この地を訪れたのは、実に10年ぶりだったが、はるか北方に住んでいた筈のオーク族の戦士をあちこちで目撃し、驚いた。 |
王国の膝元たるこの森ですら、しばしば見かけたが、誇り高きエルヴァーン族の騎士諸君は、彼らを下等種族と見下し、歯牙にもかけていないようだ。 |
私は予言しよう。 |
そうそう遠くない将来、彼らオーク族は、数万、否、数十万の軍勢を率いて、この美しき王国に流れ込んでくるであろう。 |
願わくば、心ある者が立ち上がり、この予言を老人の戯言としてくれることを願い、ここに記す。 |
天晶761年 グィンハム・アイアンハート |