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巴短編8 - (2008/05/29 (木) 21:19:14) の1つ前との変更点

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<p align="left">巴(剣の道に生きる乙女として…この技の修得欠かせない…)<br /><br /> 巴(心を落ち着かせて…集中…邪念を振り払い…澄んだ心で気を高め…)<br /><br /> 巴(目で見ようとしては駄目…奥の奥、研ぎ澄まされた心の目で真実を解き明かす…今!!)<br /><br /> ジ「ん…なんか視線を感じた気が…」<br /> 翠「気のせいじゃねーですか?」<br /><br /><br /> 巴「はあ…はあ…やっと桜田君のトランクスまで見えた…!これで…あと一枚!」</p> <hr /><p><br /><br /><br /> 巴が透視能力を覚醒させたようです。<br /><br /> 巴「いける…今の私なら。精神の水面に放たれた小石ですら、私の心には僅かなさざ波も立てる事はない…」<br /><br /> 巴「拘束制御術式第零号解放…状況A、クロムウェル発動による承認認識…眼前布の完全透視の間、能力使用完全解除開始…はぁっ!!」<br /><br /><br /> 梅「やあ桜田!今日もいい天気だね!」<br /> ジ「あ~先生…どうもです」<br /> 梅「むむ!?先生、何やら熱い視線を感じるよ!青春だなぁ!」<br /> ジ「きっと気のせいですよ」<br /><br /> 巴「~~~~~~~~~!!??%◎★$℃¥@△→※〒¢くぁwせdrfgyふじこlp;」<br /><br /><br /> ジ「なぁ雛苺。今日も巴は休みなのか?もう5日連続だぞ?」<br /> 雛「トモエはこころにいえることのない深い傷をおってしまったの」<br /> ジ「はぁ」<br /> 雛「まいばん乙女の涙で自分のまくらをぬらしてるのよ…」<br /> ジ「難儀だなぁ…」</p> <hr /><p align="left"><br /><br /> 肌にまとわりついてくる……なんとなく変な空気。<br /> 私は、ここに足を踏み入れたときから、それを感じていた。<br /> みんなの平然とした表情から察するに、気づいているのは、私だけらしい。<br /><br /><br />   ――高校の修学旅行のグループ行動で訪れた、古い都の、古ぼけた博物館。<br /><br /><br /> 「あれ? みんな……どこ?」<br /><br /><br />   ――狭い館内で、いつの間にか、独り。<br /><br /><br /> 手近なドアを開けると、そこはセピア色の木造家屋――研究室のような場所だった。<br /> 目の前の机には、こちらに背を向けて座っている、男性の姿。<br /> ここは、どこ? そう訊ねるより僅かに早く、男性は振り返って、優しく微笑んだ。<br /><br /> 「やあ、よく来てくれたね。君が、僕の新しい助手を務めてくれる子かい」<br /> 「えっ? さ……桜田くんっ?!」<br /><br /> その男性は、幼なじみの男の子と、よく似ていた。面差しとか、背格好とか。<br /> でも、いま目の前にいる男性のほうが、ずっと年かさだと思う。<br /> 多分……30前後くらいかな。無精ヒゲも濃いし、口振りも、どこか古めかしい。<br /><br /> 「おや……どうして、僕の名前を? 君とは、どこかで逢っていたかね」<br /> 「いえ、あの…………多分、初対面だと思いますけど」<br /> 「だよねえ。僕はこう見えても、考古学者だからね。記憶には自信があるのだよ」<br /><br /> 考古学者――言われてみれば、うらぶれた風貌も、それらしく見えてくる。 <br /><br /> 男性は、ゆっくりと私の前に歩いてきて、静かに右手を差し伸べてきた。<br /> 私も同じようにして、握手する。<br /> 彼の手は、女の子のものかと錯覚するほど、しっとりと潤っていた。<br /><br /> 「あらためて名乗ろう。僕の名前はだね」<br /> 言って、彼が据え付けの黒板に書いた字は……<br /><br /> 「桜田……た、たけのこ?!」<br /> 「筍だよ、ジュンって読むんだ。子供の頃は、チビ筍って苛められたものさ。<br />  どうやら、ウチは小柄な男ばかり生まれる家系らしくてねえ。