【酒の一滴は血の一滴】ランド:
【本大会は可能性としてあり得た情景を表現することを目的としています】
【台詞がビミョーに変わっていたり、登場者のキャラが変わるのはフィクションだからですw】
【本作品では怪我や暴力的過ぎる表記は避けますので悪しからず】


~一升庵玄関~

もうもうと立ちこめる煙の中、青年はぼやけていく視界の中何を思うのだろう

自らの人生についてだろうか?
まだ途上の仕事についてだろうか?
何よりも大切な、女性のことだろうか?

心中に何がよぎったのかは、誰も知らない…



一升庵な日々… お客様…襲来編

【その2】



~一升庵『厨房』~

罠発動から全く現場の状況が掴めなくなってしまった一升庵の面々

シュトライザ「やりました…かね?」
がるま「確かに…やった…はずだ」

お互いの感覚をすりあわせ、それが合致したことで戦果を確信しながらも、
映像で結果を認識出来ないことに苛立つ両者を余所に、
やはり彼は手酌で酒を啜りながらこういった

ランド「まぁ…なるようになってるだろ…ヒック」
女将「これ位で消えられては…困るんですが…」

『ホワイトアウト』していた監視カメラが、店内に風が吹き込むと同時にクリアな映像をはじき出す
その風景を見た時、四名の爆笑する声が『厨房』の中でこだました


~一升庵玄関~

文字通りむせかえるような白煙の中、
メガネを純白に染め、頭から肩まで真っ白けという
変わり果てた姿で、女性はブツブツとぼやく

謀さん「何で…こんな…」

目の前にぶら下がっている二つの物体を長めながら
彼女は悪態を付いていた…

そんな時、ゲホンゲホンというけたたましい咳をしながら
外にいた青年が玄関の中に入ってきた。

千里さん「一体何なんですか!?」

かなり怒っている様子だが、全然しまりがなかった…
何故なら彼の顔には、まっすぐ横に引いた様な白線があったからだった。



彼らを迎え撃った一升庵の罠、その第一陣は単純すぎる罠だった…

それはすなわち、『消火器』『ガスバーナー』『黒板消し』であった。

絶縁手袋さえあれば大丈夫と不用心にも普通にドアを開けた謀氏に対して
『消火器』が白煙を噴き上げ『ガスバーナー』が轟音と共に火を噴いたのだ
無論、直撃等はしないセッティングにしてあったのだが
やたらと熱いやら冷たいやら煙たいなどなど突然のことに驚き戸惑う彼女の頭上から、
一週間学校で使い続けた上、一度もクリーナーをかけなかったという
まさしく最強仕様の黒板消しが見事にクリーンヒットしたのだった

結果、彼女はチョークまみれとなり、驚きと怒りからそれを放り投げたところ
千里氏の顔面に直撃したのだった…

絵に描いたような大成功である


一升庵の諸氏の爆笑も推して知るべし、であった…


しかし、こんなモンをまともに食らったれっくれすの二人からすればどうだろうか?
当然といえば当然のごとく逆襲に燃えに燃えていたのだった…

謀さん「…よくも私の一張羅を…クリーニング代ぐらいせしめんとな」
千里さん「何でちゃんと隊長に直撃させなかったんだ!」

怒りとどことなく間違えた反論をしながらも一升庵の中に入る…
もしあの時に出ていれば…と半ば以上後悔するとも知らずに…



~一升庵『厨房』~

予想通りの展開にニンマリと笑う四人の姿があまりにも目に眩しい
誰もいないことが、彼らにとっては幸福だっただろう

それが何故か分からない者は想像してみると良い

何処にでも良そうな酔っぱらいに、妙齢の美女
硬派そうなダンディズム溢れる男性に、見目麗しい青年が
円陣を組みながらクックックックックという笑い声を上げる姿を想像すると良い

きっと貴方の脳裏に戦慄と困惑が走ることだろう(笑)

不気味な笑い声を上げるのをようやく止め、一団のリーダーが声をかける

女将「さぁ、予想通りの展開ですが…気を抜かず頑張りましょう!」
三人「応!」「ハイ」「ッヒック」

いまいち纏まりのない三人の様子に肩を落としつつ彼女は宣言した

女将「作戦の第二段階の準備を開始して下さい!」



そして…1時間が経過した



~一升庵の廊下~

ゼーゼー
ハーハー

苦しげな吐息の二重奏が一升庵の中をこだまする
それもそのはず、である

これまで落とし穴を飛び越えたにもかかわらず
踏み込むとバネ仕掛けになっていた床に飛ばされて穴に突き落とされたり

やっとの事でその穴からはい出て来たと思えば
身体を持ち上げた先にも落とし穴があったり等々…

人をコケにしたとしか思えない罠のオンパレードの前に
さしものれっくれすの二人も疲労困憊となりながら、一歩一歩前に進んでいた

謀さん「飯を食うのがこんなにもハードとは知らなかったな、チサト?」

この期に及んで何を抜けたことをと思いながらも、青年は反論しようとして、思いとどまった
何故なら彼女は…どうみても怒りきっていたからだ

千里さん「そう…ですねぇ」

ありきたりの言葉で誤魔化しながら彼は思索する

自分のことで怒っているわけではないのでこのままなら自分自身安泰なのだろうが、
どう考えても今無駄口を叩くのは得策ではない
かといって無言でこれから罠を抜け続けるのは不可能だし…

思考がループに陥りかけたその時(非常に間の悪い時とも言う)
そ奴は現れた…

見るからにぐでんぐでんに酔っていると分かる赤ら顔
手には一升瓶とお猪口、頭にはねじりネクタイにはだけたワイシャツ…
どう見ても酔っぱらいにしか見えないその男は口上を言い…

酔っぱらい「この俺こそが…ヒック、一升庵一の大酒飲みのラ…」

男が言い終える前に謀さんはその男向けてゆっくり前進していた
同行者の急変に気づき青年は声を張り上げる

千里さん「逃げて、逃げるんだ、今すぐ!!!」

その言葉をどう受け取ったのか酔っぱらいが怒鳴り返す

酔っぱらい「何ぃ…俺が女に手を挙げるとでも思ったのか?かるぅく捻ってつっかえしてやる…ってぇの…ヒック」

意味不明なことを口走る酔っぱらいの目に…
胸の前で十字を切る青年の姿が映る

酔っぱらい『だぁからぁ、虐めやしないってのに…』

見当違いな事を思い浮かべていた彼はその思考が終わるか終わらないかの間に…
強烈な打撃を下腹部に受け、宙に浮くことになる…

徐々に薄れ逝く視界の中で「いわんこっちゃなぃ…」という声を聞き
手を額に当て、呻くような声を上げながらこちらを見つめる誰かの姿を見つめ返しながら…

次回に続く



あい、全然痛くありませんでしたw(爆
その代わりケムケムと落とし穴の刑ですw(何

諸悪の根源、ランド君は此処で退場します…?(謎

続きは10日前後の予定ですw

次ぎ辺りで女将と謀さんを邂逅させたいと思いながらも予定は未定な懲りない人でしたw

今回のラストは
『対人戦一対一』で『相手も分かっていた』のでトーナメントでw

次回はどうなる事やら?
それすらも風任せその時の気分任せで続きます

ではではまた開催の日と次の大会の日にw

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最終更新:2006年12月06日 01:32