エミール:お久しぶりです、タルウィ
タルウィ:久しいなエミール。じいさんは初めましてだな
ダガタール:私はダガタール、老いぼれ冒険者さ
タルウィ:タルウィ、踊り子だ
エミール:エミールです。勉強させていただきます
タルウィ:ダガタール、足を引っ張るなよ。怪我をしそうになったら下がることだな
ダガタール:はは、善処するよ。よろしく頼む
ゴブリンたちの討伐を目的に訪れた場所は暗い洞窟だった。灯りを頼りに洞窟探索をはじめる冒険者たち…。
タルウィ:暗いな
エミール:ジメジメしていますね。ゴブリンたちは不快じゃないのでしょうか
ダガタール:こういった所が好きなんだろうね
タルウィ:理解が出来んな。所詮は下等生物か
ダガタール:邪悪は闇を好むものさ
タルウィ:まあいい、進むぞ
三人は洞窟内の広い場所へと出た。この付近にゴブリンがいる気配はないようだ。道が二手に分かれている。
エミール:右、左…
タルウィ:どうする?
ダガタール:ふむ…左が良いね
エミール:何かジンクスでも?
ダガタール:老人の勘さ
エミール:…心強い。従ってみましょう
タルウィ:そうか、まあアタシは何だっていい
薄暗いため見えないが、何かが動く音がはっきりと聞こえ始めた。注意しながら洞窟を進む。
ダガタール:おや
タルウィ:何かいそうだな
エミール:気配を消して進みましょう
暗い道を歩いて行くと、明るい部屋が見えた。中を覗いてみると、ゴブリンが松明片手に退屈そうに見張りをしているのが見える。
エミール:おっと、ゴブリンです
タルウィ:今なら首を掻くことも出来る、か
ダガタール:ゴブリン程度の知覚なら、奇襲出来るかね
エミール:心苦しい部分もありますが、それで片付けてしまいましょう。よろしいですか?
タルウィ:構わん。雑魚に用はない。奇襲は性に合わん、お前に任せるぞ
ダガタール:運動は任せるよ
【判定成功!】
エミールは静かにゴブリンの背後に付き、その後頭部に武器を叩きつける。奇襲を受けてゴブリンは倒れた。三人は辺りを調査した後、探索を再開した。
エミール:ふぅ
タルウィ:ご苦労だ
ダガタール:良い動きだねえ
タルウィ:部屋には何もないか
エミール:ええ。進みましょう
辺りには腐りかけた木材や錆びた武器が散らばっている。見張りの道具だろうか。貴方達が辺りを見渡すと階段が見つかった。洞窟はまだ続くようだ。
ダガタール:当たりかな
エミール:なかなか広い洞窟ですね。全部回るのは骨が折れそうだ
階段を降り進むと水の流れる通路へと出た。辺りに迂回路は見つからない。先へ進むにはこの水流を渡すしかなさそうだ。
タルウィ:水か…どうしても渡らなければならんか?勘弁してくれ…水は嫌いなんだ
ダガタール:体力は自信ないねえ…
【判定成功!】
冒険者たちは不平を言いながらも水流を渡りきった。
エミール:なんとかなるものですね
タルウィ:くっ、冷たいな。ゴブリンの奴…ぶっ殺す
細く長い通路が続いている。三人はふと、前方から足音が近づいてくるのに気がついた。足音からして複数いるようだが…?
エミール:!!静かに…
ダガタール:おっと
タルウィ:ちっ。1…2…何体かいるな。
エミール:洞窟もどこまで続くのかわかりませんから、やり過ごしたいところです…
タルウィ:隠れるか?
エミール:ええ。族長以外を倒すことにあまりメリットもなさそうですし
【判定失敗!!】
身を隠そうとするが…ダガタール以外の二人が物音を立ててしまった!
タルウィ:へっくしゅん!さみぃ
エミール:…!しまった!
見つかってしまった!⇒アクティブシーンになりました。
ダガタール:ふうむ
タルウィ:見つかった分には仕方ないな。ぶっ飛ばしてやろう
ダガタールとエミールが武器を構えて前に進む中、タルウィは戦闘のための軽快なステップを踏み始める。ダガタールは躍り出てきた洞窟ゴブリンへの先制攻撃に成功したものの、続くシャーマンの魔法によって眠らされてしまった。隙だらけの彼にゴブリンの斧と水槍の魔法が迫る!
ダガタール:ぐっ…おや…
エミール:ああ、ダガタール!
