羽田空港の新しい国際線ターミナルが2010年8月2日、マスコミ向けに公開された。海外の主要なハブ空港を参考にした跡が随所に見られ、駅到着から飛行機搭乗までの動線には段差がないほか、標識類もシンプルで見やすい。アクセスの良さに加え、ターミナル自体の使い勝手の良さも売りにして、新たなハブ空港としての地位を築く狙いだ。開業は10月21日の予定で、ソウルや上海、香港などアジアに加え、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリなど欧米の主要都市へも直行便が就航する。本格的な「羽田発・海外旅行」の時代の到来が、いよいよ間近に迫ってきた。
開業を約2カ月後に控え、テナントは未入居ながらも、空港内のほぼ全域が公開された。空港に入ってまず目にするのが、チェックインカウンターなどが並ぶ出発ロビー。ドーム型の高い屋根で開放感を演出した空間は、羽田の既存2ターミナルとは大きく異なる雰囲気で、「国際空港」らしい迫力を感じさせる。
フロアは1階から5階まであり、出発ロビーは3階、到着ロビーは2階。出発と到着で完全にフロアを分けた設計になっている。出発ロビーの4階と5階は「E・DO MARKET PLACE」と名付けられ、「江戸小路」と呼ばれる飲食・物販ゾーンや、空港内の設備としては初めてのプラネタリウムを導入したカフェ、270度の視界を確保した展望台などがある。江戸小路には飲食店だけでも18店舗が入居する予定。茶と和菓子の「京はやしや」、ラーメンの「せたが屋」など知名度の高いテナントが並ぶ。パスポートがなくても入れるエリアだけに、開業時には観光客で混雑しそうだ。
免税店エリアにはシャネルが初出店。ラウンジは仮眠設備が充実
出国審査を終えて制限区域に入ると、新ターミナルのもう一つの大きな売りである免税店エリアが広がる。主にハンドバッグと靴を扱い、日本国内では初の免税店となるシャネルが出店。同じく日本では初となるロレックスの免税店は約250本のラインアップを用意する。タバコや香水、酒などを扱う総合免税店も制限エリア内に4つあり、ターミナル中央付近の免税店は国内最大規模を誇る。
制限エリア内にも飲食店はあるが、4階のフードコート以外は小規模なバー、カフェ形式の店舗のみ。フードコートもさほど大きくはないので、きちんとした食事を取りたい場合は出国前に江戸小路の飲食店を利用するのが良さそうだ。
制限エリア内には計4つのラウンジがある。JAL、ANAがそれぞれ用意する専用ラウンジと、空港が用意する2つのラウンジだ。空港の用意するラウンジは、JAL、ANA以外、しかもアライアンスも異なる航空会社(デルタ航空など)の利用客向けのものと、クレジットカード各社の上級会員向けのものに分かれている。前者のラウンジのほうが面積が広く、設備もやや豪華な印象を受けた。JALとANAのラウンジは今回は公開されなかった。
早朝から深夜まで、実質的に24時間運営のターミナルとなるだけに、フードコートや空港ラウンジも24時間営業。ラウンジにはシャワー設備のほか、仮眠を取りやすいよう足置き付きのソファも多数配置されていた。
トイレは機能性に加え広さも売り。モノレール駅は出発ロビー直結
日本の空港のトイレは、訪日した外国人旅行客から高い評価を受けている。新ターミナルもトイレ周りには力を入れており、多機能トイレやベビールームなどの設備が充実。男性用トイレの個室が非常に広く、数も多いのが印象的だった。
10月21日の新ターミナル開業に合わせ、京急線と東京モノレールの新駅もオープンする。東京モノレールの新駅はターミナルの出発ロビーと直結。実際に歩いてみると、改札からチェックインカウンターまでは1分程度しかかからなかった。一方、京急側の駅は地下2階にある。大型のエレベーターが多数設置されており、移動はさほど苦にならないだろうが、モノレールに比べると駅到着からチェックインまではやや時間がかかる。なお、京急の駅には親子丼で有名な「玉ひで」のほか、コンビニ、カフェなどが入居する予定だ。
最終更新:2010年08月04日 14:27