443 :軽音部員♪:2010/12/19(日) 14:07:13 ID:GDiShY4Y0
「なあ梓?」
髪に触れられる。
私はギターを触っていた手を止めて、隣を見た。
意地悪な笑顔がそこにあった。
「もう、練習させてくださいよ」
「やだ、私が暇だもん」
「部長が何言ってるんですか」
私は溜息をついて、再びギターの整備をしようと手を動かし始めた。
しかし、髪を弄られていて集中できない。
「あーずさっ」
「……うるさいです」
甘えたような声が、私を誘う。
消えかけた理性を必死に呼び戻しながら、私は前を向き続けた。
「赤いよ」と冷たい手が私の頬に触れる。
そのまま、耳元で囁かれる。「遊ぼーよ、梓」と。
「……手加減しませんよ」
もう我慢の限界。
私はギターを置くと、「誘った律先輩が悪いんですからね」と囁き返して、その
唇を人差し指でなぞる。
律先輩はびくっと身体を震わせ、そして「おう」とまた意地悪で優しい笑顔を浮かべた。
最終更新:2011年01月26日 18:15