タルウィ:じいさん、今援護しにいくぜ。油断をするなよ
ダガタール:おお!体がボロボロだ。睡眠魔法は厄介極まりないねえ
重症のダガタールをかばうように動く二人。残った敵を追い詰めたものの、高いわめき声のようなゴブリンの呼びかけに、他所にいた同胞が駆けつける。
タルウィ:ちっ、増援か
エミール:めんどうなことをっ
回復したダガタールを加えた冒険者たちは、苦戦しながらも敵を全滅させた。小鬼どもがもっていた薬や装飾品を、戦利品として懐に入れる。
ダガタール:いきなり痛手を負ってしまったねえ。さっそく薬を使わせてもらおう
エミール:ゴブリンも数が揃うと強敵ですね。奥はもっと危険かもしれません。気をつけましょう
ダガタール:すまないね
タルウィ:構わん、だが倒れてもアタシは知らないからな
先は大広間だった。食べ散らかした跡や食器が散乱しており汚い。ふと部屋の隅を見ると、薬品の入った箱が置かれていた。
タルウィ:何かあったか?…ポーションか
ダガタール:ありがたいね。誰の物かは知らないが、これも頂こう
やがて大きな川が見える通路へと差し掛かった。辺り敵の気配はないようだ。今なら少しだけ休んでも良いかもしれない。
タルウィ:また川か、嫌になるな
エミール:大きな川です。落ちないようにしないと
タルウィ:どうする?敵はいないようだが休むか?
ダガタール:爺さんには休みが欲しいねえ
エミール:まだ先は長いかもしれません。せっかくなので、少し休憩しましょう
三人はつかの間の休息を得る。
エミール:…そろそろ行きましょうか
タルウィ:そうだな
ダガタール:ふぅ。調子が戻ってきたよ
足下に岩が散乱している。冒険者たちはコウモリの襲撃といった障害を退けながら、慎重に先へと進む。やがて二股の通路に行き当たった。
タルウィ:また分かれ道だな
エミール:ダガタールの勘は?
ダガタール:ふうむ…左だねえ
タルウィ:そうか、行くぞ
何やら散らかった部屋に着いた。ゴブリン達にとっての宝物庫であろうか。貴方達が部屋を調べていると、奥の小部屋からゴブリンの群れが出てきた。戦うしかないようだ。⇒アクティブシーンになりました。
タルウィ:戦闘は避けられんか
ダガタール:少し手強そうだ
タルウィ:アタシが援護しよう
タルウィのダンスによって士気の上がった冒険者たちは、ナイフを構えたアサルトゴブリンと対峙する。一進一退の攻防の中、踊るように振るわれるタルウィの両手剣が、一層激しく辺りを斬り裂く!
タルウィ:吹き飛びな。ソードダンス!
エミール:うわっと!
ダガタール:…ひゅう
タルウィ:味方に当てる真似なぞせんよ
エミール:相変わらずすごい威力です
ゴブリンを撃退した三人は、奴らが出てきた小部屋に入る。中央には厳重に守られた箱が置いてあった。
タルウィ:箱か、アタシは興味ないな
エミール:うぅ、こういうのは苦手です
ダガタール:調べてみようかね…(判定失敗)。ふうむ…さっぱりだね
タルウィ:開ければわかるのではないか?
エミール:あれ、鍵がかかっています
ダガタール:厳重だねえ。罠はなさそうだが
エミール:解錠してみますね…(判定成功)。あっ、開いた!
タルウィ:やるな
ダガタール:鍵開けは得意なんだね
エミール:…筒状のものが一本入っていましたが…
タルウィ:なんだ、それは?
ダガタール:おお、おお…
エミール:クンクン…どうやら魚肉を蒸し固めたもののようです
ダガタール:あいつらの好物かな
エミール:おお、手に馴染む…?
タルウィ:…何をしているんだ
エミール:…進みましょうか
タルウィ:そうだな
首を傾げながら来た道を戻る。再び二股の道だ。
タルウィ:広いな、また分かれてやがる
エミール:次はやはり左…
川を抜けた先の道へ入った。清涼な空気から一変してゴブリン特有の悪臭が漂ってくる。
エミール:うっ…
ダガタール:むう…
タルウィ:臭いな
さらに進むと人工的な壁が辺りを覆う、今までと雰囲気の違う部屋に出た。しかし殆どは朽ちているようだ。この洞窟もかつては人が住む場所であったのかもしれない。罠を避けて進むとまた自然の洞窟…そこでは一回り体の大きなゴブリンが食事をしているようだ。冒険者たちが様子を伺おうと動いた瞬間、その大きな個体は咆吼と共にこちらへ向かってきた。⇒アクティブシーンになりました。
ダガタール:これはまた…
エミール:おっと、ホブゴブリンというやつですね
タルウィ:図体がでかいだけならばいいがな
変異種といえど所詮一匹。苦労することなく息の根を止めることができた。
エミール:大きいだけで、他の個体と大差ありませんね
タルウィ:見かけ倒しだな…ん?何だこのベルトは?
