「日番谷く…日番谷くん!!」
「なんだどうした!…ってアレ、雛森か。どうした何か用か?」
「…何かって用はないんだけど…コレ…」
「あ?何じゃこりゃ…クッキー…か?何をモデルにしたんだ?」
「それは乱菊さん!こっちが市丸隊長でコレは阿散井くん、で、アレが日番谷く
ん!!」
雛森は自信満々そうな顔でこっちを見ている。
「はぁ…わかんねぇ…お前の目に俺たちはこんな風に映ってんのか?」
雛森は少し慌てながらも弁解する。
「ち、ちょっと形が崩れちゃった…」
「ちょっとどころじゃねぇだろ…他のもすげぇし」
玉砕。
日番谷は、手に持っていた雛森的乱菊クッキーを口に入れた。
「…しょっぱ!!……」
「あ!それ人ごとに味付け変えたんだよ!乱菊さんは塩味なんだぁ」
「コレ絶対クッキーじゃねぇよ!」
日番谷は呆れながらも突っ込む。
「乱菊さんと吉良くんは塩味、藍染隊長と市丸隊長はシナモン味、阿散井くんと
日番谷くんは砂糖で甘い味付けにしたの!」
「…阿散井のを食う」
「わかったよ♪ハイ!口開けて!!」
「一人で食えるっつの」
漫才のようだ。
「素直じゃないなぁ…」
「なくて結構。普通クッキーに塩なんて入れねぇよ」
「…新しい味だよ!」
かなりの苦笑いだ。
「お前…コレ煎餅じゃねぇんだから…」
「ま…まぁ食べられるからいいんじゃないかな?」
「無理に弁解するこたねぇよ、砂糖味はうめぇから」
「わぁーい!誉められたっ!!」
「ったく…ガキじゃあるまいし…」
年齢のわりに日番谷は雛森の保護者のようだ。
数日後、日番谷は現世へ虚退治へと向かった。
どうも隊長格らしい。
「十番隊隊長日番谷冬獅郎だ」
「十番隊隊長…隊長格の死神か…それじゃあ、手加減はいらねぇな」
ガッ!
虚は鋭い爪を持っている。ガリッッ…!
「くっ…」
アイツは爪を武器にしている…。
あの爪を潰せばアイツに武器はなくなるはず…。
だが他に武器を持っている可能性もないとは言えねぇし、もしかしたら肉体戦
が得意ってことも…。
いや、こうなりゃ一か八かだ!!
「…っ!」
日番谷は隙を見せずに虚の爪に一撃を放った。
「ぐ…あっ!」
「悪いな、そっちが手加減ナシならこっちだって手加減はしねぇ」
「…っふざけんじゃねぇ!!!」
虚がよろけながらも攻撃しようとした、そのときだった。
「霜天に坐せ!氷輪丸!」
「手加減はナシだぜ、暴れて来い!氷輪丸!!」
―わかった…頑張ろうな冬獅郎
「もちろんだ」
「斬魄刀解放なんて無駄だ!俺は強い!!爪などなくともお前を倒してみせる!!!」
虚が構える。
―奴は今周囲の魂魄を吸収して強くなっている…一撃で行くぞ、冬獅郎
「んなこたわかってる!行くぜ!!」
―ああ。
虚はすでにかなりの魂魄を吸収して、体力を回復していた。
「くそっ…なんて霊圧だ!」
「無駄だと言ってるんだ、テメェなんかに俺は倒せねぇ!隊長だかなんだか知ら
ねぇが所詮はガキだな」
「…テメ…ェ…」
―冬獅郎、待て!卍解だ!
「いいのかよ、お前が疲れるだろ?」
―いいから早く!!
「わかったわかった!」
「卍解!大紅蓮氷輪丸!!」
「卍解…だと!?こんな…ガキが!?」
「悪いな、さっさとカタつけちまいてぇんだ」
「俺はっ…倒れねぇ!」
「行けぇっ!!!」
カシャ…ン
「そんな…馬鹿なっ…」
「…馬鹿なんて言葉は勝ってから言え。それから…俺はガキじゃねぇ」
「ぐ…あっ」
ドサッ…
『…帰るぞ、氷輪丸』
―あぁ。
瀞霊廷に帰った日番谷は、総隊長への報告を終え、執務室のドアを開けた。
「…なんだ?コレは」
食い散らかした大量のお菓子。
読み散らかした大量の雑誌。
溜まりに溜まった大量の書類。
…かなりちらかっている。
「あ!おかえり日番谷くん!!今乱菊さんに誘われてお茶会してたの!」
「おかえりなさい隊長♪」雛森に…松本。
どう見てもこいつらの仕業だ。
しかも、雛森は松本に誘われたという。
「松本…コレはいつの書類だ?…そしてこの部屋、なんかちらかりすぎじゃねぇか?」
「い、いえ、そんなこと…雛森が非番だからお菓子を…えっと…そのっ…たっ、
隊長も一緒にお菓子どうですか!?」
「松本ーッッ!!!!!」
…日番谷隊長は、いろんな意味で大変です。
最終更新:2007年04月03日 18:25