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2年4組6班の「走れメロス」…「疲労」はぁ…隆起がよかったのになぁ~

もう進むことは出来ない、メロスは疲れた体を路傍の草むらにごろりと寝転がった…
身体疲労をすれば精神もともにやられるのだ。
もうどうでもいいという、勇者に不似合いなふてくされた根性が心の隅に巣くった。

「なぜだ、約束を破る心はなかったのに…これほど努力したのに」
動けるまで走ったのだ、わたしは、不信の徒ではない…できることなら、わたしの胸を断ち割って真紅の心臓をお目にかけたい。
愛と真実の血液だけで動いているこの心臓を…しかしもうだめだ…

村を出発することを決心したときとは間逆なメロス、彼は既に諦めていた。もうだめなのだ。
いくら心があっても、体は動いてくれない。絶望の波が押し寄せてきた。
ついには自分で自分を追い込み始めた

「わたしは不幸な男だ。わたしは笑われる、家族も笑われる。」
途中で倒れたわたし…倒れたわたしは最初から何もしなかったのと同じではないだろうか?
ああ、もう、どうでもいい…考えたって無駄だ。ここで倒れるのがわたしの定まった運命なのだ。

ただただ諦めの道を進むメロス、もう彼は後戻りできない。
セリヌンティウスを助けるのも、王様に人の心の真実を教えるのも、もう無理な話になっていた。

「セリヌンティウス…セリヌンティウスどうか、私を許してくれ、私は君のために泳ぎ戦い走った…」
セリヌンティウス…もう私は駄目だ。本当に君はいい友達だった。私を信じてくれた…
一度だって、暗い疑惑の雲をお互いの胸に宿したことはなかった。
君は今でもわたしを信じ、無心にまってくれているだろう…ありがとうセリヌンティウス…
「それなのにわたしというものは、友を助けることが出来ないとは…わたしは、負けたのか」

友に感謝し目を閉じる、彼はもう完全に何もかも諦めた。友と友の間の友情はこの世でいちばん誇ることだと
言っていたメロスは、全てを諦めた。

「こんな私が生きていく権利があるのか?」
王はなんと言った?

「遅れたら、その身代わりを、きっと殺すぞ。ちょっと遅れてくるがいい。おまえの罪は。永遠に許してやろうぞ」

「そうか、わたしは死ぬことはない、友が死ぬのだ。そうか…わたしはもう何も考えなくてもいいのだ」
王はそう言ったのだ、独り合点しわたしを笑い、こともなくわたしを放免するだろう…
王を卑劣し憎んだわたしは今になってみると王の言うままになっている。やはり逃がした鳥は帰ってこないのか…

諦めたメロスは絶望を感じていた。もう彼にとっては死ぬより辛い事になっていた。
彼は永遠の裏切り者になるのだ。地上で最も不名誉な人種なのだ。そうなるより、死ぬほうがましだ
目を閉じ、生きようとする気も抜け、走馬灯さえ見え始めていた。

「セリヌンティウスよわたしも死ぬぞ、君といっしょに死なせてくれ」
そうだ、君だけならわたしを信じてくれるに違いない。
いや、それもわたしの独りよがりか?ああ、もういっそ、王の言うままに生き延び悪徳者になるか?
わたしの村の家と羊と家族…妹夫婦ならわたしを追い出すことはしないだろう…

目を開けるメロス…もう既に友のために走ったメロスの目ではなかった…
もう本当の彼ではなかった、正義、真実、愛、彼にとってはくだらないものとなっていた。
人を殺して自分が生きる、それが人間世界の定法…彼の考えはいつの間にかそうなっていた。

「わたしは何のために走ったのだろうか…」
今のわたしは醜い裏切り者だ。どうとも勝手にするがよい、やんぬるかな。

悪徳者として生きることを決めたメロスだが、ふと耳に水の流れる音がした。
気づけば体は起き上がり、その音の発信源へと歩いていた。彼が見下げる場所には清水が湧き出ていた
その泉に吸い寄せられるようにかがみ、そしてその清水を飲む…ほうと長いため息が出た。

「わたしは…なにをしていた!そうだ、わたしは走らなければならない!」
目が覚めた。そうだ、わたしはメロスだ!走るのだ!
「よし、行こう!」

彼は絶望を抜け出した。わずかな希望が見えてきた。
しかし立ち止まったメロス…既に西の空は赤く染まり歩く道も赤い…

「やはり、だめなのか?…」
これだとあと数時間で、太陽は沈む…行けるのか?…
いや行ける!行くのだメロス!行かなければならないのだ!

再び走り出すメロス…沈む太陽より早く、黒い風のように走った。
信じられているから走るのだ。先刻のあの絶望…彼にはもう関係なかった。

「あの悪い夢などもう忘れよう」
そうだ、五臓が疲れているときはふいとあんな悪い夢を見るものだ。しかしもう大丈夫。
さぁメロス、絶望から立ち上がったおまえは真の勇者だ!あの絶望など恥ではない!走れ走るんだ!

しかし立ち上がったメロスを苦しめるもの…それは沈む太陽だった。

「待ってくれ、ゼウスよ!」
わたしは生まれたときから正直な男だった。正直の男のまま死なせてください。

走るメロスが野原で酒宴の中を駆け抜ける…

「おい、あいつが友のために走っているメロスっていうやつじゃないか?」
「どうせ間に合わない、王は人質を殺すさ」
「走ったって無駄なのにな」

人々の言葉など気にせず、走り、犬を蹴飛ばし、小川を飛び越えた。
すれ違う人々など気にせずとにかく走った

「おい、もうやめておけ!間に合わない」
「そうだ!友が死んでお前が生きればいいじゃないか」

一団の旅人の先頭の人の言葉…しかし彼は止まらない。
しかしその一団の後方の人の言葉を気にせずに入られなかった

「今頃、あの男もはりつけにかかってるよ」

「ああセリヌンティウスよ…待ってくれ!わたしは必ず行く!」
そうだ、わたしは彼のためにここまで走ったではないか、友を死なせてはならない。
急げメロス、遅れてはならぬ、愛と誠の力を今こそ知らせてやるがよい!
最終更新:2010年02月04日 17:36
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