ロワイアル×ロワイアル@ ウィキ内検索 / 「雪原の祝福」で検索した結果
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雪原の祝福
雪原の祝福 ドラゴンは怪異の王。 幻想の王、魔界の王はべつにいるとしても。 怪異の王の称号を種族単位で 冠するに至るのは古今東西ドラゴンしかいない。 ドラゴンをその地位に押し上げたのは ドラゴンには如何なる刃も魔法も通らないことから。 体を覆う鱗は絶対的な防御力を持ち。 故に巨体とともに突進されるだけで あらゆる砲弾を超える破壊力を産み出す。 それがドラゴン。弱点は存在しない。 大海原、ではなく大空。 だが背に乗って攻撃を繰り出している者に してみれば大差はないだろう。 泳ぐように体をうねらせ 水中であるかのような空気の抵抗感を感じる。 「マルコ、もう少し左に誘導して!」 「あいよ!」 雪原、大地を埋め尽くす雪、水の塊。 這わせておいた根が養分に急成長を遂げ、 大樹の先端が銀嶺の右顎を打ち抜いた。 ... -
元ネタ【100~150】
...り締める 106 雪原の祝福 107 花弁も遺すことなく 108 深淵での邂逅 109 見つけに行く 110 参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》 111 賢人は無限の幕、羽織り 112 PARADIGUM 113 強制型エンターテイメント判明 114 僕達は強がって笑う弱虫なのさ 115 アリス イン ミラーワールド 116 HAPPY END’s FRAGMENTS 117 終わりのメーノーグ 118 お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ! 119 鉄の少年、その終焉 120 降り立つ、長い道歩む少年の前に 121 黒炎のベルセルク~What a ugly warrior~ 122 那由多の海で少女は涙する ... -
【未来日記】
...VqBO6 106 雪原の祝福 美神愛 3(3) No 登場話題名 作者名 019 403 Forbidden ◆IRxFfnsX8c 048 ムスカリ ◆CFbjQX2oDg 051 乞い願う利益者 ◆1yqnHVqBO6 雨流みねね 6(6) No 登場話題名 作者名 017 爆炎と砲火の中で ◆W.z0w51WN2 036 化物語 《バカシモノガタリ》 ◆CFbjQX2oDg 054 天国とは神のおわすことなり ◆1yqnHVqBO6 080 ☆北岡秀一☆ ◆1yqnHVqBO6 095 そして誰かいなくなった ◆1yqnHVqBO6 112 PARADIGUM ◆1yqnHVqBO6 -
ぎゅっと握り締める
...過去の産声 投下順 雪原の祝福 破滅の時計盤も時には 時系列順 雪原の祝福 ぬくもりのなかであたしを殺して 筑摩小四郎 花弁も遺すことなく 戦場マルコ 雪原の祝福 ティオ 花弁も遺すことなく 真紅 雪原の祝福 桐山和雄 花弁も遺すことなく ブック GAME OVER -
花弁も遺すことなく
...名】 雪原の祝福 投下順 深淵での邂逅 雪原の祝福 時系列順 深淵での邂逅 ぎゅっと握り締める 筑摩小四郎 GAME OVER 雪原の祝福 真紅 GAME OVER ぎゅっと握り締める 桐山和雄 深淵での邂逅 ティオ -
【ローゼンメイデン】
...VqBO6 106 雪原の祝福 107 花弁も遺すことなく 雛苺 9(9) No 登場話題名 作者名 016 マシュマロのような舐め心地であった ◆1yqnHVqBO6 029 馬の名前でも間違えるのは失礼 ◆9n1Os0Si9I 030 王様の託児所! ◆1yqnHVqBO6 055 混迷する少年少女のバトルロワイアル ◆W91cP0oKww 058 優勝者達のエピローグ ◆1yqnHVqBO6 078 金色の彼に花束を 088 歩くような速さで ◆W91cP0oKww 095 そして誰かいなくなった ◆1yqnHVqBO6 096 けれど彼は前を見る -
第三回放送までの本編SS
...桐山和雄 106 雪原の祝福 戦場マルコ、真紅 107 花弁も遺すことなく ティオ、ブック、筑摩小四郎、真紅、桐山和雄 108 深淵での邂逅 桐山和雄、ティオ 110 参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》 ??? D-3 111 賢人は無限の幕、羽織り 翠星石、カントリーマン、津幡共仁、ヨキ D-3、C-5 113 強制型エンターテイメント判明 北岡秀一、天野雪輝、ウマゴン、乾志摩夫 G-7 114 僕達は強がって笑う弱虫なのさ キャンチョメ、ミツル、杉村弘樹、レオナルド・エディアール D-6 115 アリス イン ミラーワールド 雪華綺晶、ティオ ??? 116 HAPPY END’s FRAGMENTS 北岡秀一、天野雪輝、ウマゴン、 G-7 117 終わりのメーノーグ ◆W91cP0oKww キャンチョメ、ミツル、杉村弘樹、レオナルド・エ... -
第三回放送までの死者
