ジュノ海峡をわたってから足かけ5年。 |
測量しつつ陸路を南下した私は、ついにミンダルシア大陸の最南端サルタバルタ平原にたどり着きました。 |
ここに住むタルタル族は、大魔法時代の主役としてかつて世界に覇をとなえた民族とは思えないほど、人なつこくて親切な人々でした。 |
彼らも女神アルタナ様を信奉しているのですが、私たちとちょっと違うのは、神子と呼ばれるアルタナ様の生まれ変わりが、大きな樹の中に住んでいらっしゃることです。 |
神子様は自ら私の手をとり、話しかけられました。 |
その話は世界情勢にとどまらず、未来にまで及び、とてもここには書ききれませんが、それは素晴らしい体験でした。 |
残りの測量は、彼らが魔行船を出してくれるので、ずっと楽になりそうです。 |
神子様に感謝しつつ……。 |
天晶778年 エニッド・アイアンハート |