
| この丘の頂に、共和国に空前の繁栄をもたらしたパルブロ鉱山の開拓者たちを称え、モニュメントを建てる予定があるらしい。 |
| 私が訪れた時、丁度その礎石が作られていた。 |
| 礎石の周囲は、元は墓場だったらしく、風化して銘すら読めぬ墓石が点在していた。 |
| 妙に気になり、民間史書を紐解いてみたところ、その墓について興味深い事実が分かった。 |
| これらは、まだ共和国が貧困にあえいでいた頃、最初の砦、つまり現在の大工房が落成した日に、原因不明の爆発事故で命を落とした、 |
| 多数の名も無きガルカ技術者たちの墓だったのだ。 |
| 世に喧伝される如く、パルブロ鉱山の開拓者が大望を成し遂げた英雄かどうかは分からない。 |
| だが、ここに眠る者達が、荒涼たる大地を開き、そして骨を埋めた、真の漢だったことは確かだ。 |
| 私は、この名も無き英雄たちに思いをはせながら、ここで一晩飲み明かすことにした。 |
| 天晶749年 グィンハム・アイアンハート |