放射線物理の基礎知識

五十鈴「まず放射線物理で使うような物理学の知識をぱぱっと説明しちゃうわね。」

五十鈴「だいぶ駆け足になるけど、頑張ってついてきて。」

七海「はーい。」

五十鈴「まず高校物理の復習からね。」
五十鈴「力学からいくわよ。ニュートンの運動方程式はわかる?」

七海「f=maでしょ。力fは質量mと加速度aをかけると求めることが出来るっていうやつだよね。」

五十鈴「mはほぼ変化しないから定数と考えると、力は加速度に比例するわ。」

七海「ほぼっていうか変化しないでしょ?」

五十鈴「厳密にいうと運動中の静止中だと質量は違うのよ。詳しくは相対論の話をするときにするわね。」
五十鈴「あともう一つ大事なのは"力を受けると加速する"ってことよ。とりあえずこれだけ覚えといてもらえばいいわ。」

七海「それだけ?」

五十鈴「細かいことはまたその都度解説するわ。」
五十鈴「次は電磁気学よ。」

五十鈴「覚えてほしいのはクーロン力ね。」

七海「なんか反発するやつだっけ...」

五十鈴「同じ電荷同士だと反発、違う電荷同士は引かれあうっていうアレよ。」

七海「あー、磁石みたいなやつだよね。」

五十鈴「そう。あと電荷が引かれあう=力を受ける=加速するってことも覚えといて。」

七海「はーい。」

五十鈴「あとはローレンツ力よ。」
五十鈴「磁場の中で荷電粒子が動くと円運動をするんだけど、このときに働く力がローレンツ力よ。」
五十鈴「加速器のところでまた詳しく話すけど、クーロン力とローレンツ力は覚えておいて。」

五十鈴「次は励起と基底について説明するわね。」
五十鈴「励起っていうのはエネルギーが高くて反応を起こしやすい状態、基底は逆にエネルギーが低くて反応を起こしにくい状態よ。」
五十鈴「図にするとこうゆうことよ!」


七海「ほんとにあってるの? っていうかこの矢印はなに?」

五十鈴「その矢印は電子スピンを表してるんだけど、意味わからない人は深く考えなくていいわ。」
五十鈴「とにかく"励起状態は反応を起こしやすい"、"基底状態は反応を起こしにくい"ということを覚えておいて。」


五十鈴「次は量子力学の超基礎的な話をするわ。」

七海「量子力学ってなんか難しい奴じゃなかったっけ...」

五十鈴「波動関数解くとかそんな難しいことはしないから大丈夫よ。」
五十鈴「覚えてほしいことは光は粒であり、波であるっていうことだけ。

七海「粒であり波であるってどうゆうこと?」

五十鈴「あんまり深く考えなくてもいいわ。"光の波長"とか波っぽいワードが出てくるけど、粒子として扱うこともあるっていうだけのことよ。」
五十鈴「詳しく知りたい人は光の二重性で検索してちょうだい。」

五十鈴「最後に相対性理論よ。深くやるといつまでも終わらないから結果と必要なところだけ簡単に話すわね。」
五十鈴「とりあえず相対性理論で一番大事なのは”光の速さは絶対に変わらない”ってことよ。」

七海「ああ、どっかで聞いたことあるかも。」

五十鈴「ここでは話さないけど宇宙飛行士が年取るのが遅くなるのもこれで説明できるのよ。気が向けばコラムで話すわね。」

七海「で、その相対論と加速器に何の関係があるの?」

五十鈴「物体の速さが光速に近づくとと質量は増加するの。」

七海「え、そうなの!?」

五十鈴「普段の生活ではほぼ変わらないけどね。速さvで移動する物体の質量mは以下の式で与えられるわ。」

ただしmは静止質量、cは光速度とする。

五十鈴「量子論とか相対論には常識は通用しないのよ。」

七海「お姉ちゃんみたいだね。」

五十鈴「やるせない世の中じゃ常識外れも悪くないものよ。」
五十鈴「どんな加速器を使っても光速よりも早くはできないわ。上の式を見たらわかるけど光の速さに近づくほど質量は大きくなるから加速するために無限大のエネルギーが必要となるのよ。」
最終更新:2018年06月08日 18:53