<br />  両親は背が高くなるよう願って、この字を使ったんだろうけどさ」<br /><br /> はた迷惑な話だとは思わないかね?<br /> ……と、真顔で同意を求められても、なんと返せばいいのやら。<br /> 曖昧に笑ったら、バカにしたと思われそうだし……ここは無難に頷いておいた。<br /><br /> 「あの……私、柏葉巴です。普通の高校生で――字は、こうです」<br /> 「ふむふむ。いい名前だね。凛とした、もののふの魂を感じさせるよ」<br /> 「私、女の子なんですけど」<br /> 「いや、これは失敬。やれやれ……まいったな。<br />  どうにも口で失敗することが多くてね。僕自身、困っているのだよ」<br /> 「でしょうね」<br /><br /> なんと言うか……不器用な性格まで、桜田くんと似ているなんてね。<br /> この男性とは、初対面で、赤の他人だったハズなのに――<br /> いつの間にか、旧知の仲のように感じ、振る舞っている私がいた。<br /><br /> 「君のこと、巴くんと呼んでも構わないかね?」<br /> 「はい、どうぞ。私は、どう呼んだらいいんでしょうか?」 <br /><br /> なんとなく、彼の放つ独特の雰囲気に、私は呑み込まれていた。<br /> この場所に自分が立っていることを、なんの疑問にも思わないままに。<br /><br /> 「僕のことは、好きに呼んでくれていいよ。教授とでも、先生とでも」<br /> 「たけのこ――でも?」<br /> 「それだけは却下」<br /> 「ふふ……分かりました。それじゃあ、桜田くん……では?」<br /> 「少し馴れ馴れしすぎる気もするが――まあ、そう呼んでくれたまえ」<br /><br /> どうして、ほのぼの会話なんかしてるんだろう……私。<br /> こんなコト、してる場合じゃないのに。<br /> 博物館ではぐれた、みんなのトコに帰らなきゃいけないのに。<br /><br /> 「それじゃあ、巴くん! 早速で悪いが、老禅遺跡まで、発掘調査に行くぞ」<br /> 「え? ちょ……いきなりすぎませんか?」<br /> 「なにを言うんだ。諺にもあるだろう。『老禅は急げ』とね」<br /> 「知りません」<br /><br /><br />   ――そして始まる、摩訶不思議なアドベンチャー。<br /><br /><br /> 「桜田くんっ! ここに、斜光器土偶が」<br /> 「おお、でかしたぞ巴くん! これは、まさしく縄文時代の老禅姪殿だ」<br /> 「姪……って、女の子なんですか、これ?」<br /> 「そうだよ。この胸を見たまえ。ボイーンって盛り上がってるだろう」<br /> 「なんか……その言い方、やらしい」<br /> 「誤解だ! 決して、やましい気持ちなんてないぞ」<br /> 「本当かなぁ」 <br /><br /><br />   ――まったりと過ぎゆく日常。<br /><br /><br /> 「ねえ、桜田くん。書架から、江戸時代の春画が山ほど出てきたんだけど……」<br /> 「ちょわぁー! そそ、それはだね。そう! 考古学的資料なのだよ。<br />  当時の生活や風俗を知る、貴重な手懸かりだとは思わないかね?」<br /> 「でも……葛飾北斎の『喜能會之故眞通(きのえのこまつ)』って――」<br /> 「人間、たまには幻想も必要だよ。僕の持論だがね」<br /> 「つまり、桜田くんは触手陵辱系が好き、と」<br /> 「なんのコトかな?」<br /><br /><br />   ――覆される常識。<br /><br /><br /> 「あ……新聞が届けられてる。今日のニュースは――<br />  え? ウソ……なに、これ?」<br /><br /> 紙面の上端にある日付の年号は、明治。<br /><br /><br />   ――甦る記憶。<br /><br /><br /> 「そう言えば、桜田くんの両親も考古学者で、世界を飛び回ってると言ってたわ。<br />  じゃあ、もしかしたら、この時代の桜田くんは……彼のお祖父さん?」<br /><br /><br />   ――そして訪れるロマンス。 <br /><br /><br /> 「巴くん、すまない。君まで危険に巻き込んでしまって」<br /> 「そんな……桜田くん。気に病まないで」<br /> 「だが、僕のような朴念仁ならともかく、若い身空の君を――」<br /> 「私が望んだことだから。どんな結果でも、私は後悔しないわ」<br /> 「…………巴くん。