ここにはオーディン風と云う強風がいつも吹き荒れている。 |
いつ頃からか、この風に目をつけたバストゥーク職人が、ここに風車を建てるようになった。 |
目的は明解。 |
粉挽きだ。 |
イモ類の他にたいした作物の育たないバストゥークにとって、サンドリアから輸入される小麦は生命線だった。 |
一方、サンドリアも大量に産する小麦の買い手として、また、安価に小麦粉に加工してくれる粉挽きとして、バストゥークに依存していた。 |
その両者の依存関係の象徴が、この風車群なのだ。 |
面白いのは、睨み合っている軍勢を尻目に、戦闘の最中も、その取引は行われ続けていたことだ。 |
それを知った両軍の指揮官はかんかんに怒ったが、彼らでさえ、パンを食べるのだけはやめなかった。 |
商人に乾杯! |
天晶750年 グィンハム・アイアンハート |