【Another lost one】【Exp 2nd】ピアニッシモ:
あらすじ:
洋菓子店に現れた史上最強の敵、天夜流雨流(あまや・るうる)。
蒼津とアリスにより三十万の武器を雨嵐のように振らせる彼女のゲート・オブ・バビロンを攻略したものの、実は徒手空拳が最も強いことが発覚してしまった。
黒千里とCQC返しの応酬を繰り広げるも、僅差でとりあえず不死の煙ごと月まで吹き飛ばされてしまう。
月流子と冥土は引き続き奥でゲームをやっていた。
『人類(てめーら)が買った! 俺が売った! だから人類(てめーら)を滅ぼす(ボコる)! 徹底的にだ!』
絶対絶命の中現れたのは、賽との対話によって人類を滅ぼす覚悟を背負うことを決意した“システムコールブリッド”を持つ
宇宙人、
No.7787。
『“メモリリーク・バースト”ぉぉぉッッッッッッ――!』
No.7787の機体が黄金に輝く!!
No.7787の種が弾けた!!
メモリリーク・バースト発射準備完了!
天夜流雨流は足止めしようとしたが、No.7787には通じなかった。
突発的に力が湧いた! 勇者の血が燃える!
※格闘に持ち込んだ! 集中した! No.7787はメモリリーク・バーストで移動を気にせず裂帛の気合を込めて敵全体を攻撃した!!!
No.7787「これが俺のぉ、自慢の拳だあああああっ!!(ただしCV若本)」
クリティカル!! 天夜流雨流 に 7787 のダメージを与えた。(衝撃余波分:4649ダメージ )
ごめん嘘。
◆ ◆
大会回収断片:
「缶のコーンポタージュは、飲み口を広げるべきじゃないの?」
「あれ・・・パーツ1コ余ってるよ?」
Maxi回収断片:
ピンポン!「テレビ画面覧左上に・・・なにやら速報のようです
空前のプリンブーム到来です」
国民の2人に一人が1日1個プリンを食べていると厚生労働省が述べましたw
スーパーならびに洋菓子店大繁盛です・・・・
ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!雷のエフェクトが落ちるw
プリンは私の店にないわ・・・
◆ ◆
「ねえちょっとそこのお二人さん」
突然の声に、向かい合っていた千里と流雨流は揃って首を動かす。
そこには如何にも困ったような表情の女性がいた。右手には地図らしき紙を、左手にはジュースのスチール缶らしきものを持っていた。
「はいはいなんでしょう」
“そこのお二人さん”のあたりで何が良かったのかは解らないがやたら機嫌を良くしたと思われる流雨流は、異常なまでにルンルン気分でいい気分と言わんばかりの応対を見せる。千里はそんな流雨流の様子に呆れる。
一方の女性はそれらのやり取りを見て困惑――というより“ヘンなのに関わちゃったなオーラ”“声かける人、間違えちゃったかなオーラ”――の色を濃くしつつ、それでいて怖じることなく口を開く。
「この地図の場所って、此処でいいのかな?」
そう言って手にした地図を広げて見せる女性。嫌オーラは殆ど身を潜め、大人らしいフランクな口調は何処か話慣れした印象を受ける。
地図には、洋菓子店の位置が書き込まれている。
「あーあー。当店に何か御用ですか?」
まるで自分が店員であるかのような言動の流雨流。
それを聞いて何故か首を傾げる女性。“おかしいなあ”などとぼやきながら沈殿物を浮かす為にくるくる横に缶を回した後、口に運ぶ。
ここに来て千里は何かピンと来るものがあったらしい。
「まったく。缶のコーンポタージュは、飲み口を広げるべきじゃないの?」
「えーと……ひょっとして噂の支倉さんですか」
「……? ……………………あー! あー! ひょっとして噂の千里君? へえ、写真で見るより目つきが怖くないのね。全然解んなかった」
突然頷き始める両者。
必然的に一人ついていけない流雨流という構図。
「えっ、ちょっ、私は置いてけぼりで納得されるなんて。捨てられた、捨てられたわ」
「捨てたの? 千里君はそこの可愛い子を」
「いや、そもそも拾ってません」
「なるほど……まあ、大体どんな関係かは把握できたかな。で、何で洋菓子店?」
千里は苦笑しながら、話は中で、と促した。