...戦場マルコ 106 雪原の祝福 捕食 アムルタート 真紅 筑摩小四郎 107 花弁も遺すことなく 惨殺 チャージル・サイフォドン 筑摩小四郎 桐山和雄 斬殺 ダークブレイド カントリーマン ヨキ 111 賢人は無限の幕、羽織り 惨殺 スプンタ・マンユ 乾志摩夫 乾志摩夫 113 強制型エンターテイメント判明 自殺 自分の首輪 薬師寺天膳 津幡共仁 118 お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ! 斬殺 ドラグブレード 杉村弘樹 杉村弘樹 119 鉄の少年、その終焉 消滅 なし 北岡秀一 天野雪輝 121 黒炎のベルセルク~What a ugly warrior~ 銃殺 IMIウージー シュナイダー 銃殺 夕方 コト 津幡共仁 120 降り立... -
【100~150】
...雄 B-2 106 雪原の祝福 ◆1yqnHVqBO6 戦場マルコ、真紅 B-2 107 花弁も遺すことなく ◆1yqnHVqBO6 ティオ、ブック、筑摩小四郎、真紅、桐山和雄 B-2 108 深淵での邂逅 ◆1yqnHVqBO6 桐山和雄、ティオ B-2 109 見つけに行く ◆1yqnHVqBO6 桐山和雄 B-2 110 参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》 ◆1yqnHVqBO6 ??? D-3 111 賢人は無限の幕、羽織り ◆1yqnHVqBO6 翠星石、カントリーマン、津幡共仁、ヨキ D-3、C-5 112 PARADIGUM ◆1yqnHVqBO6 キャンチョメ、雨流みねね、ミツル D-6 113 強制型エンターテイメント判明 ◆1yqnHVqBO6 北岡秀一、天野雪輝、ウマゴン、乾志摩夫 G-7 114 僕達は強がって笑う弱虫なのさ ◆1yqnHVqB... -
◆1yqnHVqBO6
...、桐山和雄 106 雪原の祝福 戦場マルコ、真紅 107 花弁も遺すことなく ティオ、ブック、筑摩小四郎、真紅、桐山和雄 108 深淵での邂逅 桐山和雄、ティオ 109 見つけに行く 桐山和雄 110 参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》]] ??? 111 賢人は無限の幕、羽織り 翠星石、カントリーマン、津幡共仁、ヨキ 112 PARADIGUM キャンチョメ、雨流みねね、ミツル 113 強制型エンターテイメント判明 北岡秀一、天野雪輝、ウマゴン、乾志摩夫 114 僕達は強がって笑う弱虫なのさ キャンチョメ、ミツル、杉村弘樹、レオナルド・エディアール 115 アリス イン ミラーワールド 雪華綺晶、ティオ 116 HAPPY END’s FRAGMENTS 北岡秀一、天野雪輝、ウマゴン 118 お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの?... -
ロワイアル×ロワイアル――過去ノスタルジア
ロワイアル×ロワイアル――過去ノスタルジア 「終わったみたいだね……」 眼下の大地での死闘が終わりを告げ、雪輝は薄く笑みを浮かべる。 勝者はレオと桐山。最大の障害と考えていたヨキは、脱落した。 これは雪輝にとって予想外。 彼は、ヨキが勝つと予測していたからこの結果には少し、表情を崩してしまった。 「それでも、僕の計画は揺らがない……最後まで、進む」 雪輝の目には曇りはない。 こんなはずじゃなかった全てを取り戻すまで、決意は緩めない。 視界を下から前に戻し、女神への道を歩もうとした時。 「電話……?」 雪輝はズボンのポケットでブルブルと震える未来日記――携帯電話を取り出した。 そして、画面に映し出されている名前を見て、口を少し歪めて笑う。 「やあ、もしもし。驚いたなぁ、君が僕に電話をかけてくるなんてね」 「……久しぶり。いや... -
夜空にかかる黄金への虹
夜空にかかる黄金への虹 ―――― 「 」 「こんにちは、蒼星石。 もれは翠星石の友達のシオといいます」 「 」 「雪華綺晶が護神像の中に侵入してきた時に 開けた穴を使って、貴女に語りかけています」 「 」 「もれは、できれば。 貴女にレオの助けになってほしいと思うす」 ――――――――。 二人の少年、二人の戦士が 一面に並び立つ賢者の群れへと立ち向かう。 「レオ、この数をどこまで減らせられる?」 「半分くらいは。だが減らせても、本体が特定できねえ。 そして、分裂体に混じって強烈な一撃を繰り出してくるから それに対処するとまた、相手の逃走を許しちまう」 「俺に考えがある」 桐山の前方に立っていた数十体のヨキが ハ... -
破滅の時計盤も時には
破滅の時計盤も時には 彼女の表情は見えなかった。 袋を被せられていたから。 夕焼けの色が薄暗い倉庫とは相性が悪いのか。 その場の状況を掴むのにも時間が必要だった。 学生服を着ている彼とそう変わらない歳頃の少年達。 少年たちが取り囲んでいるのはひとりの少女。 少女の衣服が乱れ、か細い声で彼の名前を呼ぶ声がした。 震える足を動かして暗闇の中を潜るように進んでいく。 徐々に露になっていく光景。 近づくに連れて鼻孔を刺激する生臭い匂い。 汗と体液が散っていた埃と砂まみれのコンクリート床。 少女の下半身から赤いものが流れていたのを彼、マルコは目にした。 何かに気づいた瞬間、時は既に破滅の時刻を過ぎ去っていた。 愛は汚され、視界にノイズが走り。 少年だった戦場... -
乞い願う利益者
