◆04. 【義の海賊】
『グイン』のレント海では、
成長したイシュトヴァーンの物語が展開する。
16歳の時に少女誘拐事件解決とともに領主を怒らせ、
故郷ヴァラキアを追放されたイシュトヴァーン。
あれから4年、イシュトヴァーンは沿海州各地で
冒険と立身出世に憧れる少年たちを集め、
自らの船を手に入れ、義と友情を重んじる
小さな海賊団の船長になっていた。
彼は海賊の街に立ち寄ったり、悪徳海賊に襲われたりしながら、
相棒のランとともに島々を巡り、
伝説の海賊クルドが財宝を隠した宝島を探す。
しかし財宝の場所にはたどり着いたものの、
船も仲間も全てを失い、
陸(おか)の世界で生きねばならなくなる…。
これらの出来事については本編中や
1990年に刊行し、ミュージカルにもなった
グイン・サーガ外伝第9巻『マグノリアの海賊』などに
それとなく概要が書かれている。
『ロマサガ』が発売する2年前の事である。
南洋の珊瑚海を舞台にした、
『ロマサガ』の主役の1人・キャプテンホークのストーリーは
このエピソードが元ネタだろう。
ホークは義理人情を重んじる海賊の船長で、
海賊の街に立ち寄ったり、
悪徳海賊に襲われたりしながら、
相棒ゲラ=ハとともに自分の船を駆り、
伝説の海賊シルバーがアロン島に隠した財宝を探す。
しかし財宝を手に入れたものの、
宿敵の悪徳海賊ブッチャーとの戦いに敗れ、
船も部下の船員も全てを失い、
陸(おか)の世界で生きねばならなくなる。
ちなみに1992年に発売したロマンシング サ・ガの時点では
ホークは一般的なイメージの海賊服を着たワイルドな好漢であった。
だが2003年にディズニー映画
『パイレーツ・オブ・カリビアン』が超ヒットすると、
その影響で、2005年に発売したリメイク版ロマサガでは、
『カリビアン』の主人公ジャック・スパロウを意識した、
見るからにむさ苦しいコテコテの海賊デザインに変更された。
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最終更新:2020年04月19日 21:42