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SS/短編-俺律/ラッシュ時の一コマ - (2009/06/30 (火) 23:09:42) の編集履歴(バックアップ)
678 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/06/27(土) 02:59:36 ID:jvwBh5dq
朝の通勤ラッシュは苦痛だ
狭い車内に押し込められ、息苦しさでイライラする
シートに座ることができればまだマシなのだが
俺の目の前のシートには、女子高生が二人並んで座っている
カチューシャをし子と黒髪のロングヘアーの子だ
「まったく、律はしょうがないなー」
「あははー悪い悪い」
くだらない会話ばっかり。これだからガキは・・・
ただでさえイライラしてるのに、女子高生の笑い声はカンにさわるしな
はー・・・早く降りてくれねーかな
そんなことを思っていると、おもむろに律と呼ばれている子が立ち上がった
「澪、ちょっと席とっておいてくれないかな」
「え?うん、わかった」
その子は俺の前を横切り、混雑した車内を歩いていく
友達でも見つけたのか?
ったく・・・非常識にもほどがあるだろ
そう思っていると、すぐにその子が戻ってきた
老婆の手を引きながら
「おばあちゃん、こっちの席空いてるから、座って」
律という子は、そう言ってその老婆を自分が座っていた席に案内した
「ありがとう。助かりました」
「全然かまわないですよー」
「あんたはいい子だね」
「律、えらいぞ」
「いや、別に誉められるほどのことじゃないし、ははは、照れくさいな」
律という子は照れながら笑った。
とても素敵な笑顔で
イライラしていた心がすっと癒された