第1話で印象に残ったのは、主人公・リュウに幾度かぶつけられる「本当のことを言え」という言葉。
ドラマの中盤あたりで刑事が「本当のことを言え」「お前の言うことなんか信じられるわけないだろ」と暴力を交えて強く印象付けてくる。
さらに無実の罪で捕まった時、本当のことを言っているのに弁護士に「本当のことを言ってくれ」と言われたときのリュウの気持ち。
自分の言っていることを信じてもらえないことのやりきれなさと、その瞬間にリュウが見せた他人に反抗する態度。
そもそもの原因の一部がここにあるのではないかと思った。
主人公・リュウを形成する要素が多く詰められているシーンだった。
どうしてリュウは信用されないのか、ということは過去に原因があるのだろうけど、今を生きている彼にはその言葉がどれだけ重く苦しめていることか。
それから、自分の息子が暴走族?で、それを抜けようとしたところ仲間からの集団リンチにあって死亡したという過去をもつ60歳代の男性(ゲームセンターの経営者:本田)も印象強い。
彼の親としての心境や、そこからくる少年犯罪を憎む気持ちがストレートに描写されていて、人物に感情移入しやすい。
そしてこのドラマによく登場してくるのが「理不尽な大人」。
明らかに仕事に対する精神がずれている刑事の横暴さは、確実に悪役といえる。
だけど、そのブラックさがドラマを深いものにしている重要な役割だと思った。
時代のせいか、ところどころ違和感を感じる場面もあった。
- 切られたはずなのに手に傷がない。
- 図書館のシーンでは動作や声が大きい。
ドラマという伝え方の上で仕方のないことかもしれないけど。
印象に残った部分の加筆。
本編終盤に無実の罪で捕まるシーンが入るが、そこで信じてもらえないことに対するリュウの強い思いを宿したような瞳を見て、よりドラマの世界に引き込まれた感じがした。
剛の演技力だからこそできる伝え方だと思う。
最終更新:2009年10月20日 01:11