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悪女な律梓


澪「梓、ごめんな。今日は用事が長引いて、帰りが遅くなるかもしれない。
  折角のお前の誕生日なのに」
梓「そんな、気にしなくていいですよ、お姉ちゃん」
澪「じゃあ、いい子にしてるんだぞ」
梓「はーい。いってらっしゃい」
梓「……」トゥルルルル
律「はい」
梓「お姉ちゃん、帰り遅くなるんだって」
律「何その振り。誘い?」
梓「勿論」
律「んはっ、やっぱ梓とは相性いいな」
梓「でしょ?ねぇ律、いつになったらお姉ちゃんと別れてくれるの」
律「それは言わねー約束だろ?確かにアイツの愛は最近重く感じてるけど」
梓「だって、律の事独占したいし」
律「しょうがないヤツだな。今日は独占していいぜ?
  お前の誕生日なんだし。たっぷりと付き合うよ」
梓「うんっ。でも、体力無くなるまでは駄目だからね?
  遅くなるとは言っても、お姉ちゃん帰って来るんだから」
律「分かってる。帰るだけの体力は残しとくよ。
  アイツの愛って怖くなるくらい偏執的だから、見つかるとヤバイんだよね」
梓「でも危険な方が燃えるよね」
澪「ふぅ、皆には悪い事したけど、早く上がらせてもらえた。
  だって、可愛い妹の誕生日なんだし、祝ってあげないと。ん?」
澪「……。タイヤキか。梓、好きだったな。買って帰ろう。
  あと、梓が欲しがってたガラス細工も買って帰ろう」
澪「ふふふ、梓、喜ぶだろうな」
梓「あはぁ、律、激しすぎ。お姉ちゃんともこんななの?」
律「最近はヤってねーよ。言ったろ?重いって。
  最近はずっと梓一筋だよ」
梓「私も、律一筋」
ガシャーン グシャ
梓「え?」
律「ん?」
澪「……」
 何かが壊れる音が部屋を劈くように響き、律と梓の視線を引き付ける。
そして──呆けたように目を見開き、立ち尽くす澪の姿が映った。
その足元には、潰れたタイヤキと、割れて破片を散らすガラス細工。
梓「あ……」
律「うそ……だろ……」
 澪は呆けた表情のまま、足元のガラスの破片を拾った。
最も鋭利な切っ先を形成する、破片を。





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最終更新:2011年09月06日 14:29