それはあまりに説明するのが恥ずかしく、呆れられるだろうということは容易に想像がついたからだった。
◆ ◆
世界のあらゆる情報媒体を奪い“全世界放送”された“勧告”。
『美しき青き星の住人よ、お初にお目にかかる――』
それが一月二日のこと。
No.7787と自らを呼称した“宇宙人”は、そんな文句から人類と“初めての遭遇(ファースト・コンタクト)”を果たした。
いや――本当の意味で“初めての遭遇”と言うのであれば、痛み分けとなった一月七日の初交戦なのかもしれないが、それは些細な議題だ。
新年早々のことだったが、一月は世界が大きく動いた。何の予告もなく、ひと時の休息もなく、生き残ることができる確証もなかった。
No.7787の促す
降伏勧告。返答は七日まで。さもなければ、人類を滅ぼすと。
俗に“降伏勧告”と呼ばれる二日から七日の間は苛烈を極める。混沌という炎は瞬く間に人から人へと燃え盛り、誰もその流れを止めることができない。メディアの波は防波堤を容易く突き崩し、人々の不安は炸裂し秩序を打ち砕いた。
あまりの不意打ちに、世界の対応はあまりにも遅かったと言える。
対宇宙人の対応を纏めた初めての国際条約“MAN”の全面締結が六日のこと。
そして同日、急ピッチで各国の有する戦力を“なりふり構わず掻き集めるだけ掻き集めた”人類の刃――“MANIA”が編成された。
歴史上初めてのこと。これは人類同士の戦争ではない。
権利や主張のぶつかり合いではない。種の存亡、どうしようもない生存競争。
そのあまりに巨大で苛烈な激動の中で“Reckless Tide!!”も、また。
二十一日に再度襲来した宇宙人の“宣戦布告”、多くの謎を残しながらも人類が勝利を掲げた二十八日の再戦。
そして時は流れ――
◆ ◆
三月四日 洋菓子店“Moon flow” 店内
「そんなわけでれっくれす監察に就任された支倉耀子さんだ」
「えーっと……まあ、よろしく」
まばらな拍手が湧いた。賽、千里、ハイネ、E.S、流雨流、という人数だからまばらなのは当然と言えば当然である。
ちなみに、“特殊任務のエージェント”こと天夜流雨流は、ちゃっかりれっくれすの人間ではなかったりするのだが、誰も突っ込まない。そもそも洋菓子店などという公然の場所での会合自体、そこで話される内容には重要事項が含まれていないわけで、そこに流雨流が混じっていてもまあいいか、というアバウトな姿勢の表れでもある。
MANIAの戦力として参加した“Reckless Tide!!”を含むマーセナリー・ギルドは、非常時は国の戦力として活動することを強制されている。その際、迅速に対応を行えるようにと監察がつけられることになった。
元々日本のマーセナリー・ギルドはその存在は絶対的に少なく、戦力もさほど高くはなかった為か、かなり適当な管理体制だった。加えて、MANIA編成の根底に混在する国際条約MANも緊急時に立案されたもので、幾つかの不具合が発生していた。
それらも含め、七日の初交戦以降から二十一日の再来――“宣戦布告”の間に行われた整備により、かつては放任とも評されていた日本とそのマーセナリー・ギルドの関係は、一気に接近したのである。
何故一月から離れた三月に監察が就任したのか、それにはやんごとなき事情がある……が、ここでは割愛しておく。
「……んで、何で洋菓子店?」
「生憎、集まる場所がこう言う場所しか無くてな。他にもカラオケボックスとか」
「ふ、ふーん」
そう相槌を打つ前に、反射的に“ゔっ”という、感嘆のようで正反対のものを指すナニカが漏れたような気がしたが誰も聞かぬフリをする。その感嘆は別に嫌味でもなんでもなく自然に漏れたものだったようで、自身も気まずそうにしている。
千里が解答を躊躇った質問、あっさり与えられた解答はまったくもってナンセンス。初対面だけに空気は最悪である。もっとも、その状況を引き起こした天然眼鏡はそのことについて何も気にしている様子は無かったようだが。何という鈍感。
まあ、普通に考えてそんな反応されるだろうなあと千里は思う。だって表で会話したとき躊躇ったもんよ、と。
空気を読めぬ流雨流が沈黙を破るべく、悪魔の囁きが放たんとしたその瞬間、