乞い願う利益者 ◆1yqnHVqBO6 ###### 君は最悪の状況に陥った時、どうする? ###### 「もうすぐ朝が来るよ」 桜見タワーの展望台。 昇る朝日が次第に紫色だった空間を白に染めなおしていこうとしている。 ヨキは美神愛とともにここまで飛んで来た疲れを見せるように手摺に体重を乗せる。 ####### 少しだけ脱線をしよう。 ####### 「ここにいれば君の愛する戦場マルコは必ず来る。 そうだったね?」 美神愛の携帯電話を手に持ち、 ここまで来た同行者にまるで平時の医者として患者に接する口調で語りかける。 優しく、相手の不安を取り除くように。 ######## 彼女は夫に虐げられ、舅や姑にも日常的に不快な思いをさせられ疲弊しきっている。 まあ、最悪の環... -
小さな勇気の物語
小さな勇気の物語 ############# これは予知ではない。 オンバの剣がミツルの胸を貫いた。 雄叫びとともに、ミツルの腹部も斬り裂いた。 ばらばらに切断されて、魔狂姫の嘆きは終わらずに。 ミツルは死ぬ。 変えられない、運命。 呪われし勇者が力による啓示。 ############# 「貴様はワタルを侮辱した」 雷電帯びた白銀の剣が演舞を避け。 忌々しげに舌打ちしたオンバが低い声で罵った。 「ワタルこそが、真の救世主。 世界でただひとり存在を赦されるであろう者」 「…………違う」 対峙する勇者ミツルの姿が夜闇に溶けた。 消失の呪文。9th.雨流みねねを刺した時と同じ力。 ならばと、オンバもまたまるで同じ術を使い。 陽の光似合わない暗闇の肌が夜闇と一体化する。 「違う... -
賢人は無限の幕、羽織り
賢人は無限の幕、羽織り 「私がすっかり変わっちまったと。 何故、以前の俺を知らないあんたに言うことができるんだい?」 いかにも、と。白髮鬼は言った。 「おまえさんの服は泥まみれで 見かけも振る舞いも取り繕ったものではない。 偽善者であるならばすぐさまわかったじゃろう。 もっと言えばもしお前さんが根から変わっていなかったのなら そう遠くない将来に少なくとも振る舞いだけは人殺しに戻っただろう。 服や見かけはどうあろうともな。 何故なら、偽者とは上辺だけゆえに 思想を変える勇気を持ち合わせとらんからじゃ。 城戸真司がお前さんの心に刻んだ思想はしっかりと根づいておる。 魂に刻みつけられとる。もはやそれはお前さんの宿命じゃ。 憐れな者よ。 お前さんはこの世界では最も救い難... -
れっと・いっと・びー/少年たちのたどたどしい革命行為
れっと・いっと・びー/少年たちのたどたどしい革命行為 螺旋階段、光を帯びた長い階段。 勇者ミツルは天野雪輝が登る階段を。 桐山とレオはもうひとつ新たに産まれた階段を登る。 交差しても交わることなき、道のり。 疾走っても走っても終わらないようにも思える果てしなさ。 終わりを告げる扉に至る前に、 二つの階段は広く深い踊り場へと少年たちを導いた。 「また、会ったな」 最初に口を開いたのはミツル。 対面した桐山とレオナルドは油断せずに獲物を構え、 勇者へ、疑惑と警戒がこもった目を向けた。 「キャンチョメはどうした?」 「僕が殺した」 「落ち着け、レオ! ……おまえは何者だ」 それだけで、今にも飛びかかろうとしたレオを 桐山が押さえつけて、ミツルへと尋ねた。 「……やる気か?」 「いいや。僕にはもう叶えるべ... -
悪夢の灯火
悪夢の灯火 ◆IRxFfnsX8c 平は相変わらず大きな寝息を立てている。 金糸雀は先程感情を吐露したおかげか安定したようで、寝てこそいないものの、横になって何かを考えている。 ――――一番場数を踏んでる俺がこれかよ。 火の番は必要だが、それ以上に自身が落ち着かないためにこうして暖炉に薪をくべている。 こんな手持ち無沙汰な時にやることといえば、交換日記の確認だ。 こっちは動いていなくても愛は動いているかも知れないではないか。 そして30分ほどが過ぎた。 ――……ザザッ…… 紛れもない“未来が書き換わった音” 慌てて確認する――愛が、愛が来たのか!? 「マルコ、どこへ行く気なのかしら?」 抜き足差し足、でとりあえずの同盟相手から離れようとした時だった。 「どこって、外の空気を吸いにな」 「嘘……デタラメなのかしら」 金糸雀は裾にしが... -
輪舞 -revolution
輪舞 -revolution 人柱とは―― 世界を隔てる壁を創るために必要な魂。 最も気高く、強い熱量を秘める必要がある。 そして、《儀式(ハルネラ)》が執行された後は―― 世界から忘れられなければならない。 魂は巡り、互いに強く影響し合い、その記憶を携えて、 産まれ、還り、次へと続くものだから。 強すぎる魂の永遠の欠落は、忘却によって埋められるようになっている。 忘れ去られる魂。物語にも記されない無名の人物へとなるのだ。 漆黒の闇によって形作られた森林が、大口を開けて。 潮騒の音のように静かに、されど力強く、見る者の怯懦を呼び起こす。 そして、対峙するは先にて敗れ、人柱として魂魄が昇ったかに... -
彷徨う少年達の乱痴気騒ぎ
彷徨う少年達の乱痴気騒ぎ 黄金の階段の果て、黄金に祝福された世界。 月は無慈悲に夜を睥睨し。 青年は涼しげな顔で少年を待ち受けた。 「こんにちは、桐山」 やって来たのはひとりだけ。 桐山和雄ひとりだけ。 レオナルド・エディアールはもういない。 桐山はただ一人で、大きく高くそびえ立った螺旋階段を登り切った。 祝福は当然ない。歓待などありえない。 喝采するには生者が足りなすぎた。 みんながこの世界で人を殺したのだから。 桐山もその身を沢山の血で汚したのだから。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。 茫然とした表情で桐山の腕に抱きかかえられ。 何が起こったのか理解すると、顔を歪めた後で、桐山の手を握った。 「…………くそっ。ああもう悔しいな、くそっ。 ……へっ、悪いな。頑張れよ」 そう言い残して、... -
