あまりの眠さでシンヤの体力は限界に達していた。 それもこれも夜3時に新スレなんか立てるアンチのせいだ―。 シンヤは保健室で仮眠をとることにした。 教室を出ようとした瞬間、何者かとぶつかる。 見るとそれは採点済のテストの答案を持った先生であった。 このままではヤバい。 「トイレ…いく…」 嘘をついてその場を立ち去ろうとするシンヤを先生が呼び止める。 「シンヤ、保健室は答案を受け取ってからにしろ。」 シンヤの考えは完全に見透かされていた。 出席番号順に生徒が答案を受け取る。 シンヤの前の生徒が答案を受け取った。 次はオレの番だ。 答案を受け取ったらダッシュで保健室に逃げよう。 そう思ってた矢先であった。 何やら様子がおかしい。 前の生徒がその場で屈み込む。 よくよく観察してみると小刻みに震えている。 まさかコイツも保健室に行くつもりか? 昨日の因縁もあるシンヤにとってそれだけは避けたい事態だった。 直後、その生徒は突然口を開く。 何か呟いているようだがシンヤには聞き取れない。 「…なて…」 「な…ん」 その生徒は謎の言葉を呟きながらよろよろと歩いていった。 遂にシンヤの番だ。 シンヤは答案を受け取ると同時に事の顛末を理解した。 ヤツは7点と呟いていたのだ。 シンヤは激昂し、いつものクセで叫ぶ。 「未来のある中学生を叩いて楽しいのかよ!!!」 間違いに気付いたシンヤは荷物を纏め、家へと逃げ帰っていった。