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【薔薇水晶とジュン】卒業

「世界はひとつ?」
「さあ――知らない世界があるのかも。たとえば、薔薇水晶たちが女子高生でなく、人形な世界とか」
「じゃあ、何が幸せ?」
「さあ――何が幸せなのかなんて、わからない」
「…………」
「そんな顔しないでよ……そうだな、そう。幸せなこと? それはたとえば、わくわくすること。誰かに褒められること。絆が出来ること」
「うん、幸せなこと」
「……多分、きっと、笑顔で居れること」
「ねえ、ジュン」
「うん?」
「私は、思う。幸せだった日々。皆で笑い会うことが出来た日々。それは、確かにあったものだから。」

「だから、卒業しても忘れない。今がどんなに悲しくても、きっと思い出せる。嘘じゃないんだから」
「……ああ、それでいいんじゃないか?」
「じゃあ、一緒に居てくれる? これからも、ずっと。私、きっと弱いから、泣いてしまう」
「いいよ。……ようはそういうことなんだろ? 終わりは始まり。始まりはだけど、前の物語とは違う、だけどきっとどこか同じ物語」
「ジュン、くさい」
「うるせー。あーあ。おしまいかぁ」
「あー、おしまいって言ったー」
「……ああ、そうか」
「そうだよ」

それは、きっと、悲しいことじゃなくて。

「じゃあ、行こう」
「ん」
ただただ、目を閉じて、思い出す。
「新しい、物語に」
「幸せな、物語に」
幸せな日々。








【薔薇水晶とジュン】
「そういうわけで、ジュンがおかしいの」
「え?」
 金糸雀の間抜けな顔、と言ったら悪いけど、そんな顔。……せっかく金糸雀に相談しに来たのに。
「……えっと、薔薇水晶? どうしたのかしら?」
「だから、ジュンがおかしいの」
「私、もしかして惚気られてるのかしら……」
 すごい疲れたように金糸雀が言う。ひどいなぁ。これでも真剣に相談しに来たのに。
「だって、金糸雀探偵でしょう?」
「探偵になった覚えはないのかしら……策士かしらー」
「似たようなものだよね。いっつも尾行とかしているし」
「……なんというか、ダメなのかしら。薔薇水晶のマイペースぶりに流石の私もついていけないのかしらー……」
「だから、ジュンが――」
「ああ、はいはい。わかったかしら。話を聞くから、話してほしいのかしら」
「ジュンが、おかしいの」
「……もしかして、私、からかわれてるのかしら?」
 そんな会話が、十分くらい続いた。
「……えっと、つまり、」
 薔薇水晶から聞いた話を頭の中で整理する。
「何か、すれ違いが多いような気がするの」
「あの、薔薇水晶、ひとつだけいいかしら?」
「なぁに?」
「そういうのって、大抵ただの杞憂で、プレゼント探しとかバイトとか、薔薇水晶のための何かだと思うのかしら……」
 物語でよくあるベタな展開だ。不安で、悪い方向に思考が進んでしまう。
「えー」
「そこで不満そうな顔をされても、困るのかしら……」
「でも、もしかしたら、ってこともあるかもだよ?」
「薔薇水晶は、ジュンを信じてないのかしら?」
「愛 し て る」
「そんなことは聞いてないのかしら!」
 いきなり真剣な顔になるから、何を言うのかと思った。……本当に、マイペースな子だと思う。
「……でも、薔薇水晶はすごいのね」
「何が?」
「私は、誰かをそんなに好きになったことが、ないのよ」
「だから、薔薇水晶がそんな顔で、ジュンのことを言う理由が、わからない――」
 薔薇水晶の、表情は不安に彩られているくせに、ジュンのことを想っていることがわかるものだった。
 そんな矛盾したものが、どうして起こりえるのか、少なくとも私にはわからなかった。
「? よく、わからない」
「うーん……本人には、自覚がないのかしら」
「そうかな。でも、金糸雀だって、もしかしたら居るのかもしれないよ?」
「え?」
「私にとってのジュン」
 薔薇水晶にとっての、ジュン。それは、無条件に想える相手。
「あはは、そんな相手、居ないのかしら。そんな相手が居たら、私はここに居ないで、楽してズルして、相手のハートをゲットかしらー」
「んー、でもほら、気付いてないだけかも」
「そういわれると、何も言い返せないけど……」
 少し、考えてみる。意識した、異性。……ダメだった。全然想像もつかなかった。
「あ、でも、ジュンは――」
「……金糸雀?」
「じょ、冗談かしらー! だからほら、そんな目はよくないかしらー!」
 ジュンは、意外とそうかな、と思ったけど、ダメか。
「……じゃあ、結局、やっぱり居ないのかしら」
「じゃあ、そうなんだろうね」
「っていうか、何でこんな話になったのかしら」
 そもそも、薔薇水晶の相談があったからではないのかしら?
「……あー、あはは。うん、金糸雀のおかげで、もう大丈夫」
「え? ……私、何かしたかしら?」
「したよ。ジュンのことをいかに私が好きか、思い出させてくれた」
「そう、なの?」
 薔薇水晶の言葉は、わからない。今の会話で、そんなことを私は出来たのだろうか。
「……ありがとう、金糸雀」
 ああ、でも――こんな笑顔を、薔薇水晶は私に見せてくれたということは。
「どういたしましてなのかしら、薔薇水晶」
 薔薇水晶の、言うとおりなんだと思う。
「じゃあ、ジュンのところに早速行って来るね」
 そう言った薔薇水晶は、既に身体をドアの方に向かっていた。
「……結局、何だったのかしら」
 廊下では、ジュンー、うわ、なんだ、大好きー、とか、聞いてるこっちが恥ずかしくなる内容が聞こえてくる。
「でも、そうね」
 ただ、思う。あの、最後に見せた薔薇水晶の笑顔。
「あんな笑顔、私にも出来るときが、来るのかしら?」
 それは、幸せを表す笑顔。象徴といってもいいだろう。……いつか。いつか、自分も。
「――でも、やっぱり、結局は惚気だったのかしら」
 廊下では、キスする二人の姿。
まあ、あそこまではいかなくてもいいから、私も。
「楽してズルして、愛する恋人を、手に入れて見せるのかしらー」
何だかとても、いい気分。帰り道は、何かいいことがありそうな気がした。
end
 

