アットウィキロゴ
Story  ID:xsU6Q6q90 氏(290th take)
人気ロックバンド、ローゼンメイデンは多くの曲をCMなどに提供している。
今回は、ある映画の主題歌およびサントラの一部を引き受けた。

「こういう感じのほうがより怖さを出せると思うですぅ~」
「ヒナはこの部分に不協和音を入れたらいいと思うの~」
「さすが雛苺だね、不気味さを作らせたら凄いものがあるね」
「へへっ、ヒナ、誉められたの~」

そう、今回の曲はホラー映画。特に人気のジャパニーズホラーと呼ばれるジャンルであった。
いかに濃厚な怖さが出せるか?そのテーマに彼女達はいろんな意見を出し合っていた。
しかし、そんな中で水銀燈だけはシラケタ表情のままソファーに腰をかけて滅多に吸わないタバコを吹かせていた。

「そんな辛気臭い音楽よりもっとロックっぽい曲がいいわぁ~。
 そうねぇ~ブラックサバスみたいなぁ~洋風がいいわぁ」
「洋風はどうかしら?これは日本のホラー映画だもの」
「はぁ?そんなの関係ないわ。それに何これ?」

フゥ~っと煙を天井にむけてはきながら水銀燈はスタジオの隅に設置された小さな神棚を指差した。

「これは厄除けと言うか魔除けかしら。こういう仕事をする際には必要かしら~」
「はぁ?魔除けぇ?バッカみたい」
「でもこう言うのは決まりかしら。ハリウッド版の呪怨でも撮影時にお払いをしていたかしら~」
「ふふふ、私にそんなの関係ないわ~。うふふふふ」

金糸雀の説明にも耳を貸さない水銀燈は笑いながら神棚に向けてタバコの煙を吹きかけてしまった。

そして次の日、彼女達はいつものように曲作りのためスタジオに来ていた。

「おはよう真紅」
「おはよう、今日は早いわね蒼星石、翠星石」
「おはようですぅ~」
「おはようかしら~」
「おはようなの~」
「……モーニン……」
「みんな揃った、あれ?水銀燈がまだね」
「おはよぉ~、今朝は寝坊したでござるぅ~、かたじけないでござるぅ~」

少し遅れて入ってきた水銀燈に彼女達は耳を疑った。
姿はいつもどおり、声も普段と変わらない。
しかし言葉がおかしいのである。

「す、水銀燈?」
「なぁに?」
「い、いや、何でもないわ。それより今日は寒いわね。ちょっと雛苺、私に紅茶を煎れて頂戴」
「じゃ、拙者はぁ~、いつものヤクルトがぁ、頂きたいでそうろぉ~」
「ちょ、ちょっと水銀燈?いま何て言ったの?」
「はぁ?いつもの如くぅ~申しただけでござるわぁ~」

真紅の問いに水銀燈はいつもの調子で答えているつもりなのだろうが、明らかに言葉使いが違いすぎる。しかもソファーに座らずに床に正座しているのだ。
これを見た彼女達は昨日のことを思い出した。

…神棚にタバコの煙をふきかけたですぅ
…あぁ、きっとバチが当たったんだね
…これは何かに取り憑かれたかしら~
…きっとサムライだわ
…水銀燈おもしろいの~
…ござる…?

まるで茶道のようにヤクルトを両手に持ち、口に運ぶ水銀燈を見た彼女たちの意見はおおむね一致していた。それは「水銀燈が面白すぎる」と。
ニヤニヤした顔で見られている水銀燈は少しムッとした。

「皆のものでぇ~何を見ておるのでござるかぁぁ~?」
「な、なんでもねぇですぅ~。ちょっと水銀燈が可愛いと思っただけですぅ~」
「な、なに世迷言を云うでござるかぁ~、左様なことを云われたらぁ、照れるでござるわぁ~」

翠星石の言葉に顔をプイッと横に向けると飲みかけのヤクルトを一口で飲み干した。
そんな水銀燈を見て真紅たちは声を殺して笑っている。しかし溜まりきらず声に出して笑い出した。

「何ぃ?何がそんなに面白いのでござるかぁ?もしかして、それがしをうつけ者にしておるでござるかぁぁ~?おぬし達ぃ、許しませぬぞぉぉ~~」

真紅たちに笑われて怒り狂った水銀燈だが、もう水銀燈の言葉に迫力の2文字はありませんでした><




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年02月20日 00:11