ある日、冒険者の宿で依頼を確認していたところ、突然、宿の扉を開ける音が聞こえた。振り返ると、10代を少し超えたぐらいの少年が、こちらを確認すると近寄ってきた。
GM:ノイア「あの冒険者さんですか?はじめまして、ノイアと申します。ちょっとお願いがあるんですが聞いてもらえませんか?」
しぼり:は、はい!困ってる人がいるなら助けないと!(ずいっ
タルウィ:アタシは興味ないな、アンタらに任せた。(椅子に座ってお茶をすすり出す
しぼり:た、タルウィさんも協力してくださいよぅ…
エミール:子どもの困り事の解決は、我々大人の義務だと思っていましたが
しぼり:そ、そうですそうです!君、どうしたの?
GM:ノイア「人探しをお願いしたいんです。僕の姉を…カレン姉さんを探してほしいんです」
話を聞いてみたところ、少年の姉が今朝から見当たらなくなったようだ。少年の名はノイア。ピアノ奏者である姉カレンと作曲家の姉の夫カーンと彼の3人で暮らしていたそうだ。
GM:ノイア「身の上話になってしまうんですが、姉の夫、カーン兄さんは…3か月前に、病気でなくなってしまったんです」
しぼり:はっ
エミール:…。
GM:ノイア「それ以来、姉はずっとふさぎがちで…。こんなこと言いたくはないんですが、 後を追いに行ってしまったんではないかと思ったんです」
タルウィ:それは心配ねー(棒
しぼり:ちょ、ちょっと!親身にきいてあげてくださいよぅ!
タルウィ:たく…
エミール:すぐにでも探しにいかないと
GM:ノイア「ありがとうございます!」
さっそく支度を整えて、宿を後にした。
しぼり:ど、どこを探しにいきましょうか?
タルウィ:ノイアだったか、街の案内頼む。アタシらはここの街のことをあまり知らないんだ
エミール:そうですね…ノイア、君のお姉さんが行きそうなことはわかりますか?
GM:ノイア「そうですね、ここ最近はひきこもることが多かったので、あまり出歩いては…。あ、そういえば…図書館にちらほら言っていたようですね」
しぼり:図書館…。行ってみましょうか
タルウィ:図書館ね…
図書館は静かな空気が流れている。どの本棚を調べる?
しぼり:はっ…
タルウィ:本だらけだな
エミール:すごい…!これが全部本とは!
しぼり:ピアノ奏者、ということでしたので。音楽関係の書物にヒントがあるのではないでしょうか… (いそいそと一人で音楽の本を手にとって
音楽についての書架を調べてみた。…しかし、手がかりになるような情報はなかった。
GM:ノイア「最近のカレン姉さんは、『弾きたい曲がない』と言っていて、音楽への熱意をなくしてしまったみたいです」
エミール:おかわいそうに。
タルウィ:不幸の味がするな
しぼり:む、むう…(本を手にとってはぱらぱらとめくる
魔術の書架を調べてみた。感覚判定、スキルボーナス→ナレッジ;
タルウィ:失敗…(7) 、エミール:成功!(14) 、しぼり:成功!(17)
ふと、一冊だけ最近読まれたような痕跡を見つけた。
エミール:ん…!これは。
しぼり:むむ
タルウィ:魔術…人間の物には興味ないが、なんかあったか?
エミール:(同じ本に手が伸びる二人…!
しぼり:はっ、ど、どうぞどうぞ…
タルウィ:何やってんだ(あきれ顔
しぼり:ご、ごめんなさい、すいません…(本棚の奥のほうに隠れる
エミール:あ、私、この辺の言葉に詳しくありませんので、しぼりさんお願いします
しぼり:ぐ、す、すいません…(とぼとぼ出てくる
タイトルを見てみると「悪魔との取引」と記されている。
悪魔の性質や呼び出し方法が記されている。満月の夜に、亡骸の前で悪魔と契約することで命を再生させることができるそうだ。
GM:ノイア「…悪魔との取引?」
タルウィ:悪魔ぁ?くだらないな
エミール:興味深い話ですが…不穏ですね。
しぼり:ほ、ほうほう…よく聞くような黒魔術の類でしょうか
タルウィ:こんな物で呼ばれるのはせいぜい下等悪魔くらいだがな…
GM:ノイア「…そういえば、今日は満月になりそうですね…まさか!」
しぼり:ま、まさか
エミール:…これは、急いだほうがいい?
