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Story  ID:ZWDr4AZj0 氏(299th take)
 いつも通りのスタジオ、だがそこに水銀燈の姿は無い。

「今日水銀燈は休み?」
「水銀燈はローカルテレビの生放送に出るって言っていたわ。その番組プロデューサーが友達だそうだわ」
「へぇ~、どんな番組ですか?」
「ちょっと聞き逃してしまったわ。ただ2時から出るって言っていたからもうすぐだと思うけど…。」
「じゃあ一旦休憩してそのテレビでも見るかしら~」
「見るの見るのー!」
「…銀ちゃん…見たい…」

 みんな手を休めてスタジオに置いてあるテレビの前に集まる。
 時計はもう2時で、テレビにタイトルが映し出されている。

「ちょうど始まったみたいね」
『テレビの前の皆さんこんにちはー! レポーターの桜田のりでーす!
今日はなんと、あのローゼンメイデンのギタリスト、水銀燈さんが来ていらっしゃってまーす!!』
『こんにちはぁ、乳酸菌とってるぅ?』
「あ、出てきた出てきた」
『今日は呼んでくれてありがとぉ、嬉しいわぁ』
『今日は素人カラオケ大会の企画なんですが、オープニングに水銀燈さんに歌ってもらう事になってます!』

 ブーッ!
 それを聞いた金糸雀は飲んでいたジュースを思わず思い切り噴き出した。
 他のメンバーは一瞬にして焦りの表情を浮かべる。

「か、カラオケー!? そんなの聞いてないかしらー!」
「…ちょっとこれはまずいわ。蒼星石、急いで電話して水銀燈を止めさせなさい!」
「さっきからやってるけど全然繋がらないよ!」
「大体収録中に電話に出る奴なんかいないですぅ! どうするですかぁ!」

 ワーワーとみんなが騒いでいる間にもテレビの中は関係無しにどんどん進行していく。

『それでは早速歌っていただきましょう! 歌っていただくのはローゼンメイデンで「Dance floor」!』
「よりによってそんな選曲…ってそんな事どうでもいいのだわ! 水銀燈、止めなさい!」
「も、もう手遅れなのー!」
『よぉーし、張り切っちゃうわよぉ!』
「もう見てらんねーですぅ、チャンネル変えるですぅ!」

 テレビの中の水銀燈が息を吸い込んだ所で翠星石が猛スピードでテレビのチャンネルを変えてしまった。
 それでその場のパニックは収まったのだが、皆がっくりしてその場へ垂れ込んだ。

「まさかカラオケだ何て聞いてなかったかしら…」
「…なんでちゃんと確認しておかなかったの金糸雀…」
「今頃あの現場はどうなってるですかね…」
「…番組プロデューサー、クビかもね…」
「…社長…見てなければいいけど…」
「うゆー…」

 一同深い溜息をついて、社長が見ていないことを心の底から祈った。


 その後水銀燈には何のお咎めも無かったが、あの番組プロデューサーの行方は不明になったという。




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最終更新:2008年03月07日 22:22