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Story  ID:JVGKaY2A0 氏(330th take)

「Imagine」
訳詞 ID:JVGKaY2A0 氏(330th take)
「…なんなのかしらね…これは…」

水銀燈が見ているのはテレビニュース。
この一週間に起きた出来事を特集したもので、そのほとんどが通り魔や殺人、未成年犯罪、世界規模ではどこかの国の戦争や紛争…一体この一週間で何人の人が死んだんだろう?
「全く最近の世の中はどうなっているんだ?」とついつい年寄りのような事を考えてしまう。

「まるでジャンクみたいだわぁ…ねぇ、めぐ?」

水銀燈が見つめる先には、彼女の親友であった柿崎めぐと自分が写っている写真だった。
めぐは生まれつき体が弱く、心臓に大きな病を患っていた。
一時期は自暴自棄になっていた彼女だったが、水銀燈の説得で一生懸命生きようとした…
しかし、病には勝てず去年死んでしまった…

「…あなたはどう思う?あなたが生きようとした世界がどんどん壊れていってるわぁ…」

そう言って、普段誰にも見せない悲しそうな笑顔を浮かべた。
いつもメンバーの中では気丈で高圧的なイメージの強い彼女だが、夜で他に人がいないせいか、随分弱気になっていた。

「…」

ふと、何かを思い立ったように水銀燈はギターを手に取った。
エレキではなくアコギである。
彼女は何回も同じ曲を弾き、歌った。
ジョン・レノンのイマジン。

昔、水銀燈はロックに勇気づけられた過去を持っている。
そして、音楽はめぐにも生きる事の素晴らしさを伝えた。

ミュージシャンの戯れ言かもしれない。
でも、歌おう。
私なりの形で…


ライブハウス

彼女がギタリストを務めるバンド「ローゼンメイデン」のライブが行われた。
彼女たちの曲は激しく、退廃的なメタル系の曲が多い。
ライブは無事終了…そして、定番のアンコールがかかる。

「さて、ファン達が呼んでいるのだわ!」

ボーカルの真紅がステージに向かおうとするのを水銀燈が止めた。

「ちょっと歌っておきたい曲があるのよぉ…最初に行かせてくれるぅ?」

水銀燈は真剣な顔で言ったので、真紅は頷き「行ってくるのだわ」と応援した。
水銀燈はアコギを片手にステージに上がった。

ファン達はどよめいた。いつも激しい曲を演奏している彼女に、アコギは余り似合わなかったのだ。

「みんなは余り聞かないでしょうけどぉ…ジョン・レノンって、知ってるわよねぇ?」

ファン達に水銀燈は語りかける。

「最近、世界中で悲しい事件が起こってるわぁ。彼が生きていた頃以上に、世界は…特に日本は荒んでしまったような気がしなぁい?」

ファン達は黙った水銀燈の話を聞いた。

「だからねぇ、この曲を歌おうと思うわぁ…夢かもしれないけれど、この世界で生きている全ての人のために…落ち込んでる人や、寂しがってる人のためにねぇ…」

「IMAGINE」

水銀燈は自らが訳したイマジンを、一人弾き語りし始めた。

「IMAGINE」 
作詞、水銀燈 作曲、ジョン・レノン 

考えてごらん 天国なんて無いの 
地獄がないのよ? 空には空があるだけ 
考えてみなさい 今、生きてると 

考えてごらん 国境なんて無いの 
殺し合わないで 神様も居ないのに 
考えてみなさい 平和な世界を 

みんな言うわ 夢を見てると 
でも 一人じゃないの 
あなたも考えてみて 
夢だとしても… 

考えてごらん 名誉はいらない 
お金もいらないわ 生きていられるから 
考えて見なさい みんなの世界なの 

夢だって言いたいかしら? 
でも こんな夢なら 
見る価値はあるでしょう? 
夢だとしても… 

水銀燈が歌い終わると、ファンから拍手が起こった。
中には、泣いている人もいる。
水銀燈のイマジンは、人々に届いたようだ。

後に許可を取り、アルバムに収録された水銀燈版イマジンは大変な人気を呼び、彼女達のイメージを変えるものとなったのだった。




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最終更新:2008年06月11日 01:11