未明に東京を発って、沢渡へ。
岳沢から奥穂高岳南稜を目指す。
奥穂高岳南稜は、日本アルプスを世界に紹介したとして知られる「ウォルター・ウエストン」と明神の山案内人「上条嘉門次」が初登攀したルートです。
↑上高地の河童橋から奥穂高岳を望むと象徴的な3つの岩峰(トリコニー)を持つ尾根が目指す南稜である。
観光客でにぎわう上高地を後に静かな岳沢登山道に入る。
久しぶりの重装備が肩に食い込むが、思いのほか早くに岳沢ヒュッテ跡に到着。
ヒュッテは再建が決まり、すでに基礎は作られている。
テントサイトは営業していたが、10張程度。
長めの休憩の後、取り付きへ向けて滝沢を詰める。
ほとんど埋まった滝沢大滝の下から左手のミックスの斜面に取り付く。
雪渓を利用して高度を稼ごうとするが、気温が高く雪が腐り気味。
ハイマツやシャクナゲをつかみながら登ると、先行者のトレースを見つけた。
トレースに乗って順調に高度を稼ぐ。
一旦傾斜が緩んでから、いよいよトリコニーへの登りにかかる。
ハイマツ混じりのミックスに入るところでアンザイレンする。
1P目 Ⅱ 50m 小池リード
簡単な雪と岩とハイマツのミックスだったような。。。
2P目 Ⅱ 40m 澤井リード
容易な岩からニードルの脇を抜けてさらにチムニー状の岩の割れ目の突き当たりでカムでビレイ
↑チムニー状を登る小池OB
3P目 Ⅳ 40m 小池リード
扇沢側に回りこんで、ホールドの乏しいフェースをA0で、トリコニー中央峰のピークまで。もっと扇沢側から行けば簡単だと思う。残置に誘われて悪場に入ってしまった。
4P目 雪稜 30m 澤井リード
ナイフエッジをブッシュまで。
5P目 雪壁 30m 小池リード
トリコニー左峰からの尾根に乗る。
あとは、ひたすら急峻な雪壁登り。
重荷のためにペースが上がらない。
一定のペースでゆっくりと歩く小池OBの歩きをぜひ見習いたい。
吊尾根の一段下で雪洞を掘っている先行パーティーを横目に稜線を目指す。
夕暮れと競争しながら、何とか明るいうちに、南稜の頭着。
山頂で幕営しようと意見をまとめ、山頂へ向かう。
奥穂高岳山頂には17:50。
あと1時間程度は明るそうだ。
山頂について調子が出てしまい。欲張って、白出のコルまで降りることに。
~参考記録~
上高地7:35~9:30岳沢9:45~15:50トリコニー上~17:30南稜の頭~17:50奥穂高岳~19:30白出のコル
前日の長時間行動の疲れから安易に妥協し、一旦涸沢に下ってから北穂高岳東稜(北穂東稜)へ行くことにしました。
8時間睡眠をとってゆっくり6時起床の予定が、うとうとしていた朝5時小池OBから「起きませんか」と。
ただただ、惰眠をむさぼっていただけだったので行動開始。
涸沢で朝食を摂ることにして、軽くレーションを口にするだけで撤収開始。
ザイデングラードを下り始める。
ただの雪の斜面をひたすら下って45分ほどで涸沢到着。
よさそうな整地済みのスペースを見つけて設営。
前日山岳救助隊にこってり絞られたので、一応ヒュッテへ東稜の状況を聞きにいく。
結局朝食は作らずにレーションのおにぎりだけ食べて、北穂沢を詰めあがる。
取り付きは北穂沢の大滝の上。
雪壁を詰めて稜上に上がると風がまともに当たり、ナイフリッジから飛ばされそうになる。
稜上を20分も進むと渋滞にはまる。
皆、ゴジラの背で確保しているのだが、どうやら先行に大人数パーティーがいて時間がかかっている模様。
待つこと1時間。
やっと動き出した渋滞。
2つ前と1つ前のパーティーは脚が揃っていてスムーズに通過。
やっとこさ我々の番。
出だしにはハーケン2本の確保支点がある。
1P目 Ⅱ 45m 澤井リード
岩稜のトラバースから一度下って、今度は雪稜をたどって小ピークでアックスを支点にビレイ。ランナーは残置ハーケン2本とスノーバー。
↑ゴジラの背を通過する小池OB
2P目 雪稜 30m 小池リード
ちょっと緊張する下りの雪稜。下りきったコルでビレイ。
↑コルから望む雪稜部。
後は急峻な雪壁を登れば北穂小屋のテラスに出る。
山頂に上って滝谷を望む。
どうやらクライマーはいないようだ。
(時間も時間だからかな?)
下降は尻セードを駆使して30分程度で涸沢へ。
シュラフやアウターを干して、ビールで乾杯と行きますか♪
ただの雪稜じゃない??ってタカをくくっていたけれど、さすがは名クラシックルート。
たった2Pながら十分に楽しめました☆
奥穂南稜の核心部は小池OBになってしまったので、私としてはゴジラの背をリードできて大満足★
~参考記録~
5:00白出のコル6:05~6:50涸沢8:00~9:00北穂沢トラバース地点~9:50ゴジラの背手前(渋滞待ち)11:20~12:05ゴジラの背先のコル~12:35北穂小屋~13:30涸沢
なぜか下山日にも関わらず、4時起床!!
ま、前日の夕食が16時前だったからいいかな。。。
1時間程度で準備完了。
水もほとんど持たずに身軽になって下ります。
雪は軟らかいものの、尻セードはあまりはかどらず。
それでも1時間40分ほどで横尾へ。
すっかり雪はなく、ふきのとうも薹がたっている。
新村橋へと下って、新村橋から右岸の林道を辿ることにする。
右岸林道はたまに人に会う程度で静かなものだ。
又白の谷を一つ一つ入念に偵察しながら歩く。
茶臼岳の岩壁もなかなかのものだ。
明神岳が見えてくると東稜の偵察に忙しい。
最近、何かと話題に上がる、2236峰の壁もちゃんと偵察。
明神池をまだ見たことがなかったので、ちょこっと観光。
↑日本庭園のような明神池。バックは霞沢岳(たしか)。
結構人はいるのに、静かで厳かな雰囲気。
時の流れがとてもゆっくりとしていて、心洗われる。
さて、明神池の手前には上条嘉門次の山小屋「嘉門次小屋」があります。
せっかくなのでちょっと。
囲炉裏の小屋にはウエストンから送られたピッケルと嘉門次が愛用した猟銃が飾ってあります。
そして、囲炉裏では、、、
↑岩魚の塩焼き。ビールで頂いてしまいました。
いい気持ちになって、日本山岳会の山岳研究所に寄ったり、西糸屋に寄ったりしてのんびり歩いて上高地へ。
ちょうど、タクシーを相乗りする人がいたので、タクシーで一気に沢渡へ。
~あまり参考にならない記録~
4:00涸沢5:15~6:55横尾~7:45新村橋~9:00明神9:45~11:00河童橋