02.残光
翌朝
現在いるオルビスからエルナスに向かう
元々青年のもう一本の剣
グレートロヘンを修理するために
船に乗り現在のオルビスにいるのである
ここからオルビスからエルナスにつなぐオルビス塔を
一日かけて降りていく
青年とさくらが淡々と歩く中
チャトだけが二~三歩遅れている
「チャト~何やってんの??いくよ!」
さくらがチャトにハッパをかける
「ウニュァ~・・・・ネムイニャ・・」
「ず~と夜更けまで起きてたチャトが悪いんでしょ!!」
「しょうがにゃいニャ~・・・あのお姉さんのことが忘れられないんだニャ~」
どうもチャトは一目惚れをしたらしい
「ハイハイ!!わかったから前に進みましょ!!ほら!!!」
「ニャ~~・・・・」
情けない声を発するチャトの背中をさくらが押しながら
3人はオルビス搭の中へ消えていった
オルビス搭に入って半日が過ぎた
半分は過ぎているはずなのだが
降りても降りても同じ景色と同じ色の足場
同じロープである
唯一変わったとところといったら
外の雲行きが怪しくなった程度だろう
予想通りなのか・・・はたまた意外なのか
約一匹が愚図り始めた
「マスター・・・いつになったら着くニャァ~・・・もう夕方になるニャ」
「チャト!なに子供みたいなこと言ってんの?」
「だって降りても降りても同じ景色ばっか・・・飽きるニャ・・」
その心情はさくらも同じである
しかしここで我慢できるのがさくらである
「ウダウダ言ってないで、男の子でしょ!!ダダこねない!」
「無理ニャ!飽きた~~ニャッ!!!!」
駄々をこねたチャトが足元に転がる石ころを蹴る
「ウゴッ!!」
石ころは下に転がり何かに当たった
声がした方向にチャトが向かうと
ジュニアイエティが頭にこぶを作って怒っている
視線がチャトに向けられる
「ニャ!!アレニャ!!いわゆる冗談というやつで・・・」
ジュニアイエティが成長し暴れ始めた
「ウガァァァァァァァァ!!!!!」
「ニギャァァァァァ!!!!」
怒号と悲鳴が交差する
チャトの悲鳴を聞きつけ2人がチャトの元に向かう
イエティを目の前にしてチャトが動けないでいる
「チャト!早くこっちへこい!!!」
「マスター・・・ダメニャ・・怖くて動けないニャ・・」
ジワジワとイエティがチャトに近づいてくる
「くっ!!」
青年が背負っているクレイモアを構え
チャトに近づくイエティに向かって振りかざした
「チャトにぃ・・・触れるなぁぁ!!!!!」
ドゴッ!!!
青年の太刀は地面に叩きつけられ
避けたイエティは青年が予想していた以上のスピードで
チャトを抱えオルビス搭を降りていった
「マスタァァァァ!!助けてニャァァァ!!!」
「チッ・・さくら!背中に乗れ!!追うぞ!!!」
「うん!」
小柄なさくらが青年の背中にピョンと乗り
イエティの後を追う
最終更新:2009年08月01日 01:17