Story ID:8ZbwVpAW0 氏(283rd take)
真紅が携帯電話を手に取る。
そして、電話で別れの挨拶をし終えると同時に一斉にメンバーが演奏を始める・・・。
(よし、全員上手く行ったのだわ)
「さーて、今度は僕がMCを勤めさせて貰うよ!
次はローゼンメイデンには珍しい曲とよく言われるね。『テクノロック』!」
「いつものピアノと勝手の違うシンセで薔薇水晶が弾けてくれるから、聴いとけよ!」
「いや・・・音がいっぱいで使いやすいけどね」
そう言って、薔薇水晶が弾き始めた。PSG音源のような音を情熱的に弾きこなしていく。
観客が歓声をより高めた。
「・・・ちょっと、失礼するのだわ・・・」
「え?えっと、真紅が用事みたいだ、みんなちょっと待って・・・携帯?」
蒼星石以下、全員が一斉に真紅の方を振り向いた。
さっき持ち込んだ携帯電話が光っている。
「ちょっと、金糸雀!?何で今電話を掛けてくるのか理解できないのだわ!
・・・え?身に覚えが無い!?」
「全く・・・いくらなんでもそんな訳ないですぅ」
ピッ・・・さっきの演出をリピートするように、真紅が携帯を切る。
「真紅、説教が終わった所で再開しなさぁい。薔薇水晶もまた弾き出した事だし」
「・・・勝手に携帯電話が動いているのだわ」
「・・・え!?」
それを聞き取った前列の観客席がどよめく。
「ちょ、ちょっと見せるですぅ!」
「す・・・翠星石!?心当たりがあるの!?」
「ば、ばらしーのシンセと連動してる気がするですぅ!」
!?
ここで補足。電話と言うものはボタンにより自らが再生した電子音を使って通話先に連絡する。
このプッシュホンの音は、条件が整えば3桁の番号程度なら人間が代用することも出来るらしい。
「・・・ちょっと!?薔薇水晶!?」
原因は分かった。
舞台裏の金糸雀の携帯が薔薇水晶によって暴走したらしい。
「そもそも真紅の携帯電話の番号に繋がる確率ってどんな天文学的な確率よぉ!?狙ったのね!?」
「・・・いや、音が多くて楽しいから・・・」
ピッピッピッ・・・プルルルル。
「・・・もしもし・・・のり?えっと、これは・・・。
・・・ライブ見てたから事情は分かる?助かるのだわ・・・それじゃ」
プツッ。ツー、ツー、ツー。
「・・・巻き添え自重しろwwwww」
「それ以前に観客席、ちょっとは遠慮するですぅーーー!!!」
観客席を見る。
すると、そこには薔薇水晶が真紅の携帯の番号を弾いてくれないかと期待し、携帯電話を掲げる面々の姿があった。
・・・薔薇水晶が弾き始めた。
「ちょっと!ま、待つのだわ!」
「薔薇水晶!いい加減に・・・」
次の瞬間。
観客席から盛大に時報が聞こえ始めた。
「・・・む、無茶苦茶なのー!」
「えっと・・・あと20秒で8時丁度か・・・じゃ、弾き始めよう」
後日、親しいプロデューサーの槐が入れ知恵の犯人だと発覚したそうな。
最終更新:2008年02月02日 03:17