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◆04. 【アフマドとハルーン】
























『ミンサガ』では、エスタミルの太守アフマドはウハンジ、
タルミッタの太守ハルーンは、
トゥマンという名前に変更されている。























元々ロマサガでは、クジャラートは
元ネタはクム(中国)なのに地名はインド、
人名やキャラデザはアラブ世界という非常なチグハグさだった。
(加えてバファル帝国人のデザインはエジプトだった)






























それが『ミンサガ』では原作のクムの影響が強くなって
ロケーションは中国とアラブのミックスされたスタイルに変更され、
首長の人名は2つとも差し替えられてしまった。

では、なぜ人名を差し替えたのか?



































実はハルーン・アッ=ラシード(هارون الرشيد)とは、
『千夜一夜物語』などで8世紀、全盛期のアッバース朝に君臨した
偉大なる帝王の名である。

アフマド(احمد)にしてもただアラブの男性名というだけでなく
大預言者ムハンマドの異称の中でも特に重要な名前である。































対して『ロマサガ』では、アフマドは奥方の眼を盗んで
よそから誘拐してきた女でハーレムを作るスケべ男
ハルーンは政敵の無実の娘をさらって生贄に捧げる
陰険な狂信者として描かれており、どちらもイメージが悪い。




































『ロマサガ』は元々国内のみの発売であり、
リメイク版『ミンサガ』において初めて海外展開する。
そのためミンサガの海外名は「Minstrel Song」のついていない
Romancing Sagaである。







































海外展開ともなると、当然宗教的価値観にうるさい
イスラム世界の反応も視野に入れておかねばならない。

そのような意味で、イスラム世界において偉大な存在とされる
ハルーンやアフマドの名は変更されるはめになったと考えられる。














































































































































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最終更新:2020年04月19日 22:28