君は、とても強い人だね」<br /><br /><br />   ――告げられる想い。<br /><br /><br /> 「もしも、2人……生きてここを出られたのならば……<br />  巴くん。僕と、一緒になってくれないだろうか」<br /> 「ええっ?! で、でも――」<br /><br /><br /> (そうしたら、私……桜田くんのお祖母ちゃんってコトに……。<br />  でも、ここで断って、今の桜田くんが死ぬ気になってもまずいわ。<br /><br />  ど、どうしよう。巴、困っちゃうぅ~)<br /><br /><br />   ――それぞれの決断が引き寄せる未来は、いかに。<br /><br /><br /><br /> ダイジェスト版『巴トリッパー(仮)』<br /><br /><br /> 本編は近いうちに。 <br /><br /><br /><br /><br />   な / ______<br /> ぁ 訳/        ̄ヽ<br /> ぁな /          \<br /> ぁ い レ/ ┴┴┴┴┴| \<br /> ぁ じ /   ノ   ヽ |  ヽ<br /> ぁ ゃ&gt; ―( 。)-( 。)-|  |<br /> んぁ &gt;   ⌒  ハ⌒ |  / <br /> !ぁ>  __ノ_( U )ヽ .|/<br />   ん  |ヽエエエェフ | |<br />   \  | ヽ ヽ  | | |<br />  √\  ヽ ヽエェェイ|/<br />     \  `ー― /ヽ</p>
<p align="left">巴(剣の道に生きる乙女として…この技の修得欠かせない…)<br /><br /> 巴(心を落ち着かせて…集中…邪念を振り払い…澄んだ心で気を高め…)<br /><br /> 巴(目で見ようとしては駄目…奥の奥、研ぎ澄まされた心の目で真実を解き明かす…今!!)<br /><br /> ジ「ん…なんか視線を感じた気が…」<br /> 翠「気のせいじゃねーですか?」<br /><br /><br /> 巴「はあ…はあ…やっと桜田君のトランクスまで見えた…!これで…あと一枚!」</p> <hr /><p><br /><br /><br /> 巴が透視能力を覚醒させたようです。<br /><br /> 巴「いける…今の私なら。精神の水面に放たれた小石ですら、私の心には僅かなさざ波も立てる事はない…」<br /><br /> 巴「拘束制御術式第零号解放…状況A、クロムウェル発動による承認認識…眼前布の完全透視の間、能力使用完全解除開始…はぁっ!!」<br /><br /><br /> 梅「やあ桜田!今日もいい天気だね!」<br /> ジ「あ~先生…どうもです」<br /> 梅「むむ!?先生、何やら熱い視線を感じるよ!青春だなぁ!」<br /> ジ「きっと気のせいですよ」<br /><br /> 巴「~~~~~~~~~!!??%◎★$℃¥@△→※〒¢くぁwせdrfgyふじこlp;」<br /><br /><br /> ジ「なぁ雛苺。今日も巴は休みなのか?もう5日連続だぞ?」<br /> 雛「トモエはこころにいえることのない深い傷をおってしまったの」<br /> ジ「はぁ」<br /> 雛「まいばん乙女の涙で自分のまくらをぬらしてるのよ…」<br /> ジ「難儀だなぁ…」</p> <hr /><p align="left"><br /><br /> 肌にまとわりついてくる……なんとなく変な空気。<br /> 私は、ここに足を踏み入れたときから、それを感じていた。<br /> みんなの平然とした表情から察するに、気づいているのは、私だけらしい。<br /><br /><br />   ――高校の修学旅行のグループ行動で訪れた、古い都の、古ぼけた博物館。<br /><br /><br /> 「あれ? みんな……どこ?」<br /><br /><br />   ――狭い館内で、いつの間にか、独り。<br /><br /><br /> 手近なドアを開けると、そこはセピア色の木造家屋――研究室のような場所だった。<br /> 目の前の机には、こちらに背を向けて座っている、男性の姿。<br /> ここは、どこ? そう訊ねるより僅かに早く、男性は振り返って、優しく微笑んだ。<br /><br /> 「やあ、よく来てくれたね。君が、僕の新しい助手を務めてくれる子かい」<br /> 「えっ? さ……桜田くんっ?!」<br /><br /> その男性は、幼なじみの男の子と、よく似ていた。面差しとか、背格好とか。