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「俺…なんでココに寝てるんだ?」
十番隊隊長・日番谷冬獅郎は、なぜか自分の隊ではない五番隊の執務室のソファーに横たわっていた。
五番隊隊長・藍染惣右介は、俺に向かって微笑んだ。
「起きて大丈夫かい?日番谷くん」
「俺、なんで…確かさっき隊首会が終わって…」
「倒れたんだよ、突然。だから僕が連れてきたんだ」
藍染は、息をつき、水を差し出す。
「そうか…ありがとな、藍染」
水をゆっくりと喉に通す。仕事は、まだある。先に松本がやってくれて…る訳がない。行かねぇと。
「じゃあ、俺もう戻らないと…」
「あっ!ちょっと待ってくれないか日番谷くん!」
藍染は急いで部屋を出ていった。その後、五分もしないうちに藍染は戻って来た。
…五番隊副隊長の雛森桃を連れて。
「あ?雛森?なんでお前ココにいんだ?」
雛森は、頬を赤らめて怒りだす。
「なんでって…だってココ五番隊の隊舎だよ!?」
「誰だって見りゃわかる」呆れたように言い返す。藍染がなだめるかのように割って入る。
「ちょっといいかな日番谷くん…。最近忙しいし、もしかして君、かなり疲れてるんじゃないかな?だから倒れたり…」
藍染は静かな口調で尋ねてきた。確かに俺は疲れている。なんとなく、それが原因で倒れた気までする。
それ以前に、この場所に雛森を連れてきた藍染の意図がわからねぇ。
「まぁ…ちょっと」
曖昧に返事をする。
こういうとき、正直に疲れてることを言ったら、雛森も藍染も心配する。そういう性格を持った奴らだ。
「そこでなんだけど、雛森くんと出掛けてくるというのはどうだろう。幼なじみだから、変に気を使うこともないだろうしね」
「え!?」
これにはさすがに驚く。 雛森も同じようだ。
「心配することはないさ。雛森くんの仕事は僕が受け持つ。十番隊には僕から連絡を入れておこう。だから、安心して行っておいで」
安心できるかよ…この忙しい時期に…。
「ああああ藍染隊長!そんなことっ!あのっ、あたしっ!!!」
雛森はかなり動揺している。何が言いたいのか全くわからねぇ。
藍染は大丈夫だと言って雛森の肩を軽く叩いた。
「藍染…わかってるとは思うが俺にも隊長業務が…」
「コラ!日番谷くん、藍染隊長でしょ!!」雛森がすかさず言う。
いつもはココで俺が「オメーだって日番谷隊長だろが」と言うが、今日は放っておくことにした。
「まぁまぁ雛森くん、彼だって隊長だ。僕と対等なんだから」
藍染はなだめるのが上手ぇ。笑って、言葉で撫でてくる。
「日番谷くん、隊長業務は僕に任せてくれ」
「でもっ…」
「安心しなさい。僕は今仕事がないんだ」
「だけどっ…それは…」
「ホラ、気持ちのいい風が吹いてきたよ。仕事は気にしないで行っておいで」
雛森と俺が動揺しながらも反対しているにも関わらず、藍染は俺達を外に出した。
「何なんだ一体…」                    
俺はため息をつく。横には幼馴染。
「でも、気持ちいいよ!」
もう開き直ってやがる。
でも、こうしていると確かに気持ちがいい。俺は雛森に手をひっぱられながら深く息を吸い込む。
まだまだ空気は冷たくピンと張り詰めていた。でも、何故か心は温かかった。
「たまにはこういうのも悪くねぇな」
「何か言った?」
雛森がはしゃぎながら問いかける。
「いや、何でもねぇ」
柔らかな風が吹き抜けた。
最終更新:2007年03月23日 18:50