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蒼星石短編34 - (2008/02/06 (水) 03:28:55) の編集履歴(バックアップ)
蒼「まだ寝ないの?」
蒼「あのー、僕怖い夢を見ちゃって眠れなくなっちゃって…」
蒼「保守が済んだら今夜は…一緒に…寝て貰えない?」
蒼「駄目かな?」
蒼「ホント?」
蒼「…ありがとう、優しいから大好きだよ」
蒼「あったかい…おやすみなさい」
☆
※Wild Bunch!の挿絵です
あいつは時々一人で突っ走って、空回りしてしまうことがある。その度にそのフォローに蒼星石が駆り出されているのを僕は知っている。双子と言えど、さすがに嫌気がさしてきたのだろうか。
「君は翠星石の事をどう思っているんだい?」
「翠星石をどう思っているか?」
そんな事は特に考えたことはない。会えばいつも罵倒の嵐だし、気にしている身長の事を何かしら言ってくる。でも、時々妙に優しかったりするんだよな……。うん、よくわからん奴だ。
「そうだな……。よくわからない奴だけど、悪い奴じゃないと思う。」
僕がそう言うと、蒼星石は何故か苦笑いを浮かべた。小声でやっぱりジュン君らしいやとか言ってるが、丸聞こえだぞ。何が僕らしいんだよ。
「そうなんだ。じゃあ翠星石が君をどう思ってるかは知ってる?」
「んー。僕と同じような感じなんじゃないか?」
人の考えてる事なんてさっぱりわからない。わかる奴ってのはよっぽど人生経験があるのか、奇特な人なのかのどちらかだろう。
蒼星石は苦笑いからふっと柔らかい笑顔になった。その差異にドキッとしてしまう。蒼星石はよく男っぽいとか言われるが、全然美人の部類なのだ。
「そっか。ジュン君がそう思ってるなら、僕がどう動いても大丈夫だよね。」
何かよくわからないが、そう思うならそうするべきなのだろう。それに蒼星石は翠星石の事にかまけてばかりで、自分の事を見ていないのだ。たまには自分が思うように動くべきなんだよ。
「そうだよね。たまには……」
今まで蒼星石とは対面しながら、石段に腰掛けていた。その腰をゆっくりと持ち上げ、ついた砂を払いながら蒼星石が立ち上がる。
これで話が終わりだと思った。僕はもう少しここに残るつもりだ。意外と居心地の良いこの場所に。
「ジュン君」
気がつけば目の前には蒼星石の細いけど、程良く引き締まった足があった。そのまま上へと目線をやる。蒼星石は僕を見つめている。
「僕はね、たぶん姉さんよりも前からずっと君がね」
僕の両頬に包み込むように手が添えられる。そこから体温が流れ込んでくるようだ。蒼星石の手は、熱があるのかと思うくらいに温かい。
「君のことが好きだったんだ」
徐々に蒼星石の整った顔が大きくなっていく。いや、近づいてきているんだ。もうお互い顔に吐息がかかる距離だ。いつになったらその手で頬を引っ張って「冗談だよ」っていつもみたいにはにかんでくれるんだ?
しかし、僕の考えとは裏腹に蒼星石は止まらない。
──後、数ミリ
反射的に目を閉じた。と、同時に唇に柔らかい感触。とても甘美なそれに心まで溶かされそうだ。僕の唇に重なるものが、蒼星石のそれと判断するのにさして時間はかからなかった。
「ん……」
どちらのものとは言えない吐息が漏れる。それとほぼ同じくして唇が離された。いきなりの事に対応できず、早く解放してほしかったはずなのに、何故か名残惜しい。
「甘いね」
そう言って自らの唇を舐める蒼星石の姿はとても艶めかしい。そんな艶美な彼女の姿を、僕はただただ座って見ていることしか出来なかった。
【夢みる】【時間】
JUN「え~夢みる時間と掛けまして」
JUN「蒼星石と解きます」
乙女S「そのこころは」
JUN「せいざが似合います」
その後JUNは如雨露で殴られ翌日意識不明で発見された。
蒼「僕って婆臭い?(グスン)」