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特別選抜日本海軍将校篭絡特殊部隊:薔薇部隊」(2006/05/02 (火) 19:22:59) の最新版変更点

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<br> 時は第二次世界大戦前夜、彼の悪名高い日独伊三国同盟締結前。<br> 当時、日本海軍は其の誕生が英国海軍を手本にした事もあり、親英的な派閥が大多数を占めていた。<br> この状況を鑑み、英国と敵対関係に会ったドイツは、敵戦力の分断の為、<br> ある極秘作戦を発動する事を決定する。<br> これが、半世紀の時を経て、今尚其の忌み名を轟かす、<br> 『日本海軍メイドさん事件』の幕開けであった!!!<br> 作戦の発動とともに、ドイツ滞在中の若い日本海軍将校たちには、それぞれ小奇麗な屋敷与えられ、<br> それぞれの屋敷には、現地妻とも言うべき可憐なメイド少女達が割り当てられていった。<br> 若い海軍将校達はその手練手管に身も心も骨抜きにされ、次々と親ドイツ派へとニャンゴロしていく!<br> ところが其の中でただ一人、度重なる誘惑攻撃にも惑わされず、黙々と我が道を行く若き海軍将校がいた。<br> 彼こそが、我等が期待のエース櫻田淳(秋山淳ではない)海軍中尉である!!<br> それが彼生来の鈍ちゃんに因るものか、はたまた其の鋭利な頭脳に起因するものか、<br> それともただのインポだったのかは分からない。<br> だが、事態を重く見たドイツ当局は、彼に対抗する為、特別の部隊を持って応じる事を決定した。<br> 我々の目からすれば『えー、そんなん一人くらいいいじゃん』と思うかも知れないが、<br> 侮る勿れ。蟻の穴から堤防だって決壊するのである。<br> 油断大敵毛がボウボウ、彼等は変な所で完璧主義者なのだ。<br> たちまちナチの大物ローゼンベルクの号令一下、全ドイツから見目麗しく<br> また、彼の性癖がどのようなモノであっても対抗できるように、様々な性格の乙女たちが<br> あつめられ、一ヶ月の訓練を経た後、其の中から最も適任と思われる七名が選び出された!<br> 彼女達が、『特別選抜日本海軍将校篭絡特殊部隊:薔薇部隊』通称、『ローゼンメイデン』であった!!!<br> (本来は八名だったのだが、ローゼンベルクの「デコはいらんのだよ、デコは。」の一言で一人弾かれた。<br>  『かしらーーーーーーー!』<br>  ローゼン閣下はデコがお嫌いであらせられるのだ!)<br> <br> <br> <br> <dl> <dd> 政治的な思惑に翻弄されながらも、それぞれの思いを胸に任務に就く薔薇乙女達。<br> 一方、彼の故国では、幼い頃交わした約束を信じ、健気に帰りを待つ幼馴染みの姿があった。<br> 揺れる櫻田中尉の胸中。<br> 運命の糸が絡み合う中で、彼等はそこに、何を見るのか。<br> 美しくも悲しい乙女達の戦いが、今、始まる。<br> <br> <br> <br> <br> <br></dd> <dd><br> それから暫く、月日は流れて……<br> <br> 其の日、私は朝からうかれていた。<br> 御飯を食べていてもソワソワしてしまっておちつかないし、<br> 両親もそんな私に苦笑ぎみだ。<br> (はしたないぞ。)と自分に言い聞かせてもみるが、正直仕方ないとおもう。<br> だって、今日はひさしぶりに兄が帰ってくるのだから。<br> <br> 『ダイジ ナ ハナシ アリ  アス カエル』<br> <br> 兄からそんな電報が来たのは昨日のことだった。<br> 兄はこの櫻田家の長男である。櫻田家は900年の歴史をもち、この辺りでは一番の旧家だ。<br> 維新で多少おとろえたとは言え、まだそれなりの格式を保ち、当然躾もきびしい。<br> 私もずいぶんきびしく育てられたものだ。