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究極のヨンキューマン

Episode1:マウンテンゴリラ

 やあ、みなのしゅう。おれさまこそが、きゅうきょくの男、49マン(よんきゅうまん)だ。
頭にかぶっている黒い帽子はシャレオツだから気に入ってるんだ。
 ところでおれさまは今、スーパーでおいしい食材を買った帰りなんだ。
どのぐらいおいしい食材かというと、ほっぺが落ちそうなぐらいおいしい食材なんだぜ。
これを料理すると、もはや落ちたほっぺが跳ね返り天井にくっつく。
それぐらいおいしいものができることを想像するのは簡単だろう。

 これは地の文です。ところかわってスーパーより北に50メートルほど離れた広場。
ここに3つの人影が…… 緑色に白い大きなボタンのついたワンピースを来た人(女の子かもしれない)が
オランウータンに墨汁をぶっかけたような黒い動物にとらえられ、けっして細長くはない手足をばたつかせていました。
「なにするのよ。はなしてちょうだい。はなすほうのはなすじゃなくて手をはなしてほしいの」
 そして、黒い動物……
「うほうほ。このマウンテンゴリラさまは、バナナ農園を作りたいんだゴリ」
 名前はマウンテンゴリラ。とにかく毛深くマッチョマン風の筋肉ごりごりなやつだ。
緑ワンピースを掴んでいる彼のとなりに、ちっこいぶかっこうな部下のサルが……
「このわたくし、ブカーめがマウンテンさまに作らされたバナナ農園キットを作用させるには、
少しばかりおばかな人間から染み出すオカヴァー物質が必要なんですよ。協力お願いしますよ」」
 それを聞いた緑ワンピースは、少ししゅんとなってしましました。
「おばかって言われるのきらい。だってだって、否定できないし……」
 しかし、それよりも「オカマー物質ってどこからどのぐらいとるのかしら」
ということが気になって仕方がないようで、マウンテンゴリラとブカーにたずねてみました。すると2人は……
「オカヴァー物質はおばかな人間のはなくそから抽出されるゴリ!」
「そのまえにおなかがよじれるまでくすぐると濃度があがるそうですよ……」
 くすぐり攻撃でおなかをよじれさせられるうえ、
はなをほじられることになってしまった緑ワンピース。これからどうなっちゃうの!?

 そういうわけにもいかないようだ。ゴリラの前に黒い帽子の男が現れた。
スーパーから自宅へ歩いて向かう49マンが通りかかった。
「お、おい。そこの黒マッチョ。くるみをどうしようというんだ」
 緑のワンピースのくるみは、きょとんとした様子で……
「あ、あんた、だあれ。なんであたしの名前がくるみだって知ってるのよ」
「あのね。おれさまだよ。おれさまは49マンだ」
「ちょっと思い出したわ。あんたは49マンで、あたしとあなたは友達なんだよね」
 どうやら忘れていたらしい。
「そうだ。しっかりしろよ。おまえはうっかりさんだから、今だってこんなゴリラに捕まって……」
 49マンがそう言ったとたん、マウンテンゴリラの様子がかわり、
ものすごいけんまくで49マンをにらみつける。
「おれはゴリラじゃないゴリ。マウンテンゴリラさまだゴリ!」
 どうやら、ゴリラという言葉にかちんと来たようだ。
どっちでも同じようなものかもしれない。しかし、彼にとっては、消費税増税より重要なことだった。
「マウンテンさまがお怒りになられましたよ。こりゃあもう戦う気、満々という感じですねえ。
このわたくし、部下のブカーによる計算では、負けるのはあなた、クロボウシさんですよ」
 ゴリラのとなりの子ザルのブカーが、にやつきながらクロボウシこと49マンに言った。
「おうおう。おれさまと戦おうなんて49年早いんだよ。49秒以内に逃げな」
「いやゴリ。このマウンテンさまは、今からおまえ、クロボウシをぼこぼこにして、
ついでにバナナ農園も完成させるゴリ!ウホウホドンドン!」
 二度もクロボウシなどと呼ばれて、さすがに頭に来た49マン。
胸を叩いてポコポコと音を鳴らすマウンテンゴリラ。ふたりの戦いが今、始まる。

 というわけでおれさま、植物の黒法師じゃなくて黒い帽子の49マンは、
ゴリラ男のマウンテンゴリラと戦うことになったわけだ。
 先に動いたのはマウンテンゴリラだった。大きな腕をおれさまに向けて全力でぶつけてきやがった。
とつぜんのことだったので、3メートルほどふっ飛ばされ、地面に叩きつけられ意識が薄れる。
 おれさま、このゴリラごときに敗れてしまうのか……この際、みなさんにあやまろう。
最初のほうでおれさまは、黒い帽子がシャレオツで気に入っているといった。
しかしあれはうそで、本当は気に入っているわけじゃないんだ。
前にくるみが面白半分でおれさまの髪の毛をむしりやがって、ハゲ隠しにしかたがなくかぶているんだ。
嘘をついてごめんよ……
「何いってんのよ。あんた、負けてないよ」
 くるみがそばに来た。「お前は何を言っているんだ」とたずねると
「あのマウンテンゴリラをみなさいよ。あんたの石頭で……」
 彼女が指出さしたほうをみると、マウンテンゴリラが右腕を抑えて転がりまわっていた。
「ひいい。なんという石頭ゴリ!腕が、腕がずきずきするゴリ!」
 もはや戦える様子ではないみたいだ。おれさまが勝ったということなのか?
少しかわいそうになったおれさまが、買い物袋からバナナを取り出し、ゴリラのもとへ寄る。
「おい、おまえ。このバナナ……」
「お、おまえ、敵のおれにバナナをくれるゴリ……?」
 そして……
「いや、おれさまが食べる。あー、このバナナは甘くておいしいなあ」
「ひ、ひどいゴリ!おまえ、悪いやつゴリ!」
 それもそうだが、自分がバナナを食うためにあんな子供に怖い思いをさせてこいつもじゅうぶん悪い。
というわけで、おれさまはゴリラとサルをほっぽりだして家へと向かうことにしたんだ。

 家へと向かう49マンのあとをくるみが追いかけてきた。
「ありがとう。最初、あんたのこと忘れててごめんね」
 しかし49マンの様子がおかしい。ぽかんとした顔で
「おまえはいったいぜんたい誰なんだ?ぼくは君のようなかしこそうな子は知らない」
 なんということだ。さっきマウンテンゴリラにぶっ飛ばされた衝撃でおかしくなってしまったのだ。
どうにかしないと、せっかく感謝しても無駄になると思ったくるみは、49マンのあたまを直してもらおうと思った。
「この近くに、49マンを元に戻せる人はいるかしら……」
「あなた、どうしてぼくの心配をするんだい?もう暗くなるし家に帰りなよ」
 おばか。そういうわけにはいかないのよ。49マンを正常に戻せる人を探すべく、
緑のワンピースの女の子、くるみの冒険が始まろうとしている……

おしまい

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最終更新:2015年09月05日 21:07