローのような存在だった。彼に出会ったからこそ、今の自分があるとさえ思っている。彼は、私に人間らしい目標を与えてくれた人。厳しい人だったけど、私は少しでも早く彼に認められる人間になりたくてがむしゃらに技能を磨いた。
しかし、それから9年もたった頃、突然彼は殉職した。X星人の母船の動力炉に、特攻を仕掛けて彼の人生は幕を閉じる。
まったく、まるでB級アクション映画に出てくる3番目くらいのキャラのような安い死に方だ。まったくくだらない。くだらない――――――。
…私は一人、取り残された。
風間少尉はいなくなった。尾崎大尉も、心をどこかに忘れてきたように抜け殻になった。目標として、同時に尊敬もしていた人を失って、落ち込みたかったのは私のほうなのに。―――いや、こんな終わり方も悪くはないか…。
何驚くことじゃない。どうせ、元々一人だったんだ。それが、元に戻っただけのこと。それでも…彼らと関わって、変わってきていた自分へ期待していたことに対する喪失感はあった。初めて、自分が変わったように感じたのは、ゾルゲル島の調査に行った時だったな。あの頃は、家城を随分と邪険に感じていたものだが。
それから…ガイガンと戦った時。あの時は、皆がひとつになっていたような気がした。
―――皆、か。
いや、余計な感傷に浸るのはよそう。過ぎたことはもういい。どうせこの先、私はずっと一人なんだから…………。

だが、そのときだった。
「―――?」
どこかで、かすかに声がした。どこか遠く…それでいて、とても近いどこかで。
「誰……?」
思わず顔をあげた。さっきまであんなに諦めきっていたつもりだったのに、人間はそこに助けがあると、つい反応してしまうものらしい。弱いものだな。私は必死に目を凝らした。
何か見える。何か、顔のような輪郭。…何か言っている。

ヒ、ト、リ
















ジャ、ナ、イ…?
瞬間、暖かな風がざあっ、と巻き上がり、私の意識は溶け込むように再び暗転した。

「ちょいと隣、失礼してますよ」
初めに見えていた輪郭が今、はっきりと形になって映し出される。いつもと同じ、根拠のない自信に満ちた顔が、私に向かって微笑みかけていた。
「な…ぜ?」
わかっているくせに、一人に戻るのが恐くて、私はついそんなことを聞く。
「ん? や、特等席で怪獣見物でもしようかと思ったら先客がいたんでね」
「そ、そうじゃない!」
いつもはただ私を苛立たせる軽口も、今は私に安らぎをくれる。それがたまらなく心地よく、愛おしくて。
でも、そんな想いを悟られまいと、わざと語気を荒げて私は言った。
「今の私の状態が尋常でないのは見ればわかるだろう!?下手すれば、あなたを敵と誤認してしまう可能性だってあるんだぞ!それなのに―――!」
すると信二は、ちっ、ちっ、ちっと得意げに指を振ってみせる。
「理由なら、ちゃんとあるぜ? 何故なんて、聞くまでもない完璧な理由がな」
ああ、なんだ。私はもう知っているじゃないか。彼の答えを…。
「それは―――」
その方が―――
「カッコいいからだ!」

闘いが、終わろうとしていた。
衰弱した私の体を包み込む信二の腕は、既に半分以上蔦に飲み込まれていた。このまま周囲のものすべてを食い尽くすつもりなのか。
ガイガンもまた、最後の抵抗を試みる。腹部のノコの回転数が一気に跳ね上がる。しかし、私はもう、ガイガンにも、プラズマグレネイドにも負ける気はしなかった。何故なら…
―――隣には、彼がいるから。
ついに閃光が鋭い刃を焼き切った時、私の視界は再び真っ白に包まれた。







「ん――――――」
重い瞼を持ち上げると、妙に体がだるいことに気がついた。なんだか頭も痛い。
(え、っと……)
ぼうっとした頭で、霞がかった記憶を手繰り寄せる。何か、大事なことがあったはずだ。
たしか、ガイガンと戦っている最中に…
そうだ、プラズマグレネイド!!
飛び起きるように意識が覚醒する。ガイガンはどうなった!? 私は…どうなった?
しかし、目覚めて初めて見えたものは敵の姿ではなく……
「お、起きたみたいだな」
「!!?」
目の前にでかく映る顔。反射的に体が跳ね起きる。と、同時に…
「ろこもっ!?」「ひでぶっ!?」
いい音を立てて衝突する額と額。お互い、ひとしきり悶絶する。
「ス、スミマセ……つい驚いてしまって…」
頭がぐわんぐわん言っている……私としたことが。しかし、信二は特に怒るでもなく…
むしろ、笑い出した。最初は、頭の打ち所が悪かったのかと思った。
「そういう顔もいいな」
「は?」
「ん、ドジッコ萌えって奴?」
……またよくわからない単語を。
「あ、それとユイっちの寝顔もよかったぜw 凛々しい顔とのギャップがまた…」
「な゛っっ……!?」
少し見直したと思えばこの男は! やっぱり、少しでも気を許した私が間違い―――
「またお前はっ…!」
私は思い切り信二を睨み付けた。が、すぐに彼の微笑みと、突然頭を撫でてきたその手に制される。
「戦いに勝てて、かつ俺達は無事だった。…大切な人が、誰も死ななかった。嬉しいことじゃねーか。だからさ…」
彼にとってこの勝利は、冬のあの日の決着になったのだろうか。私が、彼の前で死ななかったこと、彼が命令を無視し私の元へ駆けつけてくれたことは、少しでも、失った仲間達への償いになったのだろうか。私には、わからない。だけど―――