タルウィ:助けるつもりなら、急ぐべきだろうな
エミール:悪魔は呼び出した人間に代償を求めるのが常。
しぼり:は、はい。犠牲が出る前にはやく止めなければ…
タルウィ:で、どこに行ったか分かるのか?
しぼり:ここには他に何も情報は無さそうです…他のところをあたりましょう
タルウィ:そうだね
街で聞き込みを行う。知力判定、スキルボーナス→ネゴシエーション
エミール:失敗…(8) 、しぼり:成功!(11) 、タルウィ:成功!(16)
エミール:では手分けして…あぁ!誰も止まってくれない!
GM:教会の牧師「あぁ、カレンさんですか。夫のカーンさんが亡くなられた時は 助けられないかと懇願されたものです。魔法はなんでもできる奇跡ではありません。傷をいやすことはできても、死んでしまったものを生き返すことはできません。何度伝えても、あきらめきれない様子でしたね…」
エミール:そう。祈りとは誓いのこと。都合よく願いを聞き入れる神などいないのです。
しぼり:神ではなく悪魔では尚更ですね…。
GM:ピアノの調律士「よく来たね。カーンはいい曲をつくるやつだったよ。あいつの曲が聞けないと思うと残念でならないよ。…そういえば、最後まで描いていた楽譜はどうなったのかな。あいつは机の奥に書きかけの楽譜を隠すくせがあるからな」
エミール:!
しぼり:か、書きかけの楽譜!
タルウィ:あるかもしれないな。そんな話をしていた
しぼり:もしかしたらそこに何かヒントがあるかもしれません。僅かな可能性ですが探索してみる価値は…
タルウィ:ということは家を見に行くか?
しぼり:はい!
GM:ノイア「はい。ぜひお越しください。何か手がかりが見つかればいいんですが…」
住宅街のはずれのノイアの家に来た。質素なつくりだが、手入れが行き届いている。
タルウィ:小さな家だな
しぼり:タルウィさんは口が悪いです…いい家じゃないですか。むう…
タルウィ:綺麗ではあるな、悪意はないさ
エミール:お義兄さんの部屋ですか
しぼり:そうですね!ま、まずは気になる楽譜の方を…
GM:ノイア「…カーン兄さんの部屋だよ」
しぼり:はっ!二重底になっていた引き出しから、件の楽譜を見つけました…
タルウィ:お、見せて
エミール:ほぉ。
しぼり:残念ながら、楽譜からはお姉さんの情報は…まあ当然といえば当然なのですが(消沈
エミール:カーンさんの代わり…というのはあんまりですが、お姉さんを元気づける一助にはなるかもしれません。
しぼり:な、なるほど…!
タルウィ:姉を見つけたら渡してやるか
しぼり:はい、はやく探さないとです!
GM:ノイア「ここはカレン姉さんの部屋だよ」
しぼり:お、おおー、立派なピアノが…
タルウィ:ほう、凄いじゃないか
エミール:…これは?ピアノの下に日記が落ちていました。
しぼり:えっ!何が書かれているのですか?
エミール:前半部分では幸せな結婚生活の事が書かれていますが、夫がなくなってからは鬱々とした内容ですね。その死を受け入れることができず、悪魔との契約とか、あやしい話を信じこんでしまったようです…
しぼり:はっ…!弱い心を悪魔につけこまれ…?
エミール:あれっ昨日の日付で終わってる!?…日記だから当たり前だった!!
タルウィ:(何言ってるんだこいつ状態
しぼり:エミールさんって天然ですか…?(汗
エミール:と、とにかく今日が満月の夜!
