陽「RIによる被ばく事故を防ぐためには在庫の管理と遮蔽して保管することが重要や。」
陽「そう。そんなことを起こさんためにもRIをしっかり管理することは重要なんや。」
陽「事故防止もそうやけど、実験のためにもRIはしっかり保管しとかないとあかんねん。今回はそれについて話していくで。
RIの保管
陽「無機RIを買ったらペニシリンびんっていうのに入った状態で届くんやけど、そのままにしといたらガラス壁とかに吸着されるから早めに濃度下げるか担体を加えなあかん。」
陽「ちなみにペニシリン瓶っていうのは下みたいな瓶のことや。」
陽「標識化合物っていうのはトリチウムチミジンみたいにRIで標識した化合物のことや。」
陽「分解する原因は化学的なものもあるけど、ほとんどは放射線の影響や。こうゆうのを事故分解っていうで。」
七海「じゃあ自己分解の影響を少なくすればいいんだね。」
陽「そう。紺が
生物への放射線の利用で話してたことと内容的には少しかぶるで。」
陽「まず放射線のエネルギー下げるのが一番最初に思いつくな。」
七海「チミジンを標識するときは¹⁴Cより³Hのほうがいいんだっけ。」
陽「せや。あとは比放射能を下げたり、希釈して放射能濃度を下げたりやな。」
七海「DNAへの影響を抑えるときは温度効果とかを利用したよね。」
陽「温度効果も使えるで。低温で保管するとか、ラジカルスカベンジャーを加えたらええんや。」
七海「酸素効果は?」
陽「不活性ガス中とか、真空で保管するのもアリや。あと直射日光を避けるとかもあるな。」
放射線の相互の影響?
陽「²²⁶Raとかはα壊変して、気体の²²²Rnに変化するんや。これはPoとかに変化して周辺を汚染することがあるねん。」
陽「ほかにも⁸⁵Krとか¹³³Xeも気体として放出されて、汚染の原因になることがあるで。」
七海「ヨウ素も確か昇華性があるよね。」
陽「ヨウ素も自己分解で昇華して気体として放出されるで。それ以外でも揮発性の有機化合物は汚染の原因になるから注意せなあかん。」
陽「もう一個、気つけなあかんのは同位体交換反応や。」
七海「同位体交換?」
陽「¹⁴Cの含まれる炭酸塩とか、³Hが含まれる物質は同位体交換で大気中の二酸化炭素とか水と同位体交換して放出されるねん。」
RIの引き渡し
陽「よく見る黄色い容器に入れてアイソトープ協会に引き渡すで。」
陽「実は容器にもいくつか種類があるんや。下の表にまとめといたで。」
容器の種類 |
容器の形状 |
入れるもの |
使用上の注意 |
可燃性容器 |
50lオープンドラム缶 |
可燃性のもの |
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不燃性容器 |
50lオープンドラム缶 |
難燃性のもの |
注射針などは固い容器に入れる |
スラリー用容器 |
20l陶ビン |
汚泥状のもの |
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動物用容器 |
20l陶ビン |
腐敗の恐れがあるもの |
乾燥させてから処分する |
無機液体 |
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|
中和しておく |
七海「スラリーってなに?」
陽「セメントの材料になる泥っぽいもののことや。」
陽「実際に引き渡すときの注意やけど、廃棄した核種とか数量を記録しとかなあかんで。」
七海「記録を残しておくのは重要だもんね。」
陽「あとは容器表面の汚染に注意すること。1cm線量当量率は表面で2mSv以下、1mの距離やと100μSv以下になるようにせなあかんねん。」
陽「この廃棄物を実際に運搬するときの
注意事項やけど...まあ普通に考えたら分かることばっかりやな。
- 揮発上のRIは気密構造の容器に入れる
- 液体状RIはこぼれにくくて容器が浸透しにくい容器に入れる
- 破損しても汚染が広がらないように二重に包む
- そもそも破損しにくくする
- 密封線源は遮蔽する。
最終更新:2018年10月16日 12:43