アットウィキロゴ

シ「本当に何者だ!?お前は!?」
J「言うなら死の曖昧が濃い者、死なんて気合である程度何とかなる。」


そう言うと、フンと鼻を鳴らしてジュンは椅子に座る。
如何見ても、刺客と戦う態度では無いジュンに。
シュルクは刺客としての、プライドを傷付けられたのか、憤怒を湛えていきり立っている。
するとジュンは、今にも襲い掛かりそうなシュルクに、笑いながら言った。


J「それ程人間の生き死になんて、曖昧なものは無い。」
シ「可笑しいぞ!?何で生きてる!?腹を裂いて!頭を潰して!」
シ「其れでもお前は、死なないって言うのか!?」
J「其れは違うよ、殺しの詰めがただただ、非常に甘かっただけの事。」
J「俺だって、細胞が一つたりとも残らなければ死ぬさ。」
シ「こやつ・・・やってくれる!」


そう言うと、戦闘の幕は斬って落とされた。
先ずはシュルクが能力なのか、体の変形を促す・・・
すでにジュンの死者当然だったはずの、ジュンの体は既にほぼ全快している。
傷らしい所は、服以外は何処にも無い。


シ「グルルルルル、ゴガァ!」


二足歩行から四足歩行、体毛を全身から生やし、爪を尖らす。
体を変形させ、作り上げたのは狼の体。
其の姿は、毛を逆立たせ眼を血走らさせて、牙を剥き。
普通の人間ならば、見ただけで腰を抜かすほどなのだが。
しかしジュンは、哀れの篭った眼をしている。
まるで死に急ぐ人間を、哀れむかのように。


シ「さぁ、とっとと殺ろうか・・・」
J「・・・出来れば、投降して洗いざらい喋ってもらいたいんだが・・・」
シ「其れは出来ない・・・俺の生き死にだって掛かってるんでね。」
J「そうか・・・残念だが、お遊びは此処までだ。」


途端にジュンの表情が暗くなり、ジュンの心臓が爆音を立て始める。
交渉は無理だと思ったのか、ジュンが手を振りかざす。
手に填められた、意思により変形するリングは、手の甲に集まる。
両手の鉄は、液のようになり、両手の甲に集まった。
液体の鉄は、一瞬球体になったかと思うと。
無数の剣となって、打ち出された。
瞬間的に無数のあらゆる針が、シュルクに突き刺さらんと、襲い掛かる。
シュルクの右腕、左太股を針が抉る。
しかし、シュルクも横に飛んで、致命傷を避けた。
喋る間も無きこの戦闘、シュルクが体の傷部分を、液に変えて傷を塞ぎ始めつつ。
シュルクは狼の腕で、横薙ぎにジュンを切りつけた。
しかしジュンは其れを見切ると、鉄を大鎌に変えて攻撃を防いだ。
ジュンも大鎌で、シュルクを裂かんばかりに、三方向から大鎌の銀光を浴びせた。
シュルクはその銀光を、ギリギリで避けるが、剣圧で皮膚の表面が切れる。
しかし罵声を浴びせる暇も無く、足で地面を弾き間合いを取り。
神速のスピードで、ジュンを切り裂こうとする。
ジュンは其れを避ける事無く、大鎌で勝負を挑んだ。
其れが、ジュンなりの礼儀なのだろうが、普通なら勝てるわけが無い。
しかしジュンには、最新の改造技術が施されている。
ぶつかる瞬間、何かが発射される音がする。
シュルクの口から、赤い液体が発射される。
如何やら液体は血で、ジュン目に当って視界が塞がれたようだ。
シュルクは舌を噛み、血で目潰しを謀ったようだ。


J「チッ!」


シュルクはジュンの体を数度刻むと、飛んできたジュンの鎌を避ける為、間を開けた。
するとジュンは、耳を辺りに向ける。
如何やら聴覚で、相手を捕らえるようだ。
シュルクは其れに気が付くが、行動が数秒遅れた。


J(右前2歩、其のまま前4歩!)