「あれー、新顔さん?」
店の奥からひょっこり店長たる月流子が現れた。
何気に店番が一人もいないという状況を見かねてゲームを切り上げてきたのか、それとも拍手の音が気になってやってきたのか窺い知ることはできなかったが、とりあえず職務に戻ってくるという所に安堵感を覚える。こんな状態で他の客とか来たらそのなんだ、焦る。居座るれっくれすの面々が思うことではないが。
とりあえずその職務怠慢ぶりに敬意を表してシカトを決め込むべきか耀子以外の全員揃って迷ったが、各々が一人だけやっても効果は薄いし虚しいよなあ、とまた全員揃って思った。思っただけなので、何事もなく賽がかくかくしかじか事情を軽く説明する。
「ふーん。監察って敵っぽくて嫌味なイメージがあるけど、貴方は味方っぽい感じがするね」
突然振られた。どう相槌を打ったものか耀子は迷う。困惑半分、熟考半分。
というか、月流子がれっくれすの人間なのか、だとしたらどれ程の人間なのか、何故奥から出てきたのかと疑問を張り巡らせてる最中だったので尚更迷う。
何気に字面の上では失礼なことを言われている気がするのだが、まったくそのようには感じられないのが不思議だ。
それだけ悪意がない。その無神経さにすら腹立たしさを感じない。そんな突き抜けてる程の純粋さがあった。
飾って言えば異質。俗に言えば変人。
後者にて月流子の存在を受け取った耀子は、程々に興味を惹かれた。
「貴方は……えーと」
「この店のテンチョー、通称つるねぇだ。売り上げとか店の信用よりも面白いことが好きだからここではちょっとくらいなら羽目を外してもいい」
「んー。まあ程々なら」
賽の説明に、笑って肯定する月流子。
いや……
否定しろよ。
「でも店はなるべく傷つけないでね。会計の人がそう言うことには五月蝿いし、私も嫌だし――ね」
威圧ではなく、警告でもない、ただの要望だった。
しかし、薄ら寒いものが背筋を駆け抜けるような戦慄が程々に走るような、そんな口調だった。
要約すれば、あんまり怖くなかった。
それよりも、何時の間にか月流子の傍らに立っていたり、“アリスは今話いっぱい出られない身体になりました”的なことを耳打ちしてたりする蒼津の方が何百倍も怖かった。
それは、事情を全く知らない耀子もそれを感じ取る程であった。
「さて諸君。今日集まってもらったのは他でもない」
そんな微妙な空気で止まらせまいと、タイミングを見計らっていた賽が口火を切る。
古典的な切り出し方だが、堂に入っている。その一挙動は
謀 賽という女を謀 賽足らしめる所以、その一端であった。
自ずと引き締まる面々。その空気を噛み締めるように、賽は続ける。
「――
れっくれす強化サバイバル合宿の詳細説明をする為だ」
【To be continued...?】
◆ ◆
うわー、短けぇ! 手抜きだろコレ!
……と、思った人は後で体育館裏に来なさい。
何か、全員が居る状態で話を進めていくと。描写が追いつかなくて、グダグダな感じがしてしまって、嫌いなのです。
加えて、キャラクターが多い。ただでさえ初見えキャラがいらっしゃると言うのに、スポットを当ててやらねばならないところが薄くなってしまう。
そして、引っ掻き回す形で話を進めるのにマンネリを感じてきた。事件性のある出来事に関するネタが枯渇してる自分が悪いんだけどな!
ついでに、用語集で保管するというある意味最悪の形でwikiに上げた設定について、本文でも回収したい。
そんなわけで、何度もボツ案を消したりしたという話。
そこで自分は考えました。
……まあ、やっぱり、行き当たりばったりなんだけど。
なお、れっくれすの
メンバーは当トナメへの参加が強制です。そうしないと困ってしまうことができたりするのです。万が一文句のある人は後で体育館裏に来なs(ry
でも今は秘密。秘密秘密。
最後にごめんなさい、混沌断片は次回以降回収ということでー……
団体名は、毎度の如く適当です、よ?
【形式】団体総力戦 ■ 俺は折角だからネジの外れてるあまやんを選ぶぜ! VS 噛み癖のあるヨーコ様を軽んじることなどできません ■
最終更新:2007年04月22日 02:19