 
【薔薇水晶とジュン】

「何か久しぶりな気がする…」
「それはつまり私と会いたくて仕方がなかったということ? 一秒でも離れていたくないってこと?」
「ん、そうかも」
「……あれ、おかしいな。ここでジュンが照れて、私が、私はそうなのに、ジュンは違うの、って涙目になりながら迫る予定だったのに」
「薔薇水晶って、意外と策士だよね」
「ジュンのためなら、何でもできるよ」
「僕も、薔薇水晶のためならきっと何でも出来るよ」
「……あ、」
「ん?」
「すごく嬉しいかも」
「それはよかった」
「ところで、私、ジュンと一秒でも離れると実は死にそうになるんだ」
「……あー、はいはい。僕も、そうだよ」

結局似たもの同士ってこと。








【薔薇水晶とジュン】

「そういうわけで、私は雨が好きなの」
「……それのどこがずぶ濡れで僕の部屋に窓から入る理由になるんだ」
「だから、急に打ち付けるような強い雨が降ってきて、いてもたってもいられなくなって、ジュンに会いたくなったの」
「また変な理屈を……それで風邪ひいたらどうするんだ」
「うー。ジュンに看病してもらうもん」
「あー……、拗ねないでくれよ」
「だって、ジュンイジワル。私の気持ち、わかってくれない」
「気持ちって?」
「こんな素敵な雨の日に、ジュンと一緒に外を走りたい」
「……それで、笑ってくれる?」
「うん」
「じゃあ行こうか」
「いいの?」
「僕が風邪ひいたら、看病してくれるんだろ?」
「もちろん」
「なら、行こう」
「うん。ジュン」
「?」
「大好きだよ」
「知ってる」

で、二人で風邪をひいて他の面々に怒られたって話。







【薔薇水晶とジュン】

「ジュンの女の子の好みは?」
「え? 急にどうしたの?」
「例えば、結構高慢なくせに二人きりになると身を任せる紅茶好きの女の子とか、ホントは寂しがりや優しいくせにそれを隠してる、黒い服を好んで着る女の子とか」
「どこかで聞いたような女の子だなぁ」
「で、真紅とか銀姉さまが好きなの?」
「実名が出てるんですけど……」
「だって、ジュン、二人と幼なじみだし、なんだか二人と一緒に居ると安心しているみたいだし」
「そりゃあ、昔はいろいろあったけど…」
「あ、違う。そういう意味じゃない。ごめんなさい」
「ああ、僕もそういう意味で言ったわけじゃないから安心して」
「うん」
「あー、そうだなぁ。僕の今の女の子の好みは、」
「わくわく」
「口で言わないでも……えっと、髪が長くて、眼帯をしていて、照れ屋なくせに大胆で、それで人を思いやることが出来て、誰よりもかわいい女の子かなぁ」
「ねえ、それって誰のこと?」
「薔薇水晶」
「本当?」
「本当」
「……にこー」
「それは反則だ、とだけ言っておく」

あと、ジュンは嫉妬深いってつけたすのを忘れてたなぁ、と思ったという話。
もちろん、それで薔薇水晶がいろいろしたのは、言うまでもない。






【薔薇水晶とジュン】ネタ元:ID:kv4/nfgo0氏(薔薇水晶短編7の下のほうの)

