**5-1、五月上旬(朝)/自宅(主人公の部屋) ―チュンチュン。 主「……………。」 朝…かな…? 目が覚めたが、どうやら目覚ましはまだ鳴ってないようだ…今何時だろう…? 6時…か。 いつもより早いが、二度寝するほどの時間もないな…。 せっかく珍しくすっきり目が覚めたことだし、起きるとするか…。 (校門) いつもより早く登校したせいか、普段なら登校してきた生徒達であふれているここも人が疎らだ。 (教室) ガラッ 暁「あ、●●くん!おはよー!」 主「暁子ちゃん、おはよう。」 教室のドアを開けると、暁子ちゃんが丁度黒板に何かを書いているところだった。 それにしてもやはり委員長と言うべきか、暁子ちゃんは来るのが早いんだな…。 まだ教室にはいつもの4分の1ほどの生徒しかいない。 暁「それにしても●●くん、やる気たっぷりだねー!感心感心!」 主「え、何が?」 ふと黒板の今暁子ちゃんが書き終えた文字に目が留まる。 『日直 ○○●● 茨暁子』 主「あ!」 今日俺日直だったっけ…。 暁「…もしかして●●くん、忘れてたでしょ?」 主「え、あ、いやー…あはは。」 暁「笑ってごまかしてもだーめーでーすッ!せーっかく人が偉いなーって感心してたのにぃ!」 主「ご、ごめんて!」 暁「あはは!嘘々!日直なんてみんなこんなもんだよ。」 主「…だよな。ホッとした。」 暁「あ、●●くん、転校してきて始めての日直だよね?まあ日直なんてどの学校も特に変わりはないと思うけど、分からないことがあったら何でも言ってね!」 主「うん、ありがとう。」 暁「あ、とりあえず授業始まりの号令は男の日直が、終了の号令は女の日直がかけることになってるからね!えーっと、後はー…」 主「うん、みんながやってるの見てたし、大体のことは大丈夫だと思う。」 暁「そお?それじゃ、今日一日よろしくね!」 主「こちらこそ。」 ・→5-2へ --------------------------------- **・五月上旬(昼休み)/教室 午前中の授業が全て終わり昼休み。 やっと昼飯だ! 日「あ、●●くん!」 主「ん?日向くん、何?」 日「お昼ご飯食べようとしてるとこ申し訳ないんだけど、次の授業の用意、日直がやらなくちゃいけないんだよね。」 主「あ、そっか…」 そういえば次の授業は公民だ。 公民の授業では使う資料を日直が資料室から持ってきて用意しておかなければいけない。 日「ホントは姉さんもなんだけど、今ちょっと委員長会の報告で職員室へ行っててさ。」 主「うん、分かった。資料運ぶくらい俺一人でも全然平気だろうし。」 日「ごめんね、ありがとう。」 主「…で、さ…」 日「どうかしたの?」 主「あの、資料室って…どこ?」 日「………」 主「………」 日「…くすっ、そうだよね、資料室なんてめったに使わないもんね。ごめんね、気付かなくて。」 主「やー、もう一ヶ月くらい経ったってのにこの学校意外と広くてまだ覚え切れてないんだよ、ごめん!」 日「ううん、やっぱり僕も手伝うよ。案内するから行こう。」 (資料室) 資料室には日付とクラス名の書いた紙と共に大量の資料が置かれてあった。 主「…ちょっと多くないか?」 日「ね…、一人だとちょっと無理そうだよね…。」 良かった、日向くんが手伝ってくれて…! 二人で手分けして資料を持ち、資料室を後にした。 (廊下) 主「それにしても暁子ちゃんって頑張るよなー。ホントえらいよ。」