巴(剣の道に生きる乙女として…この技の修得欠かせない…)
巴(心を落ち着かせて…集中…邪念を振り払い…澄んだ心で気を高め…)
巴(目で見ようとしては駄目…奥の奥、研ぎ澄まされた心の目で真実を解き明かす…今!!)
ジ「ん…なんか視線を感じた気が…」
翠「気のせいじゃねーですか?」
巴「はあ…はあ…やっと桜田君のトランクスまで見えた…!これで…あと一枚!」
巴が透視能力を覚醒させたようです。
巴「いける…今の私なら。精神の水面に放たれた小石ですら、私の心には僅かなさざ波も立てる事はない…」
巴「拘束制御術式第零号解放…状況A、クロムウェル発動による承認認識…眼前布の完全透視の間、能力使用完全解除開始…はぁっ!!」
梅「やあ桜田!今日もいい天気だね!」
ジ「あ~先生…どうもです」
梅「むむ!?先生、何やら熱い視線を感じるよ!青春だなぁ!」
ジ「きっと気のせいですよ」
巴「~~~~~~~~~!!??%◎★$℃¥@△→※〒¢くぁwせdrfgyふじこlp;」
ジ「なぁ雛苺。今日も巴は休みなのか?もう5日連続だぞ?」
雛「トモエはこころにいえることのない深い傷をおってしまったの」
ジ「はぁ」
雛「まいばん乙女の涙で自分のまくらをぬらしてるのよ…」
ジ「難儀だなぁ…」
肌にまとわりついてくる……なんとなく変な空気。
私は、ここに足を踏み入れたときから、それを感じていた。
みんなの平然とした表情から察するに、気づいているのは、私だけらしい。
――高校の修学旅行のグループ行動で訪れた、古い都の、古ぼけた博物館。
「あれ? みんな……どこ?」
――狭い館内で、いつの間にか、独り。
手近なドアを開けると、そこはセピア色の木造家屋――研究室のような場所だった。
目の前の机には、こちらに背を向けて座っている、男性の姿。
ここは、どこ? そう訊ねるより僅かに早く、男性は振り返って、優しく微笑んだ。
「やあ、よく来てくれたね。君が、僕の新しい助手を務めてくれる子かい」
「えっ? さ……桜田くんっ?!」
その男性は、幼なじみの男の子と、よく似ていた。面差しとか、背格好とか。
でも、いま目の前にいる男性のほうが、ずっと年かさだと思う。
多分……30前後くらいかな。無精ヒゲも濃いし、口振りも、どこか古めかしい。
「おや……どうして、僕の名前を? 君とは、どこかで逢っていたかね」
「いえ、あの…………多分、初対面だと思いますけど」
「だよねえ。僕はこう見えても、考古学者だからね。記憶には自信があるのだよ」
考古学者――言われてみれば、うらぶれた風貌も、それらしく見えてくる。
男性は、ゆっくりと私の前に歩いてきて、静かに右手を差し伸べてきた。
私も同じようにして、握手する。
彼の手は、女の子のものかと錯覚するほど、しっとりと潤っていた。
「あらためて名乗ろう。僕の名前はだね」
言って、彼が据え付けの黒板に書いた字は……
「桜田……た、たけのこ?!」
「筍だよ、ジュンって読むんだ。子供の頃は、チビ筍って苛められたものさ。
どうやら、ウチは小柄な男ばかり生まれる家系らしくてねえ。
両親は背が高くなるよう願って、この字を使ったんだろうけどさ」
はた迷惑な話だとは思わないかね?
……と、真顔で同意を求められても、なんと返せばいいのやら。
曖昧に笑ったら、バカにしたと思われそうだし……ここは無難に頷いておいた。
「あの……私、柏葉巴です。普通の高校生で――字は、こうです」
「ふむふむ。いい名前だね。凛とした、もののふの魂を感じさせるよ」
「私、女の子なんですけど」
「いや、これは失敬。やれやれ……まいったな。
どうにも口で失敗することが多くてね。僕自身、困っているのだよ」
「でしょうね」
なんと言うか……不器用な性格まで、桜田くんと似ているなんてね。
この男性とは、初対面で、赤の他人だったハズなのに――
いつの間にか、旧知の仲のように感じ、振る舞っている私がいた。
「君のこと、巴くんと呼んでも構わないかね?」
「はい、どうぞ。私は、どう呼んだらいいんでしょうか?」
なんとなく、彼の放つ独特の雰囲気に、私は呑み込まれていた。
この場所に自分が立っていることを、なんの疑問にも思わないままに。
「僕のことは、好きに呼んでくれていいよ。教授とでも、先生とでも」
「たけのこ――でも?」
「それだけは却下」
「ふふ……分かりました。それじゃあ、桜田くん……では?」
「少し馴れ馴れしすぎる気もするが――まあ、そう呼んでくれたまえ」
どうして、ほのぼの会話なんかしてるんだろう……私。
こんなコト、してる場合じゃないのに。
博物館ではぐれた、みんなのトコに帰らなきゃいけないのに。
「それじゃあ、巴くん! 早速で悪いが、老禅遺跡まで、発掘調査に行くぞ」
