パロロワ聖杯戦争・ランサー脱落

「ごっ…………!」
滝のような喀血が、青いツナギを真紅に染める。
「……っ。待ってて、すぐに傷を塞ぐから―――!」
血まみれの槍兵に駆け寄るアニなのは。
それを、ランサーは片手で制した。
「無駄だ。オレの槍(ゲイボルク)で破壊されたケツは簡単には治らん。
だいたいな、そんな余分な魔力は残ってねえだろ、おまえ」
「……けど、それじゃ―――」
「まあ気にするな。こういうのには慣れてる。
パロロワキャラってのはな、いつだって理不尽なズガンで死ぬものなんだからよ」
飄々とした口振りは以前通り。
いい男は、死の際にあっても、その口調を変えなかった。
「………………」
彼女は言葉もなく立ちつくす。
それを見上げたまま、ほう、と。
肩の荷がおりたように、槍兵は息をついた。
「―――いや。お互い、つまんねえ相棒を引いちまったな」
「……そうね。けど、わたしのはつまんないっていうより、扱いづらいだけだったかな」
「違いない。おまえのようなつるぺたが相棒だったら言う事はなかったんだが―――生憎、昔っからいい男とは縁がなくてな。
 まったく、こればっかりは何度繰り返しても治らねえみてえだ」

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最終更新:2009年04月25日 13:44
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