ブースターの家
ブースター「世界のピンチだ、また戦うぜっ!!」
シャワーズ「ええ、そうね・・・って言うと思ったの?
       駄目よ、私達の体は今までの戦いによってボロボロだってお医者様が言ってたでしょ」
ブースター「そういえばそうだった、後一度でも戦闘を行えば僕達は死ぬんだった」
シャワーズ「サンダース君は子作りのし過ぎで下半身麻痺になっちゃったし・・・私達の時代は終わったのよ」
ブースター「新イーブイズは大学事件以降戦闘がトラウマになっちゃって戦える状態じゃないしな」


TV『お昼のニュースです。今週始めに発生した、シンオウ地域でのマリル党の反乱は、絶えず勢力範囲を広げています。
これに対し政府は、マリル党討伐軍を組織し、本日未明、シンオウ地方に向け出発を決定しました。
なお今回の反乱には、世界的大企業ミックスオレ社のアジア支部長、ビッパ氏が関与しているとの疑いが浮上しています。
またこれをうけて、中華ポケモン社会主義共和国政府は、中国国内のビッパ氏の口座をストップする可能性を示唆しました。
さらに―――』


タマムシ大学、歴史学研究室
ネンドール教授「数度の戦乱、大規模な大戦、そののち強権による平定、政局の乱れ、そしてまた数度の戦乱…歴史はくりかえす…か」


食堂
ブラッキー(ユーナ)「…ごちそうさま。」
シャワーズ(ナイル)「ん、もう食べちゃったの?」
ブラッキー(ユーナ)「うん。…あんま食べたい気分じゃないや」
ブースター(フレア)「もしかして、マリル党のこと、か…」
エーフィ(テイダ)「とんでもない事態になったもんだ…やっぱり、あのマリルそのものを根絶しない限り、この国は平穏にはならないよ」
サンダース(ワット)「でももう、戦いに巻き込まれるのはイヤよ~…」
ブースター(フレア)「そうだな…俺達もだし、きっとみんな、もうあの様な思いはしたくないはずさ。」
エーフィ(テイダ)「ああ。でも今回はただの戦いじゃない。まさに連邦政府とマリル党との、戦争だろう。
いざとなったら、また戦わざるを得なくなる…だが、そうでない限りは、なるべく避けるんだ。俺達は、ただ普通に生活したいただの学生なんだから…」
シャワーズ(ナイル)「そうね…私ももう、戦いたくない。傷付きたくない。傷付けなくない。…誰かが死ぬのを、…見たくない。」

一同「……」
シャワーズ(ナイル)「私、あの戦争のころは、結局何もわかってなかったんだ。ただ、自分を守ることで精一杯だった。」
サンダース(ワット)「でもナイル、アブソルさんを」
シャワーズ(ナイル)「うん。その時ちょっとだけ気付いたんだ。気付けてよかった。私にも守りたいものがある、って」
サンダース(ワット)「守りたいものかあ。私はいつだったかな…。…私も、あの戦争の頃かな~…まだアメリカに住んでたんだけど、
本国で兄貴(サンダース)がさ、戦争に巻き込まれてるって知ってさ…あの頃まだただのガキだったけど、必死にこの国に帰ろうとしたんだ。でも、船が全て欠航でさ…
母さんと一緒に泣いたよ…もし兄貴が死んだら、大統領に頼んでこの国に核落としてやるとか、バカみたいなこと考えてたw
でも、そんぐらい、あたしには兄貴はデカい存在だったよ。」
エーフィ(テイダ)「そんな過去があったのか。俺はあの頃何をしてただろう…親父はエスパー軍に行って、俺は母親と母親の実家の方に疎開してたな。やっぱり、親父のことが心配だったよ…
最初の方は3日に一度、必ず手紙が届いたんだけど、しろがね山の戦い(リザードン暴走)以降はプッツリ途絶えて…戦争終わって、なのに1ヶ月たっても帰ってこないから、流石に覚悟してた…」
ブースター(フレア)「もしかして…」
シャワーズ(ナイル)「…お父さんは…?」

エーフィ(テイダ)「それがな、ある日ひょっこり帰ってきた。なんでも、エンジュの復興に一役かって出ていたらしい。連絡くらいよこせ、って思ったけどw うん、でも。生きててよかった。」
ブースター(フレア)「そっかあ…。お前の親父、良かったな。」
サンダース(ワット)「なんか感動するね~。ナイルとかユーナとかのお父さんはどうなの?フレアは~?」
ブースター(フレア)「俺の?俺のは、まぁ、な…wもう…あのクソ親父、さ、なんで生きて帰ってこねーんだよ…w なんでだよ……。」
一同「………」
サンダース(ワット)「…ごめん…なんかまずいこと訊いちゃった…」
ブースター(フレア)「い、いや…まぁ、気にすんなよ。…。」
サンダース(ワット)「ごめん…。ごめんね…フレア…。」
エーフィ(テイダ)「…戦争なんて、何の役にもたたないもんだ。悲しみと憎しみをもたらすだけで…他に何も生みやしない」
ブラッキー(ユーナ)「私達から、大切なものを奪うだけよ。たくさん…たくさん…」
シャワーズ(ナイル)「なのに、どうして人間も、ポケモンも、同じことばかり繰り返すのかな…」

新生イーブイズ達は夜遅くまで、食堂で語り合った。

バリヤードおばちゃん「さすがに…こんな時間までやるならファミレスとかでやってくれ」

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最終更新:2007年02月09日 14:52