「え? ちょ……いきなりすぎませんか?」
「なにを言うんだ。諺にもあるだろう。『老禅は急げ』とね」
「知りません」
――そして始まる、摩訶不思議なアドベンチャー。
「桜田くんっ! ここに、斜光器土偶が」
「おお、でかしたぞ巴くん! これは、まさしく縄文時代の老禅姪殿だ」
「姪……って、女の子なんですか、これ?」
「そうだよ。この胸を見たまえ。ボイーンって盛り上がってるだろう」
「なんか……その言い方、やらしい」
「誤解だ! 決して、やましい気持ちなんてないぞ」
「本当かなぁ」
――まったりと過ぎゆく日常。
「ねえ、桜田くん。書架から、江戸時代の春画が山ほど出てきたんだけど……」
「ちょわぁー! そそ、それはだね。そう! 考古学的資料なのだよ。
当時の生活や風俗を知る、貴重な手懸かりだとは思わないかね?」
「でも……葛飾北斎の『喜能會之故眞通(きのえのこまつ)』って――」
「人間、たまには幻想も必要だよ。僕の持論だがね」
「つまり、桜田くんは触手陵辱系が好き、と」
「なんのコトかな?」
――覆される常識。
「あ……新聞が届けられてる。今日のニュースは――
え? ウソ……なに、これ?」
紙面の上端にある日付の年号は、明治。
――甦る記憶。
「そう言えば、桜田くんの両親も考古学者で、世界を飛び回ってると言ってたわ。
じゃあ、もしかしたら、この時代の桜田くんは……彼のお祖父さん?」
――そして訪れるロマンス。
「巴くん、すまない。君まで危険に巻き込んでしまって」
「そんな……桜田くん。気に病まないで」
「だが、僕のような朴念仁ならともかく、若い身空の君を――」
「私が望んだことだから。どんな結果でも、私は後悔しないわ」
「…………巴くん。君は、とても強い人だね」
――告げられる想い。
「もしも、2人……生きてここを出られたのならば……
巴くん。僕と、一緒になってくれないだろうか」
「ええっ?! で、でも――」
(そうしたら、私……桜田くんのお祖母ちゃんってコトに……。
でも、ここで断って、今の桜田くんが死ぬ気になってもまずいわ。
ど、どうしよう。巴、困っちゃうぅ~)
――それぞれの決断が引き寄せる未来は、いかに。
ダイジェスト版『巴トリッパー(仮)』
本編は近いうちに。
な / ______
ぁ 訳/  ̄ヽ
ぁな / \
ぁ い レ/ ┴┴┴┴┴| \
ぁ じ / ノ ヽ | ヽ
ぁ ゃ> ―( 。)-( 。)-| |
んぁ > ⌒ ハ⌒ | /
!ぁ> __ノ_( U )ヽ .|/
ん |ヽエエエェフ | |
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√\ ヽ ヽエェェイ|/
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「おはよう、柏葉」
「おはよう、桜田くん」
今日も私は彼と挨拶を交わす。
朝、高校へ登校する時のいつもの言葉といつもの風景。
でも、数か月前からその風景が変わった。
彼の隣に寄り添う少女が現れたのだ。
彼女の名前は真紅。碧い瞳と金色の髪をもつ、気高く美しい少女。
「おはよう、巴」
「おはよう、真紅」
彼の恋人の真紅と挨拶を交わす。
少し先を歩く二人の背中を見ながら、私は思う。
――本当は私も桜田くんの隣を歩きたいの…。
でも、彼女の友達である私にはそんなことは言えない。
――ずっと前から好きでした…。
彼の友達でもある私は、そんなことは絶対に言えない。
友達から恋人へと変わった桜田くんと真紅。
今もずっと友達のままで変わらない桜田くんと私。
そして、変われないこの想い…。
――ねぇ、桜田くん、私も貴方が好きなんだよ。
言葉にはできないけど、貴方が鼓動を揺らすから、
私は今日も胸の中でそっと伝えるの。
――私なら、此処です。少しだけでいいから、振り向いて…。
【私なら】【此処です】
「桜田くん、一緒に帰ってもいいかな?」
月曜日、JUNは学校の帰り道で巴に出逢った。
「桜田くん、お買い物?」
火曜日、JUNは自宅近くのスーパーで巴と出逢った。
「桜田くんもそういう雑誌を読むのね…」
水曜日、JUNは本屋で巴と出逢った。
「桜田くんも苺大福を買いに来たの?」
木曜日、JUNは不死屋で巴と出逢った。
「桜田くん、勉強熱心なのね」
金曜日、JUNは図書館で巴と出逢った。
「桜田くん、今日は真紅と一緒なのね……」
土曜日、JUNは映画館で巴と出逢った。
「おはよう、桜田くん」
日曜日、JUNが目を覚ますと何故かそこには巴がいた。
「柏葉…。お前、なんでこんな所にいるんだ?」
JUNの問いかけに巴は意味ありげな微笑みを浮かべた――。
「クスッ。知りたいの?」
紅「巴、恐ろしい子!」