白銀のツインブレイヴ ~what a shining fortune~
白銀のツインブレイヴ ~what a shining fortune~ 絢爛なる光。 色とりどりの爆発が弾け、消える。 「妾が“願い”。愛の成就。 愛の永遠。ワタルと永久に」 銀の線がミツルの腹部の皮膚を薄く斬り裂いた。 速い、強い、冗談ではない理不尽な存在。 お伽話という窓越しで見たのなら、 まるで魔王だと思っただろう。 「しかし、ワタルを死なせた世界を妾は赦さぬ。 《勇者》を、救済を我利の為に殺し。 のうのうと生きようとするなど! 虫酸が走るわ!」 「あいつが、そんなことを望むと思うのか?」 「貴様がそれを言うか! 貴様の妹とて、他者の死を得てまで復活を望むと!?」 距離をとって、地面に魔法陣を描く。 杖が導くは異界の女悪魔への扉。 「どう、だろうな。 僕にはもうわからない」 ミツルがひ... -
All You Need
All You Need ◆1yqnHVqBO6 雪が舞い、三人の男が殺し合う。 三人。だが彼らは状況を二対一にしようとはしていない。 殺すことを躊躇うような情を持つ理由も持っていない。 殺し合いは膠着寸前。 だが筑摩小四郎、戦場マルコ、浅倉威。 その誰もがここから退くことをまだ考えていない。 単純な実力で言うならば浅倉が一歩リードしている。 それは経験が違うから。 殺してきた命が違いすぎるから。 そして、浅倉には………… 楽しげな声をあげながら、 仮面ライダー王蛇は手にある片手剣を振るう。 狙うは戦場マルコ。 護神像に蓄積された幾億もの“願い”を己の愛でねじ伏せ、受け入れ、 アムルタートに“願い”を求める者と認められた男。 一閃。 マルコの首が宙を舞う未来が誰の眼にも映っただろう攻撃。 それをマルコは避けようとはせず、 ... -
レボリューション(下)
レボリューション ◆1yqnHVqBO6 「これで5人だ」 絶望、 そのさらに先の虚無。闇。 それを目の当たりにしても心が折れぬ人間など―――― 咆哮。それは王というよりも野獣に似ていた。 今の今まで倒れ伏していた幼き雷帝、 ゼオンが身体中の力を掻き集め、立ち上がる。 「ノール、水流をあの子とミツルの周りに展開させるんだ!」 来栖がゼオンの復活を予測していたかのような自然さで ノールに指示を出す。 「オーケー!」 水がゼオン達の周りを龍のようにとぐろ巻く。 「魔本をよこせ少年!」 高ぶった心はそのままに。 王として相応しい修羅の心を十二分に備える ゼオンはそれが正しい指示として来栖に魔本を投げ渡す。 その速度。まさに豪速球。 だがそれを空中で見事にキャッチした七原が来栖へとそのまま放る。 ... -
友達
友達 「ふざけるな」 雪輝にとって、目の前にいる存在は到底許容することは不可能だった。 それは、光。 眩く、暖かな心地よさを生み出す太陽のようなもの。 「ふざ、けるな……!」 ふざけるな。 この五文字にしか満たない言葉に、どれだけの感情を込められたのだろうか。 喜びも、怒りも、哀しみも、楽しみも。 ワイルドセブンの言葉によって、雪輝に内在するあらゆる感の情は咆哮を上げている。 ふざけるな、と。 「救われる名前に、僕をだって? 何を言ってるんだよ、全員救えば……僕も自動で救われる」 「おいおい、そいつは本当かい、ユッキー。じゃあさ、さっきはどうして挙げなかったんだ、自分の名前?」 「たまたまだよ。それ以外に何があるのさ。いいや、あってはいけないんだ」 「そうかい……俺の目には。お前は誰よりも、救われたがってるようにしか見えないけどな」 ... -
スイートポイズン
スイートポイズン ◆L62I.UGyuw 雪山を背にして、短髪の中年男が月に白く煌く雪原を歩いている。 いや、歩いていると言えば聞こえはいいが、実際にはビール腹を盾に雪をブルドーザーのように押し退けている、と表現した方が事実に近い。 無論遊んでいる訳ではない。その証拠に男の形相は必死そのものだ。 「さ、さ、さむ、寒い、寒い。た、堪らん。や、や、やっとられんがな、ほんま」 男の名は平清。名刺を差し出すと偶に妙な顔をされるが、平が姓で清が名である。 読みはタイラキヨシ。決してヘイセイさんでもなければピョンチンさんでもない。 彼はつい先日までは、不動産業を営み家族を愛する普通の日本人男性だった。 しかし客の恨みを買ったのか、はたまた別の理由からか、平はネットゲーム『BTOOOM!』を模したデスゲームに突然放り込まれてしまったのだ。 その中で... -
対主催
対主催 ◆1yqnHVqBO6 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「俺は絶対に死ねない。 一つでも命を奪ったら、お前はもう後戻りできなくなる」 「………………俺はそれを望んでいる」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「変身しろ」 そう七原秋也と真紅の前で言い放つ青年は秋山蓮。 七原達は秋山の言葉に困惑する。 先程の少年を探しながらなにか役に立つものを 調達しようと思ったがどこの家にも碌なものがおかれていない。 電器店すら見つけることはできず。 少し遠くなってしまうが大学で機材を調達することを 視野に入れ始めた二人は秋山に出会った。 「ヘン……シン? なんのことだかわからないなあ。 妙な勘違いして... -