<br /> でも、いま目の前にいる男性のほうが、ずっと年かさだと思う。<br /> 多分……30前後くらいかな。無精ヒゲも濃いし、口振りも、どこか古めかしい。<br /><br /> 「おや……どうして、僕の名前を? 君とは、どこかで逢っていたかね」<br /> 「いえ、あの…………多分、初対面だと思いますけど」<br /> 「だよねえ。僕はこう見えても、考古学者だからね。記憶には自信があるのだよ」<br /><br /> 考古学者――言われてみれば、うらぶれた風貌も、それらしく見えてくる。 <br /><br /> 男性は、ゆっくりと私の前に歩いてきて、静かに右手を差し伸べてきた。<br /> 私も同じようにして、握手する。<br /> 彼の手は、女の子のものかと錯覚するほど、しっとりと潤っていた。<br /><br /> 「あらためて名乗ろう。僕の名前はだね」<br /> 言って、彼が据え付けの黒板に書いた字は……<br /><br /> 「桜田……た、たけのこ?!」<br /> 「筍だよ、ジュンって読むんだ。子供の頃は、チビ筍って苛められたものさ。<br />  どうやら、ウチは小柄な男ばかり生まれる家系らしくてねえ。<br />  両親は背が高くなるよう願って、この字を使ったんだろうけどさ」<br /><br /> はた迷惑な話だとは思わないかね?<br /> ……と、真顔で同意を求められても、なんと返せばいいのやら。<br /> 曖昧に笑ったら、バカにしたと思われそうだし……ここは無難に頷いておいた。<br /><br /> 「あの……私、柏葉巴です。普通の高校生で――字は、こうです」<br /> 「ふむふむ。いい名前だね。凛とした、もののふの魂を感じさせるよ」<br /> 「私、女の子なんですけど」<br /> 「いや、これは失敬。やれやれ……まいったな。<br />  どうにも口で失敗することが多くてね。僕自身、困っているのだよ」<br /> 「でしょうね」<br /><br /> なんと言うか……不器用な性格まで、桜田くんと似ているなんてね。<br /> この男性とは、初対面で、赤の他人だったハズなのに――<br /> いつの間にか、旧知の仲のように感じ、振る舞っている私がいた。<br /><br /> 「君のこと、巴くんと呼んでも構わないかね?」<br /> 「はい、どうぞ。私は、どう呼んだらいいんでしょうか?」 <br /><br /> なんとなく、彼の放つ独特の雰囲気に、私は呑み込まれていた。<br /> この場所に自分が立っていることを、なんの疑問にも思わないままに。<br /><br /> 「僕のことは、好きに呼んでくれていいよ。教授とでも、先生とでも」<br /> 「たけのこ――でも?」<br /> 「それだけは却下」<br /> 「ふふ……分かりました。それじゃあ、桜田くん……では?」<br /> 「少し馴れ馴れしすぎる気もするが――まあ、そう呼んでくれたまえ」<br /><br /> どうして、ほのぼの会話なんかしてるんだろう……私。<br /> こんなコト、してる場合じゃないのに。<br /> 博物館ではぐれた、みんなのトコに帰らなきゃいけないのに。<br /><br /> 「それじゃあ、巴くん! 早速で悪いが、老禅遺跡まで、発掘調査に行くぞ」<br /> 「え? ちょ……いきなりすぎませんか?」<br /> 「なにを言うんだ。諺にもあるだろう。『老禅は急げ』とね」<br /> 「知りません」<br /><br /><br />   ――そして始まる、摩訶不思議なアドベンチャー。<br /><br /><br /> 「桜田くんっ! ここに、斜光器土偶が」<br /> 「おお、でかしたぞ巴くん! これは、まさしく縄文時代の老禅姪殿だ」<br /> 「姪……って、女の子なんですか、これ?」<br /> 「そうだよ。この胸を見たまえ。ボイーンって盛り上がってるだろう」<br /> 「なんか……その言い方、やらしい」<br /> 「誤解だ! 決して、やましい気持ちなんてないぞ」<br /> 「本当かなぁ」 <br /><br /><br />   ――まったりと過ぎゆく日常。<br /><br /><br /> 「ねえ、桜田くん。書架から、江戸時代の春画が山ほど出てきたんだけど……」<br /> 「ちょわぁー! そそ、それはだね。そう! 考古学的資料なのだよ。<br />  当時の生活や風俗を知る、貴重な手懸かりだとは思わないかね?」