ここサルタバルタ平原には、小さく可愛らしいタルタル族や天真爛漫なミスラ族の他にも、 |
かつて文明を築き上げていた種族が存在していることは、ほぼ間違いないようです。 |
例えば、タルタル族がホルトト遺跡と呼んでいる塔は、設備のサイズこそ近いように見えますが、 |
建築様式には明らかに異なる部分が散見されます。 |
むしろ、父グィンハムが、最後に送ってきた手紙に同封されていたスケッチ『手のような塔』に酷似しているのです。 |
ただし、そこはクォン北方の地バルドニアでした。 |
圧倒的な距離を隔てた塔の近似性。 |
かつて、世界には広範囲にわたる高度な文明圏が存在していた。 |
そして、今もこの世界に影響を及ぼし続けている。 |
そう考えるのは、私の穿ちすぎでしょうか? |
天晶777年 エニッド・アイアンハート |