◆W91cP0oKww
◆W91cP0oKww氏 氏が手がけた作品 話数 タイトル 登場人物 052 私が彼の迷いを忘れないように 七原秋也、真紅 055 混迷する少年少女のバトルロワイアル 天野雪輝、ガッシュ・ベル、雛苺、シュナイダー、我妻由乃、杉村弘樹、キャンチョメ 057 絆を結び/憎しみを放つ カントリーマン、城戸真司、朧・陽炎、相馬光子、ゼオン・ベル 063 I want to smile for you 七原秋也、真紅、秋山蓮 071 Holocaust(上)(下) ゼオン・ベル、陽炎、カントリーマン、朧、霧島美穂、香川英行、チャン、ミツル、猿谷甚一 082 白光のスプンタ・マンユ~What a beautiful hopes~ ハード、翠星石、桐山和雄、ヨキ、蒼星石、坂本竜太 088 歩くような速さで 雛苺、杉村弘樹、キャンチョメ 090 第二放送 コト 097 First bet 北岡秀一 ... -
老後の楽しみ
老後の楽しみ ◆IRxFfnsX8c 自分で殺したワタルの死体を前にして、猿谷は落ち着いて、と言うよりむしろ飄々としたものだった。 まず、支給品の回収。 ワタルの握っていた剣は、刀身が消えてまるで短い杖のようである。 直前の話から“想波”という武術(?)の習得が必要であるらしい、と判断した。 言葉のイメージとして気功のようなものであろうか。 いずれにしても使いようがないが、これを使える者はワタルの他にも——そう、ワタルの仲間だか敵だかがいるはずだ。 それに対する交渉材料になるだろう。 そして回収はしたが、その中身を検めるのは後にしなければならない。 ワタルの死体。 いつまでもここにいては都合が悪い。 早々に立ち去らねばならないが、気になるものがある。 鈍く光る首輪。 猿谷は首輪にも交渉材料としての価値を見出していた。 ワタルのように脱出や主催者の打倒を目... -
第二放送
第二放送 ◆W91cP0oKww 笑う。 その笑い声は誰だっただろうか。 哂う。 その哂い声は誰だっただろうか。 嗤う。 その嗤い声は誰だっただろうか。 声は地上にいる“盲目の戦士”には聞こえない。 否、“盲目の生贄”と訂正させていただこう。 所詮は駒、駒は掃いて捨てるほど存在する。 そんな哀れな駒達の為に神は言の葉を授けるのだ。 「我が子らよ。再びではあるが祝福しよう。 お前たちは数少ない優秀な人種である。決して劣等などではない。 “願い”への成就は着々と準備が整えられている。 さあ、戦って足掻いて生き残れ。全ては己が願いのために。 では死亡者の発表に始めよう。 城戸真司。相馬光子。陽炎。香川英行。霧島美穂。猿谷甚一。来須圭悟 。朧。 ノール。ゼオン。秋山蓮。チャン。七原秋也。 ハード。 レオパルドン・パピプリオ。坂本竜太... -
トラーギッシュ
トラーギッシュ ◆1yqnHVqBO6 ――命を奪えば。人は何かを永遠に喪う。 少なくとも。彼女は確実に喪うだろう。 音。響き、雪の大海原が波打つ。 だが波は水のように元に静まることはなく 天高く舞い上がり陽の光に照らされる。 楽士である金糸雀。 音を操る彼女の最も強大なアドバンテージは 最低速度の高さだろう。 音を使う以上。 それは人間の反応可能な速度を 軽々と飛び越える。 そして金糸雀は音を練り、 形を変えることができる。 ときには波の形。 ときには弾の形。 果てには槍にも。 彼不可視の攻撃は 浅倉威をたしかに惑わせていた。 仮面ライダーナイトの ミラーモンスターも音を攻撃に使うが それは獣が牙を剥き、獲物に突き立てる粗雑さに留まるもの。 全くの未知の力を振るう相手。 だが、浅倉... -
SNOW STORM
SNOW STORM ◆CFbjQX2oDg 唯一人を残して皆が去っていった刑務所内だが、破壊の音は依然変わりなく響いている。 コンクリート片が付いた鉄パイプで 爆風でひしゃげたスコップで 己の拳と足で 心の奥底から湧き出る苛立ちを発散させるべく、周囲の物に対してぶつけている。 折れた右腕は先ほど添え木を付けて固く縛る応急処置をした。 そのため何かを握るくらいは出来るようになった。 所々の壁に穴があき、机や椅子は既に本来の用途で使用することは不可能になって転がっている。 見えない何かと戦っているが如く男は暴れ続ける。 不意に男の動きが止まる。 そして、あるモノの前まで歩いてしゃがみこむ。 霞刑部だったものだ。 四肢は有り得ない方に曲がり、爆風に煽られて焼け焦げていて異臭を放っている。 男はその死体に手を伸ばすと躊躇なく肉を引きちぎって口に入... -
レボリューション(続)
レボリューション ◆1yqnHVqBO6 【B-4/1日目/午前】 【真紅@ローゼンメイデン】 [状態]: 疲労(極大)、“願い”インストール、七原の戦闘技術と知識継承 [装備]: ハルワタート@waqwaq、真紅の懐中時計@ローゼンメイデン [道具]:基本支給品、ホーリエ、ハリセン@現実 、ローザミスティカ(水銀燈)、 レミントンM870(8/8) 、レミントンM870(8/8)、 ヴァルセーレの剣@金色のガッシュ、レミントンM870の弾(16発) カードデッキ(ナイト)、不明支給品×1 [思考・状況] 基本行動方針:七原秋也の意志と共に 。 1:??? 【カントリーマン@ブレイブ・ストーリー~新説~】 [状態]:全身ダメージ(極大)疲労(極大) [装備]:奇跡の執刀(ハイブリッド・メス)@ブレイ... -