「もっと、笑えよ」

隣に彼がいたこと。一人から救ってくれたこと。それが…
たまらなく嬉しかったこと。
それだけは、確かだ。
報告しなければならないことが、山ほどある。
プラズマグレネイドのこと。霧島麗華のこと。しかし今は―――

「……はい」

彼の言うとおり、この命を喜ぼう。
私は、慣れない微笑みを、精一杯彼に向けた。
風間少尉………見てくれていますか? 尾崎大尉は、あれから立ち直りました。もう、私がいなくても大丈夫だと思います。私は…あなたの側にいた頃とは、随分変わってしまったみたいです。
意味がないと思っていたものにも、少しだけ意味があると知って。
一人で無感情に振舞っていた自分が、本当は少しだけ寂しかったことを知って。
仲間の絆を知って。
単純だと思っていたものが、本当は私よりずっと深い意味を持っていると知って。
少尉。私は、少しだけあなたの教えに背いてしまいました。矛であること。在り続けること。やはり、私はあなたほど強くありません。体も、心も。私は、あなたに見捨てられて、またあの無感動で、一人きりな日々に戻るのがこわかっただけなのかも知れません。やはり、まだまだ私は未熟です。
ですが……
私は、見つけたような気がするんです。私にはない、もっと大切なものを。
そして、私は、私の持っていない『何か』を持っている彼に―――



と、そのとき。
2人の静かな時間を邪魔するように突然割って入ってきた通信機の着信音。
「ったくいい所で……はいはいこちらスーパーヒーロー、どうぞ?」
通信を取ったのは信二のほうだった。すると、すぐに耳を当てていなくても聞こえるであろう怒声が聞こえてきた。熊坂教官だ。
「貴様、何をしている!! 今がどういう事態かわかっているのか!? ガイガンが…」
「あー、それならさっきこの信二様がちょちょいっとやっつけて―――」
得意げに語ろうとする信二……だが次の瞬間、私達は耳を疑うことになる。
「バカヤローッ!! なら、今俺達の目の前にいるのは何か説明してみろっ!!!」
「!?」
その意味はすぐにわかった。私達の真上を―――闇夜を切り裂く甲高い空の声。その音の正体が、『4匹の』ガイガンが音速飛行で侵攻していく音だと。


「嘘がお上手なんですね♪」
革の椅子にどっかりと腰を下ろした国木田少将に、瑞穂はいつもの笑みを浮かべながら言った。
「何のことですかな、准将?」
「何って、初めからフラットウィングに陽動なんて命令してないくせに。それどころか…」
「『それぞれに別の命令を出した』―――」
さも当然、といったように国木田は鼻であしらった。しかも、瑞穂もまたそれを咎めようとはしない。やはり、それが当然のように。
「…いよいよですね」
わずかに瑞穂の声色が変わる。感情を読み取れないような、抑揚を感じさせない声。それに対し、国木田の声は嬉々としていた。
「ああ、いよいよ悲願を果たす時だ。この先の戦いではX共にも、無論M機関にも勝利はない。そして残るのは………」
どす黒い笑みを浮かべるその姿は、もはやM機関・地球防衛軍の少将ではない。
「―――人間だけだ」
そこにあるのは、野心を剥き出しにした、一人の醜悪な男の姿。
「サキに『送信』しろ……作戦を開始するとな」
計器に囲まれた部屋で、男は部下達に向かって高らかに宣言する。M機関創設から密かに暖めてきた野望を。
「幾年前のX共との戦いは最終戦争(FinalWars)などではない……あの忌まわしい『怪物』共から奪還するのだ…我々人間の尊厳と、自由を。それこそ、真の最終戦争だ。そして、今こそその刻が来た」
モニターの中で、EXMAがガイガンへ、そしてミュータントへ向かって駆けていく。たった一人の男の野望を乗せて。
「始めよう……闘いを。                 作戦名は――――――」


FINALWARS REBIRTH・・・


その同じ頃……静かに波うつ沖合―――黒く長大な尾が、小さく跳ねた。






最終更新:2009年02月04日 02:57