洋服ににおいが付かないようにするため、“無臭”が常識だった防虫剤に“香り”をつけた新商品がヒットしている。20~30代の主婦らを中心に香りを楽しむアロマテラピー感覚で使う消費者が増えているためだという。
エステーは4日、その名の通り無臭の防虫剤「ムシューダ」に、清潔感のある香りをつけた「かおりムシューダ」を12日に発売すると発表した。
1988年発売のムシューダは、樟(しょう)脳(のう)やナフタリン、ベンゼンなどの薬品臭さがしないことが支持され、シェア50%を占める大ヒット商品になったが、最近の香り人気を受け、ラインアップに加えた。
香りつき防虫剤で先行したのは、白元。20~30代の若い主婦が防虫剤を使わなくなってきたことを憂慮。無臭の「ミセスロイド」に香りをつけた「フローラルミセスロイド」を今年2月に発売したところ、大ヒットした。
追撃するエステーは、KDDIの「LISMO!」のキャラクターなどで注目されている佐野研二郎氏にデザインを依頼。「かおりちゃん」という女の子のキャラクターをパッケージにあしらって親しみやすさを出した。
心や体を健康にするアロマテラピーの普及で、香りへの消費者の関心が高まっており、海外の日用品メーカーが売り出した香りつき柔軟剤もヒットしている。エステーでも「世の中が香りを受け入れ始めた」とみている。
「かおりムシューダ」は年間200万個の販売が目標。同日会見した鈴木喬社長は「国内でもやり方次第でまだまだ伸びる」と意気込んでいた。
最終更新:2010年08月04日 14:53