Not Enhanced Empowered and Tactic
Not Enhanced Empowered and Tactic ◆1yqnHVqBO6 蛇のような目をした男がスコップをふりあげて 大入道のような外見をした男へ襲いかかる。 蛇の名前は浅倉威。大入道の名前は霞刑部。 そしてその二人を少し離れたところから 訳がわからないと言いたそうな顔で見ているのは坂本竜太。 腕力任せ、暴力だけに身を委ねた浅倉の攻撃は普通の人間ならばまずかわすのが不可能。 だが浅倉が攻撃を仕掛けたのは普通の人間ではなく忍。 それも魔というべき術を身に秘めた魔人の域に達した存在。 霞刑部の大きすぎる手によって攻撃は呆気無く腕を掴まれる形で防がれる。 もう一方の手で浅倉の口を塞いだ刑部は恫喝するような声音で問う。 「頷くだけでよい。貴様、伊賀忍ではないな?」 それを受けた浅倉は眼を炯々と光らせながらではあったが ... -
レボリューション(上)
レボリューション ◆1yqnHVqBO6 【来栖圭吾・E-4.市街地のカフェにて】 当初の予定通り市街地に到着できた来栖とノールは 椅子に体の重みを全て預け、心身を休めている。 「俺の“願い”? どうしてそんなことを訊く?」 「刑事ってようは防人みたいなものなんでしょ? なんでなったのかなあって。 僕達防人は殺した機械の“願い”、防人達の“願い”を 護神像を通して受け取らなきゃから余計気になっちゃって」 「じゃあ、お前に殺されたら俺の“願い”は お前が受け取ってくれるってわけか」 「それがわからないんだ。なにせ君は赤き血の神だからね。 神の願いを受け継ぐ人なんて前例がない。 どうして言ってくれなかったのさ?」 「殺されたくなかったからな」 「いやだなあ。 まだ防人全てを殺していないから心配いらないよ。 蜘蛛の糸だって今と... -
第一放送
第一放送 ◆1yqnHVqBO6 すべての参加者がそれを見ただろう。 鏡、窓ガラス、水たまり、川、水。 そして、首輪。 反射するほどに磨き抜かれた首輪。 あらゆる映すものに影が現れるのを。 「我が子らよ。まずは祝福しよう。 お前達は生き残った。他を殺し。裏切り。 ときには手を結びながらもここまで生き残った。 だが、“願い”の成就へはまだ遠い。 まだだ。 戦え。闘え。 闘わなくては願いが叶うことなどない。 お前達に未来が齎されることなどない。 死亡者の発表を始めよう。 ワタル。是方昭吾。三村信二。吉良康介。甲賀弦乃介。シオ。水銀燈。 ヒミコ。霞刑部。美神愛。我妻由乃。ガッシュ・ベル。宇谷九一郎。 子よ。愛しき我が子らよ。 以上のものが死んでいった。“願い”の半ばで死んでいった。... -
比類なき悪の右手
比類なき悪の右手 修学旅行は無事に終わった。 無事、というのは誰も怪我をすることなく終わったということ。 喜ばしいことなのだろう。 七原は行きと帰りに開催されたバスでの カラオケ大会に不平を漏らしてはいたけれど。 楽しかった、そう桐山は思った。 七原とノブと三村と豊と杉村。 彼らとの班行動はどれも退屈することがなく。 両手に抱えきれないほどの土産物は 全て桐山の自室に置かれてあった。 「飽きたら俺に言ってくれよ?」 隣を歩く三村が冗談めかした風に言った。 「叔父さんのバーにお前の顔写真と一緒に飾ってやるよ」 「やめてくれ、飽きるわけないだろ」 真っ赤に燃えた空、茜色の空。 夜が浮かび上がる前の太陽は眩しさよりも 熱さよりも冷たさのほうが優っているように桐山は思った。 風邪を引いた豊の家に寄って 談笑に暮れた後、豊... -
乙女になれない私の強がりをひとつ聞いてくれないかしら
乙女になれない私の強がりをひとつ聞いてくれないかしら ◆CFbjQX2oDg 「えらい豪華な暖炉がある部屋やな~。こないな間取りの物件はワシかて中々取り扱わんで」 「よし、火が点いたぞ。」 今カナたちは先程争った部屋から移動して、暖炉のある部屋の中にいるわ。 カナとしては『楽してズルしていただきかしら~』のモットーの通りに、この場所に居座りたいところかしら。 でも、二人とも探したい人がいるということでこの建物から移動することになったかしら。 断じて一人でお留守番するのが嫌だとかそういう理由じゃないかしら。 それでも何故まだ室内にいるのかというと、夜の雪原地帯を動き回るのは極めて危険であること。 そして、平清の大きなくしゃみを何度もしたことによって出鼻を挫かれて、明け方までは休息せざるを得ないという結論になったのかしら~。 「外に雪が積もっていること、... -
鬼ごっこ
鬼ごっこ ◆CFbjQX2oDg 会場の極寒地域に存在する犯罪者を収容する施設、刑務所。 本来の意味でこの施設が使用されることは、おそらくこのゲーム中には無いだろう。 そこに幽鬼の様に立つ男が一人。彼が元々行っていたライダーバトル、そのスタート地点も刑務所だった。 彼がやることは変わらない。神崎士郎や今回の影の男の言っていた“願い”を叶える権利には一切興味が無い。 男の望みは会場に連れて来られた時点で既に叶っている。 『永遠の闘争』 影の男が興味深いことを言っていたのを覚えている。 ――ここには様々な世界で己の欲望の為に醜く争っている者達を集めた 口角が自然とつりあがる。おそらく仮面ライダーだけでない戦う力を持った人間を集めたのだろう。 12人が相手では物足りないと思っていた。戦う相手が53人に増えたのだ。 ハハハ... -
