昔々あるところに、蟹沢きぬが住んでいました。
ある日、きぬは自分の家の庭になった柿を収穫していました。
しかし、背の低い彼女では上の方になった柿が収穫できません。
きぬが困っていると、そこへ悟空が通りかかりました。
「何だ、そんなことならおらが取ってやんぞ」
悟空はするすると柿の木に登り、柿を収穫していきます。
ところがその時、偶然落下した渋柿が、悟空の頭を直撃しました。
「ぐっ! 俺は……」
なんということでしょう。渋柿が頭に当たった衝撃で、悟空は凶暴なカカロットの人格に変貌してしまいました。
「地球人は殺す!」
カカロットは状況を理解していないきぬに向かって、思い切り渋柿を投げつけました。
渋柿を頭に受けたきぬは、その傷が元で亡くなってしまいました。
きぬの死を知ったレオは、幼なじみの仇を討つべく立ち上がりました。
しかし一般人の彼に、戦闘民族サイヤ人を倒せるはずがありません。
そこで彼は、カカロットを倒すべく仲間を募りました。
その結果呼びかけに応え、QB、クリリン、DIOがレオの元に集まりました。
カカロットの家までやってきた一同は、彼がいない内に家の中の各所に隠れました。
やがて、カカロットが家に帰ってきました。
水瓶の中に隠れていたQBが飛び出し、針をカカロットに突き刺します。
不意をつかれたカカロットはまともに攻撃を受けましたが、落ち着いて反撃を繰り出しQBを倒しました。
しかし、次はスキンヘッドつながりでガイアから教わった環境利用闘法で隠れていたクリリンが、カカロットに襲いかかります。
「すまん、悟空! あとでドラゴンボールで生き返らせてやるからな!」
クリリンのかめはめ波が、カカロットに命中しました。
しかしカカロットもすぐさまかめはめ波を撃ち返し、クリリンを倒しました。
(あと何人、敵が潜んでるんだ? ここはいったん外に出て、様子を見るか……)
カカロットは、家の外へ引き返します。
その瞬間を狙って、屋根の上にいたDIOがそこから飛び降りました。
「ロードローラーだ!」
DIOと共に落ちてきたロードローラーが、カカロットを押しつぶします。
即死は免れたカカロットでしたが、身動きが取れません。
「あいつの仇……。覚悟!」
近くの茂みから飛び出してきたレオは、ロードローラーの下から出たカカロットの首を雛身沢名産の鉈で切り落としました。
「おめでとう、君の敵討ちの旅もここが終着点というわけだ」
「ありがとうございます、DIOさ……え?」
DIOにお礼を言おうとするレオでしたが、それよりも早く、DIOの右手がレオの胸に突き刺さっていました。
「な……なんで……」
「このDIOが、敵討ちなんて安っぽいもののためだけに君に協力していると思っていたのか?
すべては我が野望の妨げとなりうる存在、孫悟空を最少の労力で抹殺するためだ!」
「そんな……がはっ!」
「所詮お前も悟空も、このDIOにあしらわれるだけのモンキーなんだよぉ! ハハハハハハ!」
こうしてDIOは、また一歩世界制覇の野望に近づいたのでした。
めでたしめでたし。
最終更新:2009年04月25日 13:52