エミール:彼はゴブリン達のチャンピオンだったんでしょうか
ダガタール:ゴブリンにも優劣はあるんだねえ
ホブゴブリンの傍らに転がったベルトと、何やら汚い字が書かれているメモのようなものを手に取り、元の通路へと戻る。大掛かりな罠を躱して進んだ先には、先ほど転がった岩によって塞がれた道があった。
エミール:岩ですね。どかせますか?
タルウィ:やってみよう…(判定失敗⇒ダメージ)。くそ、でかいな、厳しいかもしれぬ
エミール:ああ、大丈夫ですか?女性にまかせたのは失敗でした。やはり私が…(判定失敗⇒ダメージ)。うっ
タルウィ:何をやっているんだ
エミール:(判定成功)…失礼しました。どうぞ
ダガタール:助かるよ
タルウィ:ふん
橋を渡りきると、地下に続く階段が見えた。三人は慎重に降りていく。階段を降りた先には武装したゴブリン達が、扉の前で見張りをしているのが見えた。扉の前の通路は狭く、気付かれずに近づくのも不可能だろう。
エミール:どうしましょう?我々は小細工が苦手なようですが
タルウィ:何だって構わん。何が来ようがぶっ飛ばすのみだ
ダガタール:じゃあ私がやってみようかい。この石を…ほいっと
【判定成功!】
ゴブリン達は石が投げられた方向を警戒する。その隙をついた奇襲を受けて、見張りのゴブリン達は倒れた。これで安心して進めるだろう。
エミール:上手いですね
ダガタール:運が良かったよ
先にはこの洞窟にそぐわない人工的な扉がある。ゴブリン達が作った物ではなさそうだ。扉の横に古代語と思われる文章が書かれている。
エミール:どうやら合言葉を求められているようですね。心当たりは…?
タルウィ:はて、何のことだろうな
ダガタール:この紙の事だろうか
エミール:ああ、先ほどの
タルウィ:ウスノロが持っていたメモか
ダガタール:しかし汚い字だなあ
エミール:ダガタール、発音できますか?
ダガタール:…やってみよう
ダガタールがメモに書かれた字を読み上げると、扉が開いた。先に進むと、王冠を被ったゴブリンの姿を見つけた。ゴブリンロードだ。彼は手下たちを従えて、襲いかかってきた!⇒アクティブシーンになりました。
GM:ゴブリンロード「ニンゲンドモメ…ワレラノネジロヲアラストハオロカナリ…!ワレガミズカラキサマラヲジゴクニオクッテヤロウ!」
エミール:いよいよですね
タルウィ:やってみるがいい
ゴブリンロードは声を張り上げ、手下に号令を出す!士気の上がったシャーマンが放った魔法を受け、ダガタールは重症になり、エミールは眠ってしまった。混戦の中、タルウィが辺りを切り裂くように振るった両手剣の切っ先がダガタールまで伸びる…彼はかろうじてそれを受け流した。
ダガタール:おっと、元気だねえ
タルウィ:悪いなダガタール
二人はロードに迫り、その首を獲ろうとするものの、周りの小鬼たちが王を庇い、なかなか致命傷を与えられない。ゴブリンロードの呼応によって、増援が現れ、冒険者たちは追いつめられていく。喧騒の中、エミールはようやく目を覚ました。
エミール:ハッ!すいません!
タルウィ:待ちわびたぞ
ダガタール:しかしこれは…キリがないねえ
タルウィ:まったくだ。早く親玉を潰すべきだな
作戦は決まったものの、洞窟中から集まってくるゴブリンに阻まれ、冒険者たちの刃はなかなか王に届かない。消耗戦に気力を奪われたダガタールに、ゴブリンの強烈な一撃が見舞われた。
ダガタール:ううん…
タルウィ:ダガタール、やられたか
エミール:嗚呼!リザレクション!
エミールの祈りにより、温かい光に包まれたダガタールの傷が癒えていく。万全の状態で復活したダガタールの力によって冒険者たちの体制が建てなおされ、ゴブリンの波を押し返していく。永遠に湧き出るかと思われた小鬼たちも底をつき、残った王の首にダガタールの切っ先が届いた!
GM:ゴブリンロード「グアアアア!?オノレ…ニンゲン…メ…」
タルウィ:やったか?
ダガタール:ふう、てこずったねえ…私のような老人には荷が重いよ…
エミール:でもきっちり決着をつけてくれました。ありがとう
タルウィ:よくやったなダガタール。見くびっていて悪かった
冒険者たちは見事ゴブリンロードを倒した!これで周りの街も、ゴブリンたちの脅威にさらされることはなくなるだろう。三人は成果に満足し、リーンの街へ戻るのであった。
⇒クエストクリア!
最終更新:2016年11月08日 17:40