視界が開く前に、銀光を迸らせる。
銀光がシュルクを捕らえる、肉と骨が引き千切られる音がする、如何やら当たったようだ。
視界が開けて来ると其処には、肩から胸まで裂けたシュルクが居た。
シュルクは信じられない、と言わんばかりに目を見開き。
肺を傷つけたのか、血を吐いた。
ジュンの傷は既に、全快していた。


シ「ケフッ!クハッ!ゼェ・・・ゼェ・・・何だ・・・そりゃ!?」
J「冥土の土産に教えておこうか・・・殺戮兵器・・・」


まだ名前を付けていなかったのを思い出すと、瞬時的に名をつけた。


J「・・・ラグナロクだ。」
シ「聞いた事も無い、見たことも無いぞ?」
J「そりゃそうだろうな・・・やっぱり降参は出来ないのか?」
シ「俺が喋ったことは奴等に筒抜け、俺は体に仕掛けられた特殊な機械で、細胞を死滅させられて溶かされ、液となり蒸発する。」
シ「・・・最後に言っておこう、俺は手先の手先ぐらいの存在だ、それでもお前はやるのか?」
J「確かに相手は強大で、絶対に勝てないかもしれない、もしかしたら死ぬかもしれない。」
J「それでもな、でもやらなければ可能性はゼロなんだ、そして皆死んでしまう。」
シ「・・・そうか、最後の情報・・・。」


此処で体が徐々に、溶け始めていた。
既に足は分解しかけている。


シ「死都・・・狂・・・都・・・」
J「・・・京都?・・・何故・・・」


其の瞬間、シュルクの体は液体となり、一瞬で霧となって霧散した。
まるで、名残惜しそうに煙が少し残っていたが、其れもあっと言う間に消滅した。


J「・・・一体何人死ねば、之は終わるのか・・・」
J「一体誰が・・・何が・・・」


ふと部屋を見る、部屋は剣や謎の液で大分汚れていた。
そして一息つくと、汚れえた部屋を掃除し始めた。
そして、全身についた血を落とすため。
服ごと風呂に入った。


J「・・・まるで、死神だな。」


とある所の地下、其処にそれらは居た。
一人の男と人と形容するには、余りに重々しい雰囲気を纏ったそれが居た。
するとそれは、男に話しかける。


???「・・・失敗したようだな。」
部下「アレは捨て駒です、相手の実力を見たいですから。」
???「そうか・・・そうだ、アレはどうだ?良い素体だろ?アレ。」
部下「ええ、アレは良いんですが、何分凶暴性が無いもので・・・」
???「アレを使うのは、もう少し後か・・・まぁいい、時間はまだまだある。」
???「下がれ。」
部下「仰せのままに、我主。」
主「・・・私の体・・・もう一つの私か・・・」
主「・・・・・・」
主「・・・次は何時会えるのか・・・」


そう言うと、其処から主が消失した。
其処から少し離れた、所でさっきの部下が居た。


部下「・・・主・・・」
部下「親愛なる、主よ・・・」
部下「もっと、楽しさを・・・」
部下「もっと、私を楽しませて下さい・・・」
部下「偉大な・・・」
部下「強大な・・・主よ・・・」
部下「もっと、変化を・・・」
部下「もっと・・・」


そう言うと部下も、其処から姿を消した。


昨日の出来事から、10時間後。
ジュンたちは、ロビーに集合していた。
10時間の間に、中に侵入していた異常を調べ上げ。
見つかったスパイを、地下の最下層の尋問室送りにしていた。
そうする事、数時間後。
ジュンたちは起きて着て、集まった情報を頼りに、首都京都に行く事にした。
既に皆の用意は出来ており、食事も全部終わって、ロビーに集合している。


J「・・・(コキッコキッ・・・)」


無言を打ち消すように、ジュンが骨を鳴らし静寂をかき消すと。
ロビーから一行は出発し、バスに乗り込んだ。


J「・・・さて・・・皆、命を此処に捨てていってもらう、之は恐らく俺等にしか出来ない事だ。」
J「嫌とは言わせない・・・いや、はいと言わざるを得ない。」


無言でジュンの話を聞く皆、笹塚やアーカード、スネークは。
今日から、本拠地の防衛施設を守る事にしている。
移動は基本的に車の予定だが、破壊された時は歩きと言う事になる。


J「・・・良いな?それでは之から、バスに乗る。」


そう言うと、皆はバスに乗り込んだ。
先ずは此処から近い、大阪支部まで行く事になっている。
其処から次にシュルクの言っていた、京都まで行くことになっている。
先ほど、罠かもしれないと考えたが、行かなくては何も分からない事を思い出すと。
このハイリスクハイリターンな賭けに、出るしかなくなった。
車の運転はジュンがする、国の特別車なので、検問に捕まる事は先ず無い。
それ以前に、検問が生きてることさえ怪しい所だ。
出発準備は出来ているが、皆表情が暗い。
しかし、皆が大丈夫なのか分からない今、暗くなるのも分かる。


J「・・・出発・・・」


それだけ言うと、車を出発させた。
静寂を車のエンジン音が、揉み消した。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2006年06月26日 02:24