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Story ID:zOptExS00 氏(14th take)

「Rolero」
Lyrics ID:zOptExS00 氏(14th take)

いつになく真剣に1通の手紙に目を通す水銀燈の姿が楽屋にあった。
~こんにちは水銀燈様 私は去年の夏から病院にずっといます。
去年のクリスマスに看護婦さんがくれたローゼンメイデンの
歌が好きになりました。特に水銀燈様が好きです・・~
そのファンレターの差出住所は水銀燈が住むマンションから100mも
離れていない病院からだった「00ホスピタル」口に出してつぶやく。
「あら、どうしたの水銀燈どこか悪いの?」と病院名を聞いた真紅が
心配そうに水銀燈の顔を覗き込む。
「いやぁね~真紅。どこも悪くないわ、それより外の空気を吸ってくるわ」
とレコーディングスタジオから出て行った。水銀燈は知っていた、この
病院は重病患者が多く入っていることを

いつもと少し様子の違う水銀燈に気付いた真紅が少し時間を置いて後を
追いかけるとロビーのソファーに深く腰を掛けている水銀燈を見つけた。
「どうしたの水銀燈、あの手紙を見てから様子が変だわ」
無言で手紙を真紅に手渡す水銀燈、真紅も無言で手紙の内容を見る。
水銀燈にこの病院、とくに小児科病棟は重病患者が多いと聞かされる。
「水銀燈、この病院は近いわね、今から行くのだわ」と真紅は水銀燈の
腕を掴みながら言うとそのまま玄関先にあるタクシーに飛び乗った。
「バカねぇ、今消えたらレコーディングはどうなるの?」
「大丈夫よ水銀燈、貴方のパートはほぼ終えてるわ、歌入れは後からでも
できるのだわ、それに翠星石は居ないし・・」それを聞いた水銀燈も
「そうねェ」とだけ言うと昼食を食べてくると言い残しフラリと遊びに
出かけた翠星石のことを思い出しているとタクシーは病院前で止まった。

不意に現れた真紅と水銀燈の姿に一時ロビー内が騒然となったが機転を
聞かせてくれたナースがすぐに関係者用のエレベーターまで案内する。
「まさか5分前に貰った電話が本当だったとは・・彼女の病室は」と
案内されたのは一番奥の個室であった。ただ薬で眠っているらしく今回は
そっと部屋を覗くだけに留まった。ファンレターどおりのローゼン、特に
水銀燈のファンらしく病室にはポスターやグッズなどが目に付いた。中でも
水銀燈が気に入ってつけているピアスなどが綺麗に枕元に並べてあった。
そこに2人でサインをしそっと病院を後にする。帰りの車内で口にだす。
「水銀燈、あの子は・・」「真紅ぅ、あの子は」2人同時にでた言葉だが
後にはなにも続かなかった。

1週間後メンバーはそろってお忍びで彼女の病室を訪問した。サプライズと
いうことで何も知らない彼女は最初は戸惑っていたが水銀燈が彼女のベッド
に腰掛て彼女が好きだという曲を弾き他の病室の迷惑にならない程度で
歌った。雛苺がすかさずデジタルカメラのボタンを押す。その後は薬の時間
なので彼女はやがて眠ってしまった。またすぐにメンバーで会いに来る
約束をして・・・・

3枚目の最新アルバムからハードな曲、可愛いポップス調の歌、切ない
バラードを次々と披露していくメンバー。真紅のビブラートと水銀燈の
切り裂くようなチョーキングでステージは終えた。数万の「アンコール」
が数分間続いた後に真っ暗に照明を落としたステージに一人スポットライト
の中に水銀燈の姿があった。手にはアコギを持って。

「Rolero」 ~1stアルバムからの曲~ 
Lyrics&Music:水銀燈 

ブラインド越しの外は 時の渦に飲み込まれて 
銀のピアス 薔薇のシルエット ガラスの微笑み 
チープな夢に踊らされ 堕ちた天使の羽は折れ 
何かを求め 夜の街で舞おう 崩れた天秤の上で 
Oh 傷だらけの言葉よ Oh 迷路のような魂よ 
Oh Oh Ah ウソを付いた傷口が奏でる 涙のように 

刹那のキラメキに癒されて 黒い羽が遊ぶ 
瓦礫の町並みに 微妙なジョークからませて 
誘惑に濡れて 月明かりに揺れる私のフィクション 
シルクの波と ワインの海に 酔わされて 
Oh 光と影が世界を映し Oh 夢の狭間で消えていく 
Oh Oh Ah 廻る世界は 出逢いと別れ 背中合わせの物語 

いつもならこの曲は薔薇水晶の暗く神秘的なイントロで始まり水銀燈のギター
と翠星石のドラムが一気に入る激しくも幻想的な曲なのだが、今回は
水銀燈がアンプラグドで歌っている。元々が幻想的な曲が少し哀愁と
悲しみをミックスさせたような雰囲気を出し、ホール内を満たした。

後にこのコンサートを収めたライブCDのジャケットには雛苺が取った
病院のベッドに腰掛て優しい顔をした水銀燈の写真が使われた。
そのアルバムにはそっと「この曲が好きだといってくれた私たちの
親友に贈ります」とのメッセージが書かれていた。


最終更新:2006年04月06日 23:13