&bold(){340 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/06/19(金) 20:27:30 ID:yeOAlyjM} 「は、はひっ」 電話に出た彼女は、奇妙な裏声で応対してきた。 「あ、私私。…何甲高い声出してんのさ」 「あ…律か。ありがと、落ち着いた」 向こうでほっ、と大袈裟に吐いた息が聞こえる。 私は、テレビの前で澪に電話を掛けている。 「よくわかんないけど?まぁいいや、今○ステ見てた?」 「甲高い声の原因がそれなんだけどな…見てたよ…」 どうも、落ち着いた割に弱々しい声だ。深呼吸が電話越しに聞こえる。 「何でビビってんだよー」 咥えたポッキーの先端を齧って噛み砕く。 「だって私が2位だぞ?YUIやヘキサゴンとか抜いて…」 「澪がそれだけ人気だって事だろ?」 「ある種怖いのを感じるんだけど…」 「おめでと。」 「あー…ありがと。2ヵ月後、楽しみだな」 「2ヵ月後?…あ!私とムギと梓か!」 「忘れてたのか…。ちゃんと自分の事も見とけって言ってるだろ」 「いやいや、やっぱり親友の方が大事に見えるんだよねー 明日はパーティーだなー。軽音部一同で、澪と唯の」 瞼の裏に、明日の光景が思い描かれる。 「へ?いや、わざわざやらなくても…」 「お祭りごとってのは事あるごとにやらないと損なんだぞ?」 「いや、いいって。わざわざやらなくても」 「唯はゼッタイやりたがるぞ?その笑顔を打ち砕くのか?」 「ぐっ…わ、わかったよ。…それじゃあお願い」 「おうっ」 そこで電話を切った。 電話でも感情は表したけど、とっても嬉しかった。 ちっちゃい頃からの付き合いの澪の成長の一端が極端に垣間見得た。 唯だけが知ってる、澪のホンキの歌の顔。私も見たかったけど、たまには見た事無い顔があってもいいと思ってた。 私の歌も2番が良い。1番でも嬉しいけど、澪には勝ちも負けもしたくない。 「私も2位だったよ、1位の壁はあっついなー」と笑顔で言いたい。 おめでと、澪。 >出典 >【けいおん!】田井中律は浴衣可愛い25【ドラム】