<br> その次期当主たる兄は、陸軍士官学校を首席で卒業、24歳の若さにして中尉となり、<br> 帝国の派遣部隊の一員として欧州列強の中で一、二の実力を争う独逸に派遣されている。<br> 今まではいそがしかったのだが、なぜか急に上官の許可が下りて帰ってこられる事になったらしい。<br> 「ただいま。」<br> なつかしい声が耳を打った。<br> うれしさの余り飛び上がり、誰よりも先に駆けつける。<br> 幾分日焼けした兄がそこに立っていた。<br> <br> <br> <br></dd> <dd>「お!雪華綺晶じゃないか。」<br> <br> (兄さま!!)<br> <br> 破顔する兄に飛びつこうとした私は、そこではたと足を止めた。<br> 兄の後ろに誰か立っている。<br> 「あ、あの……。初めまして。」<br> おずおずと進み出た人影はそう言ってペコンと頭を下げた。<br> 透き通るように白い肌と艶やかな銀髪、そして紅い瞳。<br> 黒い衣を纏い、絵の名から抜け出して来たように幻想的な雰囲気を携えた少女が、そこに立っていた。<br> ――――――――――――――――――――――――――――――<br> <br> 『……!』<br> 『……から……。』<br> ふすまを隔てた隣りの部屋で兄と父、そして先ほどの来客が何やら話している。<br> よく聞こえないので、すぐそばまで行って聞き耳を立ててみるとしよう。<br> 「ですから父上、彼女の事は……」<br> 「嫁入り前の娘を引きつれて歩きまわるなど言語道断!そんな事で次期当主が務まると思うか!」<br> 「ならば雪華綺晶に婿をむかえて後を継がせればよいでしょう?」<br> 「バカ者!ふざけるな!そんな事ができるか!」<br> 父が怒鳴っている。<br> <br> <br> <br></dd> <dd> そう、『そんな事はできない』。私は養女で、この家の血を引いていないのだ。<br> この家にひろわれる前の事はよく覚えていない。<br> この家の子供は兄だけで、私が養女として育てられたのは……<br> つまり、まあ、そういうコトなのだ。<br> <br> 「本人にも聞いてみたらどうでしょう?……なあ、雪華綺晶?」<br> 突然ふすまが開き、顔をのぞかせた兄が、こちらを見てニヤリと笑った。<br> <br> ……うぅ…。私の行動パターンはお見通しですか、兄上。<br> <br> 盗み聞きがバレたきまり悪さをごまかすために、プイと立ち上がり兄の膝の上にすわる。<br> そしてあらためて隣りに座っている不埓なる闖入者を見上げた。<br> 兄はこのヒトのどこがよいのだろう?<br> 兄は優秀な人間ではあるが、まるきりの鈍ちゃんである。<br> 私の魅力にも気づかない位だ。<br> 同じフトンにもぐりこんでも反応ゼロだし、甘えて寄りかかってもウンともスンとも言わない。<br> それなのに。<br> この女、どうやって兄をたぶらかしたのか知ら?<br> もしかしたら、何かあやしげな薬でも使ったのかもしれない。<br> <br> ――おのれ、私をさしおいて小娘め、絶っっっ体に許さんぞ!!!<br> 歯ぎしりしながらにらみつけると、<br> 私の頭をなでようとした敵はあわてて手を引っこめた。<br> <br> <br> <br> <br> ――――――――――――――――――――――――――――――<br> 「はあ……。親父殿もあんなに怒らんでもいいじゃないか……。」<br> 数時間後。<br> こってりしぼれれた青年中尉は縁側で涼みながらグチっていた。<br> そして膝の上に丸くなったネコに話しかける。<br> 「なあ、雪華綺晶。」<br> 「ニャ~~~。」<br> そう、彼女の名前は『雪華綺晶』。<br> 彼女はネコである。<br> <br></dd> </dl>

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