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168 :軽音部員♪:2010/12/03(金) 01:22:15 ID:4KD9TNFc0

夜中、ふと目が覚めた。
肌で直接感じるのは、いつもと違うベッドの柔らかさ。
隣にはすやすやと寝息をたてる愛する人。
カーテンから漏れ込む月明かりが、暗闇の中にその人を浮かび上がらせる。
タオルケットがはだけて、彼女は生まれたままの姿をのぞかせていた。

――ああ、そうだ。昨日は律先輩と……

徐々に蘇る肌を重ね合った記憶。
冷静な頭でその行為をなぞることはどうにも慣れない。
きっと今は顔が真っ赤に染まっているんだろうな。

それにしても、何も着ないまま寝てしまうのはお互いにこれから注意しないと。
まだ寒くないとはいえ、汗はかいてるんだから。
タオルケット、かけ直してあげよう。

「……ん、あずさ?」

寝惚け眼をこすりながら、律先輩は私の名前をつぶやく。

「あ、すみません。冷えないようにと思ったんですけど、起こしちゃいましたね」
「ん、別にいいけど……ひとつ不満かな?」

律先輩はもぞもぞと動いて私と体ごと向かい合う。

「二人きりのときは敬語使わないでって言っただろ」

人差し指で鼻をチョンとつつかれる。

「あ、ごめん律」
「まあなかなか抜けないだろうけど、せっかく先輩後輩以上の関係になったんだしな」

一匹の仔猫を愛でるように、優しく頭を撫でられる。
律はその流れのまま、耳、そして頬へと指を這わせていく。

「……んっ」

首筋に指が触れたとき、無意識に声がもれてしまった。

「やっぱ梓って猫みたいだな。猫ってのど撫でると音鳴らすけど、梓も首筋撫でると声出しちゃうもんな」

その言葉が一気に私の体温を上げる。

「しょ、しょうがないでしょ、弱いんだから」
「へえ、梓はここが弱いのかあ」

私の告白を律はわざと強調して繰り返す。
その顔は妖艶でありながら、イタズラを思いついた子どものようでもあった。

「そんな声で鳴かれたら、我慢できなくなっちゃった」

首筋を攻めていた指がゆっくりと下りていく。
抵抗することも頭をよぎったが、律の指づかいがそんな考えを吹き飛ばしてしまう。

……いっか、今日はこのまま流されてしまおう。
好きな人の体温を感じながら朝を迎えるのも悪くない、かな。


終わり




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最終更新:2011年01月26日 17:56