君は光、僕の光
君は光、僕の光 これは夢だった。 あのときの夢だった。 蒼星石の死を目の当たりにして。 意識を手放した後の。 泣いている翠星石と夢の世界で出会ったときの。 「おまえの木は、これです」 そう言われて桐山は背後を振り返った。 そこには荒野の砂漠が広がっていた。 草木も生えない。生命も失った荒廃していくだけのどこか。 「足元を見るですよ」 そう言われて、桐山は足元を見ると、 そこにはようやく顔を出した芽があった。 光を放つ原色だけが生を許されるような厳しい世界。 人の営みから外れれば、砂漠は生命を育むのが困難だ。 「これがおまえの木です」 涙に濡れた目元を袖で何度も拭って 翠星石は桐山の隣にしゃがみこんだ。 「乾ききった木。 今ま... -
ワイルドセブン
ワイルドセブン こつこつ。こつこつ。 透明な水晶で彩られた螺旋階段を、ワイルドセブンは段数を減らしていく。 登った先にあるのは本物の女神、デウスエクスマキナの居城。 本物の理想郷。“願い”が叶うであろう夢の場所。 「膨大な長さだな……かったるいと言いたくなっちまう」 そこに到達しようと、ワイルドセブンは消耗した力を振り絞って上へと登る。 それは、既にいない杉村達の為か。 それは、今も下界で闘っているであろう桐山の為か。 それは、亡霊の如くこの世界にとどまっている自分の為か。 既に、“七原秋也”としての自分は終わっているのだ。 どんな答えに達しても、それはワイルドセブンとしての自分だ。 桐山も、ワイルドセブンも。ほんの少しのロスタイムをもらって今を生きているだけなのだから。 「……はっ」 何をセンチメンタルに考えているのだ。 今... -
未来日記 見ない日記 意味ない日記
未来日記 見ない日記 意味ない日記 ◆1yqnHVqBO6 ユッキーを捜すために私は南西の方角へ進むためにしたの。 どうしてってそれはその先にユッキーがいる気がしたから。 そう思えたらそれ以上考える必要なんてない。 だって私達は約束したのだもの。 未来日記も祝福するかのように教えてくれたのだもの。 たとえ、約束したことと未来日記が予知したことは別のものだとしてもどうでもいい。 一切気にする必要はなく、些細な事柄。 ########## 20XX/7/28 ユッキーが由乃と結ばれる。 HAPPY END。 ########## これだ。コレへ辿り着くために進めばいい。 殺せばいい、繰り返せば…………繰り返繰り返繰り繰。 あれ、何を考えていたんだろう? 忘れたってことはどうでもいいということなんだろうと思う。うん、そうだよね。 ... -
たった一度与えられた 命はチャンスだから
たった一度与えられた 命はチャンスだから 「これでさよならだ。桐山」 「七原。ありがとう」 互いに銃を突きつけ合いながら 二人の少年は同時に撃鉄を起こし、 同時に引き金をひいた。 そして場に残ったのは―― ▽ 互角。 二人の戦いを一言で表すとしたらこの言葉だろう。 護神像によって鍛え込まれた体術同士が 空間を埋め尽くす千の手が 空間を喰い尽く龍の顎が 視界を埋め尽くす分身が 視界を燃やし尽くす大炎が 赤い血の人間への根深い憎しみが 今と未来のダチへの熱き想いが 世界を創りだしたいという意思が 世界を広げ奔りだしたいという意思が その全てが互角の戦いだった。 小技には小技を返し、大技には大技で潰し合い、 この戦いの勝敗を決定するには程遠い。 ”願... -
銀の鍵と青の剣を手に握り
銀の鍵と青の剣を手に握り ◆1yqnHVqBO6 視界に光が射し。 映る暗闇にひとり佇んでいた 少年の姿が徐々に遠のいていった。 桐山にはそれが誰なのかわかっていた。 あれはかつての彼、幼かった頃の彼だ。 不思議だったのは少年の頬が濡れていたこと。 それが涙だというのは知っていたが 何故涙を流すのか。桐山にはわからない。 手が引かれる感触がした。 背後を振り返るとかつての彼と同じように 瞳に涙を浮かべる翠星石がいた。 手に持っているのは庭師の如雨露。 桐山は何かを言おうとして、 覚醒する意識の微睡みに拒まれた。 目が覚めた桐山は ベッドから起き上がると状況の把握を行なった。 病院の天井には染みがあり。 罅が走り始めた壁には 病院が生きた歴史が見える。 視線を落とすと 桐山の腰のあたりで 俯せになって... -
人間/人形らしく
人間/人形らしく ◆1yqnHVqBO6 ローゼンメイデンには宿命がある。 姉妹同士の殺し合い。相手の核を奪って集め。 最後には究極の少女になる。 一面見渡すかぎりの白。 その上を滑る、滑る。 雪は深く。 どうやら城に近づくにつれて 深度が増しているようだった。 まるで孤島のようだと それを知って平と金糸雀は思った。 二人が乗っているのは簡易なソリ。 城にあったテーブルを加工したもの。 継ぎ接ぎだらけの出来栄え。 そんなもので雪原を抜けようとは すわ、運動力学への卑猥な挑戦かと 笑われかねないものだが。 雪がどのように積もっているか。 この舞台が凡そどれくらいの広さか。 マルコとの情報交換で知っていた 二人は雪の海で難破するとは思わず。 楽観的な予測を立てていた。 ... -
水のように優しく、華のように激しく
