Story ID:zBKd3qVI0 氏(276th take)
「だから、ライブ中に紅茶を飲む癖はどうかならないのぉ・・・?」
「いや、断じて休憩では無くて。言わば、より演奏を高め高めていくための儀式なのだわ」
「・・・水銀燈は確かにスワローズ封印してるよね・・・」
「スワローズ!?・・・とにかく、テンポが狂うのよねぇ・・・」
「私は高まっていくテンションに合わせてテンポ良く飲んでるのだけど・・・。
申し訳ないけど、これだけは断じて譲れないのだわ」
(真紅、退席)
「でも、真紅が紅茶を飲むと盛り上がるのー!」
「確かにそうなのですぅ・・・でも、前回サンドイッチ持ってきたのは勘弁して欲しいですぅ!」
「あぁ、『紅茶にサンドイッチは付き物』・・・ねぇ。紅茶はまだ我慢できるけど、アレでちょっと耐えられなくなったのよねぇ」
「『乳酸菌取ってるのー?』って雛苺に言われてたね・・・まぁ、怒るのも無理ないけど。どうしようか」
「・・・サンドイッチ・・・サンド・・・」
「・・・あ、そうだ。その手があったわね。薔薇水晶、いい事言うじゃなぁい?」
「・・・え?いや、サンド・・・?」
次のライブ。
今度もサンドイッチ。
盛り上がる会場。しかし、前回のライブ中、サンドイッチを食べてる間は微妙に退屈そうな表情をした観客も多かったという事を真紅以外のメンバーは知っていた。
「・・・(食事)」
「腹が減っては戦が出来ぬなのー!(うにゅーを食べる)」
(・・・雛苺は速攻で食べてくれるんだよな。前に喉に詰まらせかけた事はあったけど・・・。
・・・で、本当にやるの?)
(苦情はこの私が負うわ、遠慮しないで行きなさぁい)
(・・・了解ですぅ)
「さーて、時間掛かるからここで一曲カバー曲でも行ってみようか!」
「・・・え!?」
「真紅、大丈夫ですぅ。JASryの許可は取ったですぅ。あんな組織、逆に言えば金さえ払えばいくらでもやらせてくれるですぅ」
「・・・あ、だったら宜しく・・・って、聞いてないのだわ」
「有名どころも有名どころよぉ、アドリブでも真紅なら行けると思うわぁ・・・飲み終わった後、まだ曲が続いてたら弾いちゃいなさぁい?」
「・・・分かったのだわ」
「さーてと・・・蒼星石、行くですぅ!」
「・・・了解」
「行くわよぉ!? Metallicaで『Enter SandwichWoman』!あらぁ、間違っちゃった!」
(凄まじい勢いで紅茶を吹き出す)
「ちょっ・・・図ったのね!?図ったのね!?」
「あ、歌詞も真紅バージョンにしてあるからとくと聞きなさぁい!?」
「!"#$%&'いーーー!」
紅茶はともかく、サンドイッチは二度とライブに登場しなかった。
会場も大いに盛り上がったと言う。
最終更新:2008年01月08日 00:21