2010年3月22日
北ア・鹿島槍ヶ岳東尾根(敗退)
メンバー:小池、大谷耕(現役)、澤井(記)
以下、山ガラスの思いSeasonⅡより転載。
2010年3月22日 鹿島槍東尾根のワンデイアセントを狙いました。
三連休初日の土曜の夜は強風が吹き荒れよく眠れないまま朝を迎えた。
小池OBに未明に環七でピックアップしてもらって、一路信州を目指す。
群馬に入ると次第に晴れ間も見えてきていい感じだ。
信濃大町の駅で大谷耕をピックアップ。
ちょうど春合宿から下りてきたばかりだが、元気なものだ。
昼前に大谷原にある山岳部の山小屋に入る。
大冷沢の橋まで除雪してあったが、どこまで行けるかわからなかったので、鹿島槍スキー場の大谷原Pに車をとめる。
小屋で一息ついてから小池OBと二人で東尾根の偵察に向かう。
尾根に上がると、吹雪と黄砂でメガネが黄色くなってしまう。。。
一の沢の頭の一段下まで2時間半で上がって、偵察は終了。
登りのトレースが消えてしまうほどの吹雪だ。
夜は小屋の布団でゆっくり休む。
こないだの白毛門も小屋泊だったし、今年は結構楽してる。。。
ぐっすり眠って、目覚めもすっきり。
真っ暗の中、4時に大谷原発。
積雪は5cmほどだ。
ヘッドランプで昨日の取り付きから小尾根を登る。
次第に雪が深くなり、交代でラッセルして進むようになる。
ひざ下のラッセルを続けて1時間で尾根上に上がる。
アイゼンをつけるも、その後も延々とひざ下のラッセル。
ところどころ深くなるとはまる。。。
一の沢の頭には7:10に到達。
↑行く手にはまっさらな雪面が。
その先もまったくノートレース。
完全に貸しきり状態だ。
ラッセルは一向に楽にならないけれど、行ける所まで進むことにする。
ちょっと先のナイフリッジでどうにも雪の状態が悪くザイルを出すことに。
(8:30)
完登は厳しくなってきたけれども、二の沢の頭まで進もうと先へ向かう。
ワンポイント越えられずに小池OBにリードを替わってもらった。
なんとも安定した登り。
悪い雪もだましだまし前進する突破力を見せ付けられ、自分に欠けている部分を大いに再認識させられる結果となった。
トレースが付いてしまえばなんともない雪稜。
突破できない自分が情けない。。。
↑二の沢の頭へ最後の雪壁を登るK前監督。
悪場では何度もスタカットに切り替えて、二の沢の頭に着いたときには10:25になっていた。
撤退基準の第二岩峰登攀開始11:00はもう無理。
ここで撤退を決断する。
というか、自分がリーダーだったらここまでもたどり着けず、ザイルを出してすぐに撤退することになっていただろう。。。
しばし、景色を堪能。
↑爺ヶ岳北壁もかっこいい。
下降も一の沢の頭まではロープを着けたまま行動することにする。
状況を考えながら、スタカットとコンテを切り替えながら下る。
一の沢の頭でようやくアンザイレン解除。
ようやく緊張の糸が緩んだ。
一段下のプラトーまではアイゼンを履いたまま下り、プラトーでアイゼンをはずす。
あとは自由気ままに尻セードも交えて1時間ほどで大谷原に戻った。
大谷原で大パーティーに出会った。
赤岩尾根からの登頂を目指したが、高千穂平で2泊して敗退したとのこと。
われわれが登るのを見ていたそうだ。
あの嵐の中、稜線直下で粘るとはたいしたものだと感心。
小屋の片づけをして帰京。
渋滞の中、交代しながら運転して結構早く東京に戻れた。
久しぶりに、雪面の状況や支点の強度を勘案して、ピッケルビレイ、肩がらみ、腰がらみ、半マストと確保方法を考え、本当に勉強になる山行であった。
~参考記録~
大谷原4:00~7:10一の沢の頭~10:25二の沢の頭(撤退)10:40~14:10大谷原