GR国で公然の秘密として存在するのが、このハーレム制度である。
簡単に言えば、主は気に入った者を陣容に加える事ができ、
気に入られた者も主の寵を維持する為に己を磨かなければならない。
一見、途方もなく過酷なようだが、
その実、囲った者の面倒は最後まで見なければ罰せられるのでそこまで非人道的というわけでもない。
また、GR国におけるハーレムの特色として、『年齢・性別などの様々な垣根』を越えている事があげられる。
つまり、一夫多妻、一妻多夫はおろか一夫多夫、一妻多妻、挙句の果てには人以外の生物を囲う事(※1)もあるのだ。
さて、かの国の勇猛な将を中心に(※2)、庶民までに広がっているハーレム制度だが、
この本を見てGR国に移住したいと考えている方々に忠告も記しておこう。
まず第一に上にも記したように、最後まで面倒を見ないと法律で罰せられるので注意すること。
第二に、GR国は女性上位国家なので男性がハーレムを築くのは至極難しいということである。(※3)
もし、あなたが女性であったとしても、ハーレム設立には十回の国家試験と適性検査、面接等があるので注意されたし。
そして、よしんばあなた好みのハーレムが持てたとしても、毎月の維持費に『囲い税』(※4)なる税金が取られるのだ。
ただの素人に、ハーレム設立がお勧めできないのはそのためである。
なおGR国の重鎮達もハーレムを維持している者が多数いるわけだが、
なぜか、かの国の君主にはそういった話が立たない。
国の民たちは、君主様は純真無垢な乙女だからだ、ニジゲン(※5)にしか興味がないからだ、etc……等と噂している。
だが、一番有力なのはやはり、『彼女にとってはこの国自体がハーレムのようなものだから』という説だろう。
※1:それはもはやハーレムじゃないと言ってはいけない
※2:戦姫や紅蟹公、狗武者姫等
※3:築いている者もいるが、極少数である
※4:囲っている人数に一定の率をかけた分を割りましていく
考えた人間は相当腹黒……もとい、クリーチャーである
※5:お姉さま語、この世ではないどこかの桃源郷
ルマーゲ・カナイガイ著 『パロロワ大陸縁起』より抜粋
最終更新:2009年04月24日 21:44