タルウィ:アタs…悪魔は弱い人間の心を付け狙うからな。アンタらも気をつけなよ
しぼり:(ごまかした?
タルウィ:今日儀式をやる可能性は高いな
しぼり:せ、聖職者たるもの、いつでも悪魔には隙を見せない気概ですよっ!
エミール:いきましょう!
しぼり:はい!
タルウィ:どこに?
エミール:先ほどの魔術の本では、「亡骸の前で儀式をする」と!
しぼり:は、はっ…亡骸のところです!
カレンの居場所の検討が付いた?行き先を選択してください。;
しぼり:(選択肢っ!?
タルウィ:亡骸の居所っていうと
しぼり:は、墓場です!亡骸のあるばしょ!
タルウィ:なるほどね
エミール:それだっ
しぼり:(こういう選択肢があるとわざと間違えたくなるぅ
タルウィ:(ええんやで。君もボケの仲間入り!
しぼり:(よくないですっ!?
墓場への道は薄暗い森を抜けた先だ。いつの間にか日は落ちたようで、木の間から月の光が道を照らしている。
タルウィ:気分が滾ってくる時間だな。もうそろそろ儀式とやらかもな
しぼり:はっ…なんだか物悲しい雰囲気ですね…墓場だから当然ですが。
エミール:いやな空気だ。この森は良くない。
しぼり:はっ(意見が一致してこくこくと頷く
エミール:あれは!!彼女か。
しぼり:い、いました!カレンさん!
タルウィ:何かしようとしているね
エミール:とめましょう。
しぼり:だめですーっ!(つっこめー!
墓標の前に、赤髪の女性が座っていた。何かをぶつぶつと唱えると、小さなナイフを取り出して、自分の指先に傷をつける。
その瞬間、あたりの空間が歪み、その中から何者かが現れた。空間のひずみから現れた者は子供のような声でカレンに話しかける。
GM:悪魔「やぁ、お姉さん。呼び出してくれてありがとう」
タルウィ:ほほう
エミール:見える。邪な魂だ。
GM:悪魔「約束通り君の夫を生き返してあげるよ…対価は支払ってもらうけどね」
しぼり:だ、だめです…悪魔の言うことを真に受けては!
GM:ノイア「姉さん!そんなことをしてもカーン兄さんは喜ばないよ!」
ノイアが声をかけると驚いた顔をして、こちらを振り返る。
GM:カレン「ノイア…?…私のピアノの腕と違ってあの人の曲は才能にあふれていたわ。もし代わりになれるのならば、あの人が生きていた方がずっといいはず。私は…もう奏でたい音楽が見つからないの」
しぼり:はっ
エミール:あなたの愛する人は、あなたへの贈り物を残していましたよ!
しぼり:そ、そうです…!(ずびっ
タルウィ:しぼり、見せてやんな
しぼりが「題名のない楽譜」をカレンに見せた。
GM:カレン「その楽譜は…!あの人…てっきり完成しなかったとばっかり思ってた。
しぼり:この曲のタイトルは決まってないようです。あなたに弾いてもらって、そのあとにタイトルを決めてもらいたかったようです。
GM:カレン「病気だっていうのに、最後まで描き続けていたのね…。そんなことを頼まれたら、弾いてみるしかないじゃない。悪魔さんごめんなさい。せっかく出てきてもらって悪いのだけれど、気が変わったわ」
カレンはそういうと、半ばあきれたような顔でそっと微笑んだ。
GM:悪魔「お話はすんだかい?気が変わったとかどうでもいいよ?呼び出してくれた時点で契約成立なんだよ」
タルウィ:だろうな
エミール:ふん。
しぼり:のわーっ…
GM:悪魔「いただきます!」
悪魔が手を伸ばして、彼女のみぞおちから手をするりといれる。
GM:ノイア「ぼ、冒険者さん!」
しぼり:か、カレンさんっ!
GM:悪魔「邪魔するのは許さないよ!」
あたりが再び歪み、その内側から2匹の異形の者が現れる。アクティブシーンに移行します。
しぼり:に、二匹っ!?任せます、私は援護にーっ!