「猫かわいい……」
「じゅ、ジュン?」
「はぁ……癒される」
「あの、ジュン? ほら、見て見て。私ね、ちょっと髪形変えたの」
「にゃーにゃー言ってる……」
「う、うぅー!」
「かわいい……」
「じゅ、ジュン!」
ぐいっ!
「わ、何するんだ、薔薇水しょ、う?」
「にゃ、にゃー////」
「おーけい、一応聞くけど、それ、何?」
「……ね、ねこみみ(ぼそぼそ)」
「何で?」
「じゅ、ジュンが猫ばっかりかまうからだもん。私悪くないもん」
「だって、猫かわいいし」
「わ、私の方がかわいいもん!」
「自分で言うのは、どうかと思うけど……」
「う、ううううううう」←滅茶苦茶恥ずかしそう
「――あ」
「え?」
「薔薇水晶、めっちゃかわいい」
「え、ええ、えええええ、何々っ? きゃ――」


それで薔薇水晶はジュンに抱きしめられて色々されたって話なんですけど、つまり付属品があるというのは視覚的に刺激されて新鮮さがあって、なおかつそれが自分の嗜好にあったりした場合はアンタ、って話。





何か色々終わったあと。

「ジュンが猫耳が好きだなんて知らなかった……」
「う。だって、何かひかれそうで。というか、別にそこまで好きってワケじゃ」
「他に何が好きなの?」
「えっと、そうだなぁ。お兄様とか呼んでくれたらもう言うことは――いや、違うんだ、薔薇水晶。本当に、勘違いしないでくれ」
「…………いさま」
「え?」
「お、お兄様?」(滅茶苦茶恥ずかしそうに、何かすごい甘えた声で)

ぷっちん。←何か切れる音。

「ば、薔薇水晶ーーーーー!」
「ま、またなのーーーーー!?」

えっと。まあ、何も言うことなく、強いて言うことがあるとすれば。

バカップル。






【薔薇水晶とジュン】>>120の絵を見て書いた。

「というわけで、見詰め合ってみよう」
「また、急にどうしたの」
「らぶらぶしたい」
「いつもしてるけど?」
「いーまーしーたーいぃー」
「駄々っ子だ、駄々っ子が居るぞ」
「――もういいもんっ。ジュンのイジワルっ」
「うわ、怒った?」
「…………(つーん」
「えっと……」
「……謝ってくれなきゃ、ずっと怒ってる」
「んー、ごめん」
「うん、よし。許すっ」
「で、見詰め合うの?」
「もちろん。きっと、幸せだよっ」
「……ま、それもそうか」

――そして、見詰め合えば、自然に笑顔になる。薔薇水晶とジュン。ずっと幸せな、二人。







「静かだなぁ」
 夜は静かだった。うん。静か。
「静かだなぁ」
 静かは、寂しい。何より、逢いたい。
「……静か、だなぁ」
 例えば永遠の話。変わらないことだってある。登場人物はそのまま存在し続ける物語。夢は夢のまま終わらない夢のような空想。
 空を想い月を想いそして大地に帰ってくる願いがある。そして。それは、何よりも尊く世界を照らすヒカリのような、もの。
 だからこそ大切にしなければならないはずの運命。必然を偶然で割ったような、あまりにもありきたりな当然。それだって、本当は、静かなもの。
「静寂」
 静かなものは、きっと、いいものだ。いいはず。そう信じていなければ、やっていられないはず。はず。推測。自分のことほどわからないものはなし。
「くけー!」
 とりあえず叫んでみた。いや、ホント、何がとりあえずなのかわからないけど、叫ばなきゃいけないような気もしたのだ。
 も、って言うように、何だか心の中はいろんなもので渦巻いていて、混沌として、混迷として、だからぐちゃぐちゃ。ああ、雪降らないかな。夏なのに。
 そんなことを思う程度にはぐちゃぐちゃなのは間違いない。いや、それは結構正常な思考のような気がする。
「はやく、来ないかなぁ」
 暑い。暑いものは、暑い。うるさい黙れ。そんな朝。いや、夜。うーん、と、多分、朝。朝焼け。ゆめゆめ忘れるな。静かなのは朝だ。
「……あ、アイス食べたい」
 そりゃ、うん。暑いもの、夏だモノ。しょうがない。体内から湧き出る衝動には抵抗しずらい。自分の誘惑に勝てるのか。
「あー、てきとーでいいや、もう」
 うん。もーどうでもいい。どーでもいいから、オチに行こう。

「と、そんなわけで、午前三時からジュンをストーキングっ」
「意味わからねぇ、意味がわからないよ薔薇水晶」
「いや、原点回帰アンド、今日のデートが待ち遠しくて」
「……じゃ、早く行こうか」
「うんっ」







【薔薇水晶とジュン】嘘予告。嘘だよ。うーそ。

その日は唐突に訪れた。

「お父様、好きな人が出来たの」
「……え?」

愛娘から、衝撃の告白!

「初めまして、桜田ジュンと――」
「てっめえええええええ、帰れよおおおおおおおお!」

とりあえず拒否!

「槐、君ね」
「白崎! 薔薇水晶が、薔薇水晶が!」

友情出演白崎!

「や、もう、行き着くところまで行っちゃったし」
「…………………」

灰になりそうな予感! っつーか娘が反抗期!

そんな閑話! こうご期待保守!

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最終更新:2009年03月26日 13:17