水のように優しく、華のように激しく ◆CFbjQX2oDg まだ満月が空を支配しているころ、ローブを纏った少年が悠々自適に歩いていました。 少年は神に代わり全てを支配するために、失った妹を取り戻すために歩みを止めません。 だけど、少年が歩むと決めた道は一方通行です。 ゴールを間違ったからと行って戻ることは出来ません。一度進んだ道を簡単に変えることは出来ません。 なので少年は道を間違えないように、しっかりと下調べをし、より確実にゴールに辿り着ける道を探すことにしました。 少年は何かに導かれるようにある地点へ辿り着きました。 そこで少年が見つけたものを見て微笑みを浮かべます。 「ほぅ…これはおもしろそうだ」 少年は色々な道を模索しています。 今思いついた行為もその一つ。 何かが壊れる音がした後、少年はまた歩みだします。 ◇ ◆ ◇ ... -
いつか巡りあう君へ
いつか巡りあう君へ 「俺の話をしたい」 ふたり、ならんで歩いていた。 てくてく、てくてく。 止まった時計の針は囀りもせず。 茫漠な荒野となった世界は暗闇の中、 巨人の胎動に歓喜の静けさを保っていた。 「俺は、この世界に来るまで。 たくさんのことを忘れていたんだ」 桐山の隣を歩くレオはじっと前を見据えて、耳を傾けた。 「なんで忘れていたのか、思い出せないけれども。 母が死んだ時、俺の世界は色を無くしたんだ」 「それは……心が壊れたってことか?」 「いいや。違う。 忘れていたんだ。モノクロの世界で。 俺は、ずっと機械みたいに、人形みたいに生きてきた」 桐山はレオの横顔を向き、話す。 レオは桐山を見ずに、足を進める。 「……俺は、この世界に来て。 水銀燈に会って、あいつの”願い”を託されて。... -
参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》
参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》 【巻き戻し】 「悪いな、坊主」 「え?」 銃口がワタルの眉間を狙っていた。 即座に引鉄が引かれた。額に赤い穴が開いた。 自分の身に起こったことが絶対に信じられない顔のまま、ワタルはゆっくりと仰向けに倒れた。 手にした剣の刀身が陽炎のように揺らぎ、霧散した。 【一時停止】 くちゃくちゃ。 ずずずっ。 咀嚼する音と血を啜る音が 灯りの一切ない地下室にて木霊する。 音の主は褐色肌の少女。 外見だけなら10にも満たないだろう幼さ。 しかし、彼女の続けている行為が醸しだす臭いは その場にいた者の鼻孔を一度刺激すれば10日はとれないだろうもの。 ぼり、と少女の口の中で骨が砕ける音がした。 その骨は大腿骨であり、 本来ならば小さな口には入らない大きさ。 けれど... -
銃の重さ、引き金の軽さ、理想の儚さ
銃の重さ、引き金の軽さ、理想の儚さ ◆1yqnHVqBO6 糞のような思い出が詰まりに詰まった分校を出た二人。 前と同じスタート地点のハズなのに見える風景は随分と違っていた。 そう思う七原秋也の肩に下げられているのはリュックサック。 そして、背中に背負っているのは大剣。 かつての彼ならば持ち運ぶことにすら苦労したであろうがかつての殺し合いから脱出した後、 アメリカで鍛えに鍛えた体のおかげで持ち歩くことができた。 この剣は真紅と出会い、周辺を探した際に見つけた物。 何故こんな学校にこのようなものがあるのか不思議に思ったが 彼女の支給品を見るとあったのはハリセン一つ。 どう考えてもふざけているとしか思えない代物であったことから この剣が彼女への支給品だったということなのだと二人は思うことにした。 真紅が何か特殊な力を感じると言っており、特殊... -
立ち上がれども
立ち上がれども ◆CFbjQX2oDg 猿谷が逃走を図ったあと、パピプリオをベッドに寝かしつけた。 津幡も同様に休息したかったが猿谷やその他の参加者が潜んでいる可能性を捨てきれず病院内を探索することにした。 各病室には誰かが潜んでいる様子も訪れた様子も伺えなかった。 診療室は先に病院にいた猿谷にもっていかれたのか、既に医薬品の棚はスカスカである。 残っていた大量製品である包帯やガーゼや消毒液を回収しリュックに詰めた。 輸血用血液でも余っていることを期待して備え付けの冷蔵庫を開ける。 「なんじゃ…コレは」 結果から言うと輸血用血液は手つかずのまま残っていた。 A型、B型などの全種類揃っている。 津幡が言葉を漏らしたのは輸血用パックに詰まっている黒い液体のことである。 通常の赤い血液と同じ数だけある黒い液体。 試しに封を開けて見ると油のような臭いがした。... -
”0(チャラ)”ンポランな未来
”0(チャラ)”ンポランな未来 ◆1yqnHVqBO6 ――理想はいらない。決して信じない。 天野雪輝はそう思う。 傍らに歩くウマゴンを強く意識しながら。 陽が上り、時刻は既に朝を過ぎ。 A-6はもう禁止エリアになっている。 あの時、遊園地にいた仮面の男と雛苺が どうなったのかはわからない。 仮面の男は名前を知らないから死んでいたのかもしれないが 雛苺はまず生きているだろう。 移動を始めた時は 未来日記が再会を予知するかと思ったがそれもない。 あれだけ大きな火があがったのだ。 他の参加者が集まりかねない 遊園地からはもう離れたのかもしれない。 ウマゴンを見捨てて。 雪輝達がとった進路は途中で敵に足止めされても 安心して対応することができるB-7 を経由してB-6にある橋へと至るもの。 一直線に東を通らなかったのは地図... - @wiki全体から「雪原の祝福」で調べる