<br /> 「でも……葛飾北斎の『喜能會之故眞通(きのえのこまつ)』って――」<br /> 「人間、たまには幻想も必要だよ。僕の持論だがね」<br /> 「つまり、桜田くんは触手陵辱系が好き、と」<br /> 「なんのコトかな?」<br /><br /><br />   ――覆される常識。<br /><br /><br /> 「あ……新聞が届けられてる。今日のニュースは――<br />  え? ウソ……なに、これ?」<br /><br /> 紙面の上端にある日付の年号は、明治。<br /><br /><br />   ――甦る記憶。<br /><br /><br /> 「そう言えば、桜田くんの両親も考古学者で、世界を飛び回ってると言ってたわ。<br />  じゃあ、もしかしたら、この時代の桜田くんは……彼のお祖父さん?」<br /><br /><br />   ――そして訪れるロマンス。 <br /><br /><br /> 「巴くん、すまない。君まで危険に巻き込んでしまって」<br /> 「そんな……桜田くん。気に病まないで」<br /> 「だが、僕のような朴念仁ならともかく、若い身空の君を――」<br /> 「私が望んだことだから。どんな結果でも、私は後悔しないわ」<br /> 「…………巴くん。君は、とても強い人だね」<br /><br /><br />   ――告げられる想い。<br /><br /><br /> 「もしも、2人……生きてここを出られたのならば……<br />  巴くん。僕と、一緒になってくれないだろうか」<br /> 「ええっ?! で、でも――」<br /><br /><br /> (そうしたら、私……桜田くんのお祖母ちゃんってコトに……。<br />  でも、ここで断って、今の桜田くんが死ぬ気になってもまずいわ。<br /><br />  ど、どうしよう。巴、困っちゃうぅ~)<br /><br /><br />   ――それぞれの決断が引き寄せる未来は、いかに。<br /><br /><br /><br /> ダイジェスト版『巴トリッパー(仮)』<br /><br /><br /> 本編は近いうちに。 <br /><br /><br /><br /><br />   な / ______<br /> ぁ 訳/        ̄ヽ<br /> ぁな /          \<br /> ぁ い レ/ ┴┴┴┴┴| \<br /> ぁ じ /   ノ   ヽ |  ヽ<br /> ぁ ゃ&gt; ―( 。)-( 。)-|  |<br /> んぁ &gt;   ⌒  ハ⌒ |  / <br /> !ぁ>  __ノ_( U )ヽ .|/<br />   ん  |ヽエエエェフ | |<br />   \  | ヽ ヽ  | | |<br />  √\  ヽ ヽエェェイ|/<br />     \  `ー― /ヽ</p> <p align="left"><br /><br /></p> <hr /><br /><br /> 「おはよう、柏葉」<br /> 「おはよう、桜田くん」<br /> 今日も私は彼と挨拶を交わす。<br /> 朝、高校へ登校する時のいつもの言葉といつもの風景。<br /><br /> でも、数か月前からその風景が変わった。<br /> 彼の隣に寄り添う少女が現れたのだ。<br /> 彼女の名前は真紅。碧い瞳と金色の髪をもつ、気高く美しい少女。<br /><br /> 「おはよう、巴」<br /> 「おはよう、真紅」<br /> 彼の恋人の真紅と挨拶を交わす。<br /><br /> 少し先を歩く二人の背中を見ながら、私は思う。<br /> ――本当は私も桜田くんの隣を歩きたいの…。<br /> でも、彼女の友達である私にはそんなことは言えない。<br /> ――ずっと前から好きでした…。<br /> 彼の友達でもある私は、そんなことは絶対に言えない。<br /><br /><br /> 友達から恋人へと変わった桜田くんと真紅。<br /> 今もずっと友達のままで変わらない桜田くんと私。<br /> そして、変われないこの想い…。<br /><br /> ――ねぇ、桜田くん、私も貴方が好きなんだよ。<br /> 言葉にはできないけど、貴方が鼓動を揺らすから、<br /> 私は今日も胸の中でそっと伝えるの。<br /><br /> ――私なら、此処です。少しだけでいいから、振り向いて…。<br /><br /><br /> 【私なら】【此処です】

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