エミール:ノイア、下がっているんだ。
タルウィ:下等如きがアタシに刃向かおうなんざ千年早いよ
しぼりが神聖魔法でエミールを祝福し、タルウィは軽快なステップで踊りだす!
GM:悪魔「冒険者っていったっけ?君たち、横から人の仕事の邪魔をしないでほしいな。対価をもらい、だれかの願いをかなえてあげる。それって冒険者と同じじゃない?」
しぼり:違いますっ!!
タルウィ:違う!冒険者は、ただ頼まれたことをやるだけじゃない。冒険者は、その結果にも責任を持つ。依頼の結果に何が起るかまでも含めて、自分の選択として行動しているんだ!
GM:悪魔「…気に入らないね。目障りだよ!」
タルウィ:しぼり、下がってな!エミール、合わせるよ
エミール:ええ。私にとってはゴブリンよりも与し易い相手です
しぼり:あ、あわわ…よろしくお願いしますっ!
憂鬱の悪魔が呼び出したマイナーデーモンが、エミールの前に立ちふさがる。
プレッシャーを掛けられたエミールに、悪魔による風の魔法が向かう。
しぼりはタルウィを祝福し、タルウィは悪魔を挑発した。
エミール:うぐっ!
タルウィ:油断するんじゃないよ
しぼり:ああっ!す、すいませんっ!(不慣れで敵の攻撃にあわせれない
エミール:(僕自身、役に立たないアコライトで申し訳ないっ
タルウィ:(アタシもRP重視で弱めに作ってるから…
しぼりの癒やしの魔法によってエミールは回復し、目の前のマイナーデーモンにフレイルを叩きつける。
憂鬱の悪魔による呪いのために、タルウィの防御力は低下してしまった。
しかし、彼女はそれをものともせず、両手剣でもう一匹の悪魔の下僕を粉砕した。
タルウィ:さて、壊される覚悟は出来たかい?
しぼり:残るはあの悪魔…ゆるしませんっ!(でも後ろのほう
エミール:向こうに帰りなさい。ホーリーライト!
タルウィ:一緒に踊りな!ソードダンス!
しぼり:た、タルウィさん、踊りながら戦ってる…
GM:悪魔「気に入らない…気に入らない…ううう…」
タルウィのクリティカル!憂戚の悪魔に17のダメージ。
悪魔が動かなくなると、ゆっくりと消えていった。なんとか悪魔を退けることができたようだ。
ひとまずカレンを抱えて町に戻ることにした。
ノイアの家に戻って、カレンをしばらくベッドで休ませてしばらくすると彼女は目を覚ました。
GM:カレン「ここは…私、生きてるのね」
エミール:ええ。もう大丈夫ですよ。
GM:カレン「このたびは危ないところを助けていただき、ありがとうございました。ノイアにも心配をかけてしまったみたいね。ごめんなさい」
しぼり:はっ、よ、よかったです…
GM:ノイア「冒険者さんたちがいなかったらと思うとぞっとするね…」
しぼり:いえー、そんな…
GM:カレン「みなさん本当にありがとうございます。裕福でないからお礼はあまりできなくて申し訳ないのですけど、代わりに今度うちに遊びにきてください。きっと素晴らしい音楽を聞かせてあげます」
そして、いくばくかの謝礼をもらって彼女たちと別れた。
…それからしばらくすると、カレンたちがピアノを聞ける喫茶店を始めたという噂を耳にした。
そこでは他では聞いたことのない素晴らしい曲が演奏されているという。
その曲の題名は「明日」だとか…
⇒クエストクリア!
タルウィ:人間とは面白いな
エミール:冒険者とは、なかなか良い職業です。お二人と組めて、嬉しかったです。
しぼり:す、素敵なお話でした…旦那さんの遺した曲に、明日と題名をつけるなんて(おろろーん
エミール:このまちで生きる自信が、少しはつきました。ありがとう
タルウィ:私も良い暇つぶしにはなった。感謝しよう
しぼり:ありがとうございます!
最終更新:2016年11月08日 17:25