Story ID:RI802jzD0 氏(290th take)
Illust ID:wFGQMM940 氏(290th take)
人気ロックバンド、ローゼンメイデンは発表する曲すべてがヒットし、社会現象にまでなることは珍しくない。
そんな彼女たちローゼンメイデンにCM曲の依頼が来た。
某保険会社のCMで人生の喜び、悲しみなどを詰め込んだ壮大なバラードを作ることにした。作詞は真紅がメインで蒼星石がアドバイスなどを行う。
作曲は水銀燈、編曲は薔薇水晶で作り上げた曲にいよいよ歌入れが始まった。
らららぁぁ~♪ ちぎれた雲がひとつ~♪
この曲はローゼンメイデン初となる全員のコーラスが入るため、歌入れ前は普段なら無口な薔薇水晶ですら雛苺と一緒にヴォイストレーニングを行っていた。
そこに水銀燈の声がこだました。
らぁ~ららぁ~♪ この世界にぃ~あなたは一粒の夢を抱いてぇ~~♪
Illust ID:wFGQMM940 氏(290th take) ※クリックで元サイズ表示
冷や水を打ったとはこの事だろうか?とにかくマイク越しに水銀燈の歌声が聴こえた瞬間、スタジオの中は静まり返った。
…こ、これは
…ま、まさか水銀燈の歌かしら?
…う、うゆぅ~
…やべぇですぅ
…酷いのだわ
…むむぅぅ
尋常ではないスタジオの空気を感じた水銀燈はイヤホンを耳から外すと、いつの間にか壁際でより固まっているメンバーのほうを見る。
「なぁに?みんなして?どうしたのよぉ~?」
「い、いや、なんでもないのだわ」
「こ、ここに居たほうが音がよく聴こえるですぅ~」
「そ、そうなの~」
「ふぅ~ん。で、私の歌は雛苺とばらしーが歌った直後に入る訳ねぇ~?」
「…むむッ」
「なによぉ~、どうしたのよぉ~ばらしー?」
自分が歌った直後に水銀燈の歌声が入る。それを聞いた薔薇水晶は金糸雀の後ろに隠れてしまった。
「そ、その予定だったけど、このパートは金糸雀に任せるですぅ~」
「えぇ~、どういうことよぉ~?」
「う、うん。このパートの部分はばらしーが新たにアレンジを加えてね、水銀燈はワウを使ってちょっとややこしいフレーズを弾くことになった…んだよね?」
「そ、そうかしら~。超ややこしいソロが入るかしら~」
「ふぅ~~ん。そうなのぉ?なんだか残念ねぇ~、せっかく私の初の歌の披露だったのに~」
「こ、今回は水銀燈の歌パートは無くなったけれど、次のアルバムに入れる曲には考えとくのだわ」
「しかたないわねぇ~、今度のアルバムの曲には入れておいてねぇ~」
「や、約束したわ」
「約束したわよぉ~。さぁ、この曲を仕上げて新しい曲を作るわよぉ~、もちろん私の歌パートが入ってる曲ぅ~♪ふふふ~ふぅふ~ふふ~~ん♪」
鼻歌交じりで笑顔を見せる水銀燈。だが、その鼻歌すらかなりきわどいものがあった。
気付かないのは本人だけ、これから作っていくであろう新アルバムはどうなってしまうのか?
一抹の不安を感じながらも曲作りは続いていくのであった。
天は美貌とギターの才能を銀様に与えました。でも歌の才能だけは与えなかったようです><